会社法ニュース2024年11月15日 傍系卑属、被相続人の兄弟等の代襲不可(2024年11月18日号・№1051) 最高裁、国が敗訴した原判決を破棄
本件は、被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合において、その兄弟姉妹が相続開始以前に死亡したとき、被相続人の傍系卑属であっても代襲相続人となることができるか否かが争われた事件だ。1審の原告ら(X1、X2)が被相続人の死亡以前に亡くなっていた母(A)を代襲して被相続人の相続人になるとして、遺産である土地及び建物について、相続を原因とする所有権移転登記等をしたところ、申請却下の決定が行われたため、原告らが本件処分は違法であるとして、その取消しを求めたものである。
原告らの母Aは、原告らの出生後に、被相続人の母であるB(Aの叔母)と養子縁組をしたことにより、被相続人の妹となった(図表参照)。原告らの祖母とBとは姉妹であったため、養子縁組の前から相続人らは被相続人の5親等の傍系親族であった。

原審の東京高裁の判決では、民法887条2項ただし書の「被相続人の直系卑属でない者」については、同法889条2項において兄弟姉妹の代襲相続に準用するに当たっては、「被相続人の傍系卑属でない者」と読み替えるのが相当であるとし、控訴人(1審の原告)らは、被相続人を代襲相続できるとの判断を示したが、最高裁が10月1日に弁論を開いたことで、東京高裁の判決が覆る可能性が生じ、注目されていた(本誌1047号参照)。
今回、最高裁は、民法889条2項において準用する同法887条2項ただし書も、被相続人の兄弟姉妹が被相続人の親の養子である場合に、被相続人との間に養子縁組による血族関係を生ずることのない養子縁組前の養子の子(被相続人とその兄弟姉妹の共通する親の直系卑属でない者)は、養子を代襲して相続人となることができない旨を定めたものと解されるとし、被相続人とその兄弟姉妹の共通する親の直系卑属でない者は、被相続人の兄弟姉妹を代襲して相続人となることができないと解するのが相当であると判断。原判決を破棄している(令和5年(行ヒ)第165号)。
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