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税務ニュース2021年09月17日 承認された準ずる割合、ADW判決で判明(2021年9月20日号・№898) 土地の売上は除外可能、賃貸料収入を譲渡した建物に限らなければ承認

  • ADW社が課税当局に承認を受けた「課税売上割合に準ずる割合」の算定方法が控訴審判決により判明。

 マンション販売事業者の仕入税額控除を巡る裁判では、控訴審で(株)ムゲンエステート(ムゲン社)、(株)エー・ディー・ワークス(ADW社)ともに敗訴したのは既報のとおりだが(本誌881号、893号)、そもそも本件が紛争化した背景には、両社が敷地の譲渡(非課税売上げ)も併せて行うため課税売上割合が非常に低いということがある。そのため、居住用賃貸収入(非課税売上げ)が建物の譲渡対価(課税売上げ)に比べて非常に小さいにもかかわらず、建物の仕入れに係る消費税額が、課税売上対応に区分されればその全額が控除できるのに対し、共通対応に区分されるとその相当部分が控除できなくなるという問題が生じる。両社が主張していたこの“ギャップ”の問題について国側は、用途区分の問題ではなく、課税売上割合に準ずる割合(以下「準ずる割合」)の適用で解決できると反論し、東京高裁も両裁判で国側の主張を認めた。
 ムゲン社については、平成28年の「準ずる割合」の適用承認申請が認められず、この点も同じ裁判で争われていたが、その後異なる計算方法による準ずる割合が承認され、平成30年12月期以降は当該準ずる割合の適用が可能となった。(ADW社は平成31年に申請が承認され、平成31年3月期以降の「準ずる割合」の適用が可能となっている。)
 ただ、承認された準ずる割合の計算方法は公表されておらず、実務家からは却下された平成28年の方法との違いを知りたいという声が多く聞かれたが、今回、ADW社の控訴審の判決文により、承認された方法が明らかになった。ADW社の承認された「準ずる割合」は、住宅用賃貸部分を含む販売用建物に係る、平成30年3月期における①建物売上高、②事業用賃料収入(課税)及び③住宅用賃料収入(非課税)の合計額のうちに占める①及び②の割合であった。一方、ムゲン社の平成28年に却下された「準ずる割合」は、賃貸料収入を対象期間に譲渡した住宅用賃貸部分を含む建物に係るもの(その仕入日から譲渡日まで)に限定していた。要するに、賃貸料収入を当該課税期間に譲渡した建物に係る部分に限らなければ、承認されることがわかった。
 もっとも、令和2年度改正により、居住用賃貸建物の課税仕入れについては、(3年以内に譲渡又は居住用以外の貸付けをした場合を除き)仕入税額控除が認められないこととなったため、改正後は同種のケースで「準ずる割合」の適用を検討する必要はなくなったといえる。

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