会計ニュース2022年09月02日 少額リース資産の費用開示は求めず(2022年9月5日号・№945) ASBJ、財務諸表作成者から実務負担の増加を懸念する声
企業会計基準委員会(ASBJ)は、現在、リース会計基準の開発を行っているが、表示及び注記に関してはこれまでの方針を一部変更する方向となっている。
開発中のリース会計基準では、重要性に関する定めは現行実務でも浸透していることから、少額リース資産やリース期間が1年以内の短期リースに関する簡便的な取扱いを認めるとしている。また、これらの費用に関する開示については、例外的な会計処理がある場合には開示により補完することが必要との観点から求めることとしていた。
しかし、費用開示に関しては、財務諸表作成者から実務負担を懸念する意見が聞かれたことから、少額資産のリースについては開示不要とすることにしている。短期リースに係る便法の適用可否の判定は、リース期間の判断を行った上での判定となるため、リース期間の判断を行う時点で短期リースの対象となるリースに関する情報を収集できるが、少額資産のリースについては、短期リースのような判断は不要であるため、少額資産の基準を満たす時点でオンバランスするために必要なリースに関する情報が収集されない可能性があり、相対的に実務負担の増加が大きいとしている。
また、使用権資産の表示も変更する方向だ。これまで企業会計基準委員会では、固定資産に新たに使用権資産の区分を設けることを提案していたが、反対する意見が多かったことから、最終的には①対応する原資産を自ら所有していたと仮定した場合の表示科目に含めて表示する、②原資産が有形固定資産であるものについては有形固定資産において使用権資産として区分して表示し、原資産が無形固定資産であるものについては無形固定資産において使用権資産として区分して表示する−−のいずれかの方法によることにしている。なお、いずれの表示方法によっても、(1)使用権資産に係る減価償却費について、対応する原資産を自ら所有していると仮定した場合の表示科目ごとの金額、(2)使用権資産の増加額については、開示が必要とされている。
そのほか、定められた注記事項以外であっても開示目的に照らして重要性があると企業が判断した情報については注記を求めることとしていたが、開示目的を具体的に記載するか例示を示さなければ、財務諸表作成者や監査人の負担になるとの意見が寄せられている。このため、同委員会では、定められた注記事項以外であっても開示目的に照らして注記する情報を会計基準に例を示すこととしている。
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