会社法ニュース2024年12月06日 サステナビリティ保証基準を作成へ(2024年12月9日号・№1054) 導入から2年間はスコープ1・2にガバナンス及びリスク管理も保証範囲に
金融審議会に設置された「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」(座長:神作裕之学習院大学大学院法務研究科教授)の5回目の会合が12月2日に開催され、サステナビリティ保証制度などについて検討した。
まず、保証の範囲は、時価総額3兆円以上、1兆円以上、5,000億円以上のそれぞれについて、導入から2年間は保証範囲をスコープ1・2、ガバナンス及びリスク管理とし、3年目以降は、国際動向等を踏まえて、同WGにおいて継続して検討することが提案され、おおむね賛同する意見が聞かれている。ただし、財務諸表作成者からは、米国と同様、当面はスコープ1・2のみを対象とすべきとの反対意見が聞かれている。
保証の担い手については、サステナビリティ保証業務を公正かつ的確に遂行するに足りる体制が整備されていることを条件に、監査法人に限定しないこととしており、一部を除き多くの賛同意見が聞かれている。保証業務実施者の保証の質を確保するために登録制度を導入し、監査法人であるか、それ以外の保証業務提供者であるかにかかわらず、義務・責任、倫理・独立性など、制度上同等なものとする。
また、国際的な保証基準を参考にしつつ、日本において保証基準を作成することとし、今後、「サステナビリティ情報の保証に関する専門グループ」を設置して更に検討することとしている。なお、保証基準は、国際監査・保証基準審議会(IAASB)が公表した国際サステナビリティ保証基準(ISSA)5000「サステナビリティ保証業務の一般的要求事項」をベースに検討すべきとの意見が寄せられている。
そのほか、スコープ3排出量に係る定量情報の虚偽記載等に対するセーフハーバーについては、ガイドラインを改正し、一定の開示を前提に、責任を負わないとの考え方を示すことを前提とするが、法律改正の要否も含め、引き続き検討していくこととしている。また、将来情報が事後的に実際と乖離することとなった場合に備え、例えば、将来情報の入手経路、見積り等の適切性を検討し、評価するための社内の手続を確認書で開示することにより、虚偽記載等に対する企業の責任の範囲を明確にすることが提案されており、一部に反対意見はあるものの、おおむね賛同が得られている。
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