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税務ニュース2023年12月15日 外形標準課税、閾値「2億円超」で決着(2023年12月18日号・№1007) 資本剰余金の配当等によるタックスプランニング防止措置も導入

  • 「資本金+資本剰余金」が50億円を超える法人の100%子法人等は、資本金1億円以下でも「資本金と資本剰余金」が2億円超なら外形標準課税の対象。
  • 資本剰余金の配当を行うことにより2億円を割り込ませた場合は当該配当額を加算する等のタックスプランニング防止措置も導入。

 既報の通り、令和6年度税制改正議論では、減資や分社化等による外形標準課税逃れの封じ込めが検討されてきた(本誌10月23日号参照)。一時は、大企業の100%子会社は資本金1億円以下でも全て外形標準課税の対象とすべきとの意見もあったが、結論として、一定規模以下の100%子会社は対象外とした。具体的には、「資本金と資本剰余金の合計額が50億円を超える法人の100%子法人等のうち、当該事業年度末日の資本金が1億円以下で、資本金と資本剰余金(公布日以後に、当該100%子法人等がその100%親法人等に対して資本剰余金から配当を行った場合においては、当該配当相当額を加算した金額)の合計が2億円を超えるもの」が対象とされる。
 ここで「2億円」とあるのは、会社法においては払込金額の1/2までは資本金ではなく資本準備金として積めることを勘案したもの。つまり、資本金が1億円の会社は、資本準備金(すなわち資本剰余金)も別途1億円を積んでいる可能性があり、「資本金+資本剰余金」が2億円までの企業は「小規模な企業」と言えるため、対象外としても構わないとの判断だ。当初、総務省側からは「資本金+資本剰余金」が数千万円等でも対象にすべきとの案も浮上していただけに、2億円での着地には企業側への譲歩の跡が見られる。ただし、上記の通り、資本剰余金の配当によって2億円を割り込ませる等のタックスプランニングを封じるべく、当該配当額を加算する措置を講じるとされている点、注意したい。また、減資額をその他資本剰余金に振り替え、その他資本剰余金から繰越利益剰余金への振り替えを行うという事例も過去には見受けられる。本措置の射程も気になるところだ。
 施行は令和8年4月1日となる。いきなり複雑な付加価値割の計算を求めるのは酷であるため、2年間の猶予措置を設けた。加えて、外形標準課税の対象となったことにより従来の課税方式で計算した税額を超える額を、令和8年度は2/3、同9年度は1/3減額する激変緩和措置も設ける。2億円という閾値によって、企業グループによっては資本金1億円以下の「大企業の100%子会社」の多くが引き続き外形標準課税の対象外となる見込みだ。

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