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税務ニュース2022年07月22日 名義貸しによる代理人PEの認定リスク(2022年7月25日号・№940) 法務省が外国法人の国内代表者の権限制限を容認、課税当局の考えは

  • 外国法人が日本に営業所を設置せず日本で海外本社の登記を行う場合、日本の代表者に代理人PE認定のおそれ。
  • 課税当局は、名義貸しを行う者が本社の指示通り署名捺印する程度ならリスクは低いとの認識。

 外国法人が日本に営業所を設置せずに日本で海外本社の登記を行う場合であっても日本における代表者の登記が必要となるが、登記される代表者は外国法人の日本における業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有することになり(会社法817条1項・2項)、この登記を怠った場合には100万円以下の過料が課される。ただ、税法上は代理人PEが「外国法人が国内に置く自己のために契約を締結する権限のある者」と定義されていることから(法人税法2条12の19号ハ)、この場合、当該代表者が代理人PEと認定されてしまうおそれがある。そこで、PEを認定されたことによる金銭的リスクと会社法上の過料を比較し、登記を行わず過料を支払うとの判断をする外国法人もあるようだ。こうした背景の下、日本に拠点を有さず継続的にビジネスをしている外国法人に対し、裁判やトラブル時の連絡先確保を目的に登記を求めたい法務省は、PEの認定リスクを避ける手法として日本の代表者の権限に「制限」をかけることを認める方針を示しているが、どのような「制限」であればよいかを判断するのは当然ながら課税当局ということになる。
 外国法人が日本に株式会社等の子会社を設立する際、主に弁護士等の専門家が代表者として名義貸しをする事例がしばしば見受けられるが、この場合、同時に外国親会社との間で、「本社の指示通りに書類への署名捺印はするが代表者としての権限を自主的には一切行使しない」という趣旨の取り決めを交わすことが多い。日本における代表者もこのような取り決めをすれば、税務上、実質的には契約を締結する権限があるとは言えないとの考え方もあり得るだろう。そこで本誌が課税当局に取材したところ、代理人PEの認定はその代表者の具体的な業務内容に応じて個別に判断すべき問題であるため、事例に応じて取扱いが変わるのが前提であるとしつつも、上記のような取り決めが交わされ、実際に事業活動にも一切関わっていないのであれば、「PEが認定されるリスクは低いのではないか」との回答を得ている。事務的な必要性から本社の指示に従う程度であればPE認定リスクは低いと課税当局が考えていることが確認された点、実務上の目安となろう。

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