税務ニュース2024年08月23日 届出書添付なら居住者証明書発行日不問(2024年8月26日号・№1040) 電磁的媒体で受領の証明書を再利用可、ただし極端に古い場合は要注意
租税条約届出書の提出時に特典条項に関する付表(様式17)の提出も要請される場合には、原則として相手国の税務当局等が発行した居住者証明書の添付が必要とされる。居住者証明書は、租税条約届出書に添付せずに源泉徴収義務者に“提示”することも可能とされているが、この場合の居住者証明書は提示の日前1年以内に作成されたものでなければならないとされている(たとえば様式17−米の注書5)。この点、実務家の間では、居住者証明書を提示する場合にはその発行日に制限が設けられていることから、租税条約届出書に“添付”する場合も1年以内に発行された居住者証明書でなければならないのか、という疑問が生じている。しかし、本誌が課税当局に取材したところ、「居住者証明書を“添付”する場合は、法令上、発行日の制限は設けられていない」ことが確認された。つまり、添付するのであれば、発行日から1年超を経過した居住者証明書でもよい、ということだ。課税当局の見解は、実施特例法省令9条の10第3項では提示の場合に発行日から1年以内の居住者証明書に限定する旨を定めているものの、同条はあくまで“提示”をする際の規定であるため、“添付”をする場合には同条3項規定の発行日制限は無関係、ということを根拠としているようだ。また、本誌886号「電磁的方法では居住者証明書の原本不要」でお伝えした通り、電磁的提供により取得した居住者証明書のPDFを印刷して提出することも可能とされているが、たとえば1年以上前にPDFで受領し、当時の租税条約届出書に印刷添付のうえ提出した居住者証明書を、同一の支払先に対して新たに租税条約届出書を作成する場合に“再利用”が可能なのかという疑問が別途生じる。この点も課税当局への取材により、「可能」であることが確認されている。ただし、法令上は添付する場合の居住者証明書の発行日に制限がないにせよ、課税当局は「たとえば5年前や10年前等の発行日の古い居住者証明書が添付されている場合は、それが本当に居住者の実体を証明しうるのかという疑義を招く」ともしているため、極端に古い発行日の居住者証明書の添付については注意が必要となろう。
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