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税務ニュース2025年06月06日 共有住宅増改築ローン控除は持分を確認 増改築費用は共有持分割合に応じる必要も、全額とする事例がなお散見

  • 共有住宅を増改築した場合の住宅ローン控除の適用をめぐり、増改築工事に要した費用の全額を適用対象として課税当局に否認される事例がなお見受けられる。
  • 審査請求でも国税不服審判所は課税処分を支持する裁決多数。
  • 増改築費用は共有持分割合に応じた金額の算定が必要に。

 共有して保有する住宅に増改築工事をする場合には、その増改築等に係る借入金を有するなど一定の条件を満たせば、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用を受けることができる(措置法41①等)。
 この共有住宅の場合における住宅ローン控除の対象となる増改築等に要した費用の額は、増改築工事に要した費用のうち納税者の共有持分割合に応じた金額により算定すべきであるというのが課税当局のスタンスであるが、納税者が共有持分を有する住宅の増改築に要した費用の全額を住宅ローン控除の対象として申告してそれが課税当局に否認される事例がなお見受けられるようだ。具体的にみると、本事例において共有持分割合100分の15の住宅(家屋)を保有していた納税者は、増改築工事に要した費用の全額を支払ったことにより生じた納税者の父(共有持分割合100の85を保有)に対する償金請求権の返済に代えて、代物返済により父の共有持分のうち100分の59を納税者に移転した。これにより納税者の共有持分割合は100分の74になった。納税者は、増改築に要した費用の全額(14,167,000円)を住宅ローン控除の対象として申告した。これに対し課税当局は、住宅ローン控除の対象となる増改築等費用は納税者の共有持分割合である100分の74を乗じた金額10,483,580円であるとして所得税等更正処分を行った。これを不服とした納税者は審査請求を行っていたものの、国税不服審判所は過去の裁決事例と同様に所得税等更正処分を全面的に支持する裁決を下している(名裁(所)令6第4号)。
 なお、本件では、共有住宅の増改築費用の全額を負担した納税者は、もう1人の共有者である父から共有持分の移転を受けている。もし持分の変更をしない場合には、その共有者の持分を超える部分の費用負担は、他の共有者のために行ったものとなり、他の共有者に対する贈与となることから贈与税の問題が生じる。また、増改築に際して住宅の持分を変更していない場合には、登記簿上における持分のみ住宅ローン控除の対象となってしまう恐れもある(平成13年5月21日裁決)。いずれにせよ、共有住宅を増改築する場合の税務上の処理には注意が必要といえそうだ。

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