コラム2023年07月24日 かこみコラム ASBJ、ストックオプションの会計上の取扱いで解説(2023年7月24日号・№988)

ASBJ、ストックオプションの会計上の取扱いで解説

 企業会計基準委員会(ASBJ)はこのほど、「税制適格ストック・オプションに係る会計上の取扱いについて照会を受けている論点に関する解説」(ASBJ副委員長 紙谷孝雄)を公表した。信託型ストックオプションに関する課税上の取扱いを巡り、国税庁が公表した「ストックオプションに対する課税(Q&A)」の公表や「租税特別措置法に係る所得税の取扱いについて」(法令解釈通達)等の一部改正を踏まえ、同委員会にストックオプションの会計上の取扱いに関する照会が多く寄せられていることから現行の取扱いについて改めて解説したものだ。
 同解説によれば、通達改正後は、未公開企業においては行使価格を(税務上の)1株当たり純資産とするケースが増加することが見込まれるとし、仮に行使価格を(税務上の)1株当たり純資産とした場合、算定時点におけるストックオプションの原資産である自社の株式の評価額と差額が生じることが考えられるとした。特に算定時点において1株当たりの純資産は小さいものの、将来的に成長が望まれる企業においては、算定時点におけるストックオプションの原資産である自社の株式の評価額と行使価格との差額が大きくなるため、このような場合には、単位当たり本源的価値にストックオプション数を乗じて算定した額のうち当期に発生したと認められる額を費用として計上することになるとしている(ストック・オプション会計基準第4項及び第5項)。
 また、費用計上に当たっては、ストックオプションの権利付与日から権利確定日までの対象期間を決定する必要があるが、未公開企業が発行するストックオプションには「上場するまで行使できない」といった上場縛り要件などが付されていることが多く、どのように権利確定日を決めて費用計上すればよいのか明確でないとの指摘がある。この点については、条件の達成に要する期間が固定的ではない権利確定条件が付されている場合には、まずは権利確定日として合理的に予測される日を見積ることになるが、見積ることが困難な場合には、付与日に一時に費用計上することになるとしている(ストック・オプション適用指針第18項)。

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