会計ニュース2024年06月14日 年次改善で企業会計基準等を見直しへ(2024年6月17日号・№1031) ASBJ、包括利益会計基準適用で株主資本適用指針を改正
企業会計基準委員会(ASBJ)は、原則として年1回、4月1日を基準日として、同委員会が公表した企業会計基準等について要変更事項があるか否かの確認作業を行い、改正又は修正を行う(企業会計基準等の年次改善)こととしている。
今回は、例えば、包括利益会計基準が適用されることに伴い、連結財務諸表については、純資産の部に計上されたその他有価証券評価差額金の増減、繰延ヘッジ損益の増減及び為替換算調整勘定の増減が、包括利益を表示する計算書において表示されることになったが、株主資本適用指針等の複数の会計基準等においては、「純資産の部に直接計上された」という表現が使用されたままとなっているため、「その他の包括利益で認識した上で純資産の部のその他の包括利益累計額に計上」といった用語への見直しを行う。
用語の変更は形式的に変更するものだが、株主資本適用指針における連結株主資本等変動計算書に関する用語については、数社の開示科目に変更する可能性があることから、会計基準等の改正として取り扱うとし、適用は公表から3か月程度経過した日からと一定の経過措置を設ける予定。仮に2024年12月に企業会計基準等の改正が公表された場合には、2025年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用されることになる(早期適用可)。
また、種類株式の貸借対照表価額に関する実務上の取扱い(実務対応報告第10号)では、会社法が公布されたことを受けて削除された商法の条文が参照されたままとなっている。会社法では種類株式となる内容の範囲が拡大されているため、実務対応報告第10号の適用範囲となる種類株式の定義に関する定めの変更が必要とされている。実務上は、会社法の種類株式について、実務対応報告第10号を類推適用していることが多いとされているため、実務への影響が生じる可能性は限定的であるものの、会計処理及び開示に関する定めについて実質的に変更するものとして企業会計基準等の改正に該当するものとして取り扱うとしている。こちらも適用は公表から3か月程度経過した日からと一定の経過措置を設ける予定だ。なお、会社法上の種類株式について、実務対応報告第10号を類推適用していなかった企業については、遡及適用のコストが生じることから、適用初年度の期首より前に取得した種類株式は従前の取扱いに従って会計処理を行い、新たな会計方針を遡及適用することは求めないとしている。
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