税務ニュース2023年09月15日 インボイス開始後も申告説明会等で対応（2023年9月18日号・№995） 木村関信局長、初めて消費税申告をする納税者らを対象に実施へ

　本誌は、7月4日付で関東信越国税局長に就任した木村秀美氏に、インボイス制度への対応や、税務調査への今後の取組みなどについてインタビューを行った。
　インボイス制度について木村局長は、引き続きインボイスの登録をするかどうか検討している免税事業者に対して、登録の考え方や事業の状況に応じた必要な情報を個別に案内する登録要否相談会を開催していくとしている。また、インボイス制度開始後は、免税事業者から新たに課税事業者となった納税者は初めて消費税の申告を行うことになるため、消費税に関する記帳指導と申告方法に特化した説明会を実施し、円滑にインボイス制度に対応できるよう努めていく方針を示している。
　重点課題の1つである富裕層への対応について木村局長は、有価証券や不動産の大口所有者、経常的な所得が特に高額な者などに対しては的確な管理が行われるよう税務署においても個人課税部門と資産課税部門が連携・協調を図り、所得税だけではなく、相続税や贈与税に関する各種資料情報の収集等も実施している旨を明らかにした。
　平成29事務年度に設置された重点管理富裕層プロジェクトチームにおいては、管理対象とする納税者とその関係者や主宰法人、関連法人と一体的に管理して情報を収集した上で分析・検討を行っており、その分析の結果、調査が必要と認められた場合については、調査対象者の態様に応じ、複数の調査担当部署による連携調査をはじめとした組織的な調査体制を編成し、関係部署と十分な連絡を取った上で総合的な調査を的確に企画・実施しているとした。