会社法ニュース2022年07月08日 女活法に基づく男女賃金格差開示が開始(2022年7月11日号・№938) 進行期の状況開示迫られる企業、常用労働者300人超の未上場企業も対象

  • 女活法に基づく男女賃金格差開示が「2022年7月1日以後」に締まる年度から義務付け。7月決算企業は来月開示、12月、3月決算企業も進行期の状況の開示迫られる。
  • 常用労働者数300人超なら、未上場企業や上場企業の子会社等も対象。

 6月24日に施行された女性活躍推進法に係る省令・告示により、男女賃金格差の開示が「2022年7月1日以後」に締まる年度から義務付けられた。対象は「常用労働者数301人以上規模の企業」とされ、上場・未上場は問わない。「常用労働者」とは、「正規雇用労働者及び非正規雇用労働者(派遣労働者を除く)」を指し、非正規雇用労働者にはアルバイト、パート、契約社員なども含まれる。「常用労働者数301人以上規模の企業」は、①正規雇用労働者、②非正規雇用労働者、③全労働者(正規雇用労働者+非正規雇用労働者)、それぞれについて、「終了した直近事業年度」における「男女の賃金の差異(男性の賃金に対する女性の賃金の割合)」を「%表示」することが求められる。具体的には、下記により算出する。

賃金台帳を基に、正規雇用労働者、非正規雇用労働者、全労働者について、それぞれ、男女別に、直近事業年度の賃金総額を計算し、人員数で除して平均年間賃金を算出する。その上で、女性の平均年間賃金を男性の平均年間賃金で除して100を乗じたもの(パーセント)を、男女の賃金の差異とする。

 また、「賃金総額」には「基本給、手当、賞与、超過労働に対する報酬、賞与」は必ず含める必要がある。一方、「退職手当、通勤手当等」は、企業の判断により「賃金総額」から除外しても差し支えないが、その取扱いは男女共通としなければならないこととされた。
 7月決算企業は2022年7月期の数値を8月に開示する必要がある。12月決算企業や3月決算企業は幾分時間的余裕があるとはいえ、進行期について開示が求められることに変わりはない。今回の開示義務化に際しては「説明欄」が設けられたことから、男女の賃金格差が大きい企業は、説明欄への記載内容(例えば男女間で勤続年数の差が大きいなど)を早急に検討する必要があろう。
 なお、開示対象となった上場企業の子会社等は、現在ディスクロージャーワーキング・グループが検討を進めている有価証券報告書における男女の賃金格差開示も必須とされる見込みだ(42頁参照)。

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