カートの中身空

閲覧履歴

最近閲覧した商品

表示情報はありません

最近閲覧した記事

税務ニュース2025年03月14日 無限責任社員の債務に係る債務免除額(2025年3月17日号・№1067) 出資額に応じて控除可とは限らず、ケースバイケースで判断必要

  • 合名会社等の無限責任社員が死亡した場合の債務控除について、国税庁は「出資額に応じて控除が認められる」との考えを示しているが、実務上はケースバイケースでの判断が必要。無限責任社員の負担部分について特約がなく、利益を受けた割合も認定できない場合には、平等の割合で債務控除。

 債務超過にある合名会社や合資会社の無限責任社員のうちの一人が死亡した場合、相続税の計算上、無限責任社員が負担した債務超過額は、「出資額」あるいは「社員の頭数」のいずれに応じた割合で債務控除が認められるのかという問題がある。例えば、6,000万円の債務超過にあるX社には無限責任社員がA、B、Cの3名おり、出資額はそれぞれ100万円、200万円、300万円とする。そして、Aが死亡した場合、Aの相続税の計算上、出資額に応じて1,000万円(=6,000万円×100万円/(100万円+200万円+300万円))の債務控除が認められるのか、あるいは、社員の頭数に応じて2,000万円(=6,000万円÷3名)の債務控除が認められるのかということだ。
 国税庁が公表している質疑応答事例「合名会社等の無限責任社員の債務についての適用」は、「死亡した無限責任社員の負担すべき持分に応ずる会社の債務超過額」について債務控除が認められるとしているが、実務上はケースバイケースでの判断が必要になることがあるので注意する必要がある。
 無限責任社員は会社の債務について連帯債務者となるところ、連帯債務の債務控除は、債権者への弁済後の連帯債務者間の内部的な求償関係まで考慮して、負担部分の限りで認められる(相基通14.3)。連帯債務者の負担部分(民法442条1項)については、一般に、①特約があればその特約に従って、②特約がない場合には、連帯債務を負担することにより受けた利益の割合によって、③それもなければ平等の割合で負担する、と解されている。したがって、無限責任社員の負担部分について特約がなく、利益を受けた割合も認定できない場合には、平等の割合で債務控除が認められることとなり、上記の事例では2,000万円の債務控除が認められる。
 他方、特約で出資額に応じて負担割合を定めている、あるいは、特約はなくても出資額に応じて利益を受けたと解される場合には、出資額に応じて債務控除が認められることとなり、上記の事例では1,000万円の債務控除が認められることになると考えられる。

当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。

週刊T&Amaster 年間購読

お申し込み

新日本法規WEB会員

試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。

週刊T&Amaster無料試読申し込みはこちら

人気記事

人気商品

  • footer_購読者専用ダウンロードサービス
  • footer_法苑WEB
  • footer_裁判官検索