会計ニュース2024年01月26日 少額リース、維持管理費用の控除可(2024年1月29日号・№1012) ASBJ、借手の維持管理費用相当額は公開草案通り控除できず
企業会計基準委員会(ASBJ)は、現在、企業会計基準公開草案第73号「リースに関する会計基準(案)」等に対して寄せられたコメントについて検討しているが、公開草案には、リースの識別に関して、貸手と同じく、借手においても維持管理費用相当額を契約対価から控除する取扱いの選択適用を認めるべきとの意見がある。
公開草案では、借手においてはリースを構成する部分とリースを構成しない部分の配分に関して独立価格の比率により配分する方法を定めている。これはIFRS第16号「リース」と同様の取扱いとなっている。一方、貸手においては、現行のリース会計適用指針の定めを維持する方針であることや、貸手は維持管理費用相当額の金額を把握していることも踏まえ、独立販売価格の比率により配分する方法に加えて、維持管理費用相当額について契約における対価から控除する方法も認めている。
現行のリース会計適用指針第14項では、借手が負担するリース料の中に含まれる固定資産税、保険料等の諸費用といった維持管理費用相当額は原則としてリース料総額から控除することとされているものの、維持管理費用相当額は、①契約書等で維持管理費用相当額が明示されていないことが多い、②リース物件の取得原価相当額に比較して重要性が乏しい場合が少なくないことから、その金額がリース料に占める割合に重要性が乏しい場合はリース料総額から控除しないことができるとされている。ただ、この点については、維持管理費用相当額に重要性がある場合には、借手も維持管理費用を把握している例もあるなどの意見が聞かれている。
このため、維持管理費用相当額が明らかである場合に限り、代替的な方法の選択適用を認めることも考えられるが、この場合には、維持管理費用相当額を控除できるリースと控除できないリースが同一企業内で混在することになり、代替的な会計処理を認めることで財務諸表の比較可能性が損なわれるとしている。したがって、企業会計基準委員会は、借手においては、公開草案通りとし、代替的な会計処理は認めないこととしている。ただし、300万円以下の少額リースの判定については、現行のリース会計適用指針の取扱いを踏襲し、契約対価から維持管理費用相当額を控除できる取扱いを追加的に認めることとしている。
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