解説記事2025年01月06日 資料解説 与党の令和7年度税制改正大綱が決定(2025年1月6日号・№1057)
資料解説
基礎控除等を20万円引き上げで「123万円」に
与党の令和7年度税制改正大綱が決定
与党の税制調査会は12月20日、「令和7年度税制改正大綱」を公表した(次頁参照)。検討事項には、暗号資産取引に係る課税については、上場株式等をはじめとした課税の特例が設けられている他の金融商品と同等の投資家保護のための説明義務などの必要な法整備をするとともに、取引業者等による取引内容の税務当局への報告義務の整備をすることを前提に見直しを検討する旨が新たに明記されている。
令和7年度税制改正大綱の概要
〇物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整への対応
・物価動向を踏まえ、所得税の基礎控除を最大48万円から最大58万円に10万円引上げ。
・物価上昇や就業調整への対応として、給与所得控除の最低保障額を55万円から65万円に10万円引上げ。
・学生アルバイトの就業調整への対応として、19歳~22歳の子の給与収入が150万円までは親が所得控除(63万円)を受けられる特別控除を創設。給与収入が150万円を超えた場合の控除額は段階的に逓減。
〇老後に向けた資産形成の支援
・賃金上昇の伸びを踏まえ、会社員(2号被保険者)の共通拠出限度額(企業型DC+iDeCo)を7,000円引上げ(月額5.5万円→6.2万円)。
・個人事業主(1号被保険者)についても会社員と同額の引上げ(月額6.8万円→7.5万円)。
〇子育て支援に関する政策税制
・住宅ローン控除・住宅リフォーム税制(7年限りの時限措置)、生命保険料控除の拡充(8年限りの時限措置)。
・高校生年代の扶養控除等の見直しは、引き続き検討。
〇地域経済を支える中小企業の取組みを後押しする税制
・売上高100億円超を目指す中小企業を対象に、中小企業経営強化税制を拡充(対象資産に建物追加)。
・軽減税率の特例(15%)を2年延長。同時に、極めて所得が高い企業には一定の見直し(所得10億円超の企業は17%等)。
・法人版事業承継税制の特例措置における役員就任要件の見直し(個人版事業承継税制も同様の見直し)。
〇防衛力強化に係る財源確保のための税制措置
・法人税は、8年4月1日以後に開始する事業年度について、法人税額から500万円を控除した上で、税率4%(法人税率換算1%程度)の新たな付加税。
・所得税は、5年度大綱等を踏まえつつ、「103万円の壁」の引上げ等の影響も勘案しながら、引き続き検討。
・加熱式たばこの課税については、紙巻たばことの間の税負担差を解消するため、2段階で適正化(8年4月、8年10月)。国のたばこ税率は3段階で引上げ(9年4月、10年4月及び11年4月に0.5円/1本ずつ)。
〇新たな国際課税ルールへの対応
・「法人税引下げ競争」に歯止めをかける観点から、国際合意に則り、グローバル・ミニマム課税(最低税率15%)の導入を完了(軽課税所得ルール(UTPR)及び国内ミニマム課税(QDMTT)を法制化)。
〇外国人旅行者向け免税制度の見直し
・制度の不正利用に対応するため、リファンド方式に見直し(課税で販売、事後的に消費税相当額返金)。
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