解説記事2025年07月28日 巻頭特集 租税負担の軽減行為が認められる事案について総則6項の適用と平等原則違反(2025年7月28日号・№1084) ~東京高裁令和7年6月19日判決の検討を中心として~
巻頭特集
租税負担の軽減行為が認められる事案について総則6項の適用と平等原則違反
~東京高裁令和7年6月19日判決の検討を中心として~
税理士 香取 稔(元高松国税不服審判所長・埼玉学園大学大学院客員教授)
Ⅰ はじめに
最高裁令和4年4月19日判決(以下「令和4年最判」という。)以降、総則6項の適用件数は、相続財産の種類が不動産か、非上場株式かを問わず、増加傾向にあるが(本誌No.1080号「総則6項適用事案、指針策定で増加基調」参照)、他方、同判決以降、非上場株式の相続税評価を巡り総則6項が適用された事案に関しては、納税者が採用した評価通達の定める方法により評価した価額(以下「通達評価額」という。)が認容され、課税庁の敗訴が続いていた。
そうした中、東京高裁は、令和7年6月19日、非上場株式の相続税評価を巡り総則6項が適用された事案に関して、課税庁が敗訴した原審の東京地裁令和7年1月17日判決(以下「原判決」という。)を取消し、当該相続税評価について、課税庁の総則6項に基づく純資産価額方式による評価を認める逆転判決(以下「本判決」という。)を行った。なお、本判決を受けて納税者は上告している。
本判決は、原判決の判断から5か月余りで、しかも、控訴審では審理が一度しか開かれていなかったことから、再び、課税庁が敗訴するのか注目を集めていた中での逆転判決であったため、税務関係者等に少なからず驚きを与えたようである。
そこで、本稿では、租税負担の軽減行為が認められる事案について総則6項の適用と平等原則違反を中心に、本判決が原判決を取消し、逆転判決に至った理由等を探り、本判決が与える影響及び今後注目すべき点を検討することとする。
Ⅱ 事案の概要等
1 概 要
相続人及び受遺者(以下「本件相続人ら」という。)は、被相続人(以下「本件被相続人」といい、本件相続人らと合わせて「本件被相続人ら」という。)から相続又は遺贈(以下「本件相続」という。)により取得した資産管理会社(以下「本件会社」という。)の株式101万7856株(以下「本件株式」という。)について、本件会社は評価通達上の小会社(評基通178)に該当するから、本件株式の価額を評価通達の定める類似業種比準価額方式と純資産価額方式の併用方式(評基通179(3))により評価して相続税の申告(以下「本件申告」という。)をした。
これに対し、課税庁は、相続税の負担軽減を図るために本件被相続人らが、①本件相続開始直前に本件被相続人が手持ちの預金により本件株式(本件会社の募集株式(その募集株式の発行を「本件新株発行」といい、本件被相続人によるその引受を「本件出資」という。)をいう。以下同じ。)を取得し、本件会社が本件新株発行により調達した資金で主に評価通達189(2)に定める割合の判断の基となる株式等以外の金融資産を購入することにより、評価通達上、本件株式を株式等保有特定会社の株式(評基通189(2))から小会社の株式に該当するようにしていたこと及び②本件相続開始前に本件会社は配当(以下「本件配当」といい、本件新株発行及び本件出資と合わせて「本件新株発行等」という。)を実施し、評価通達上の比準要素数1の会社(評基通189(1))に該当しないようにしたことなどをもって、総則6項を適用し、本件株式の価額を評価通達の定める方法によらず純資産価額方式によって評価したところで各更正処分(以下「本件各更正処分」という。)を行ったことから、本件相続人らがその処分の取消を求めた事案である。
2 基礎事実
(1)本件被相続人は、上場株式を譲渡(以下「上場株式譲渡」という。)して得た代金等を原資とする預金37億円をもって本件出資をした。なお、その出資価額は、時価純資産価額法により1株当たり3537円と算定した。
(2)本件会社は、評価通達上、本件新株発行前は株式等保有特定会社に該当(資産に占める株式等の占める割合約89.2%)していたが、本件株式の払込資金36億円をもって主に証券投資信託等を購入した結果、株式等保有特定会社から外れた(資産に占める株式等の占める割合約26.1%)。
(3)本件配当は、本件新株発行前の本件会社の株主を対象に行われた。
(4)本件申告における本件株式の1株当たりの価額は1853円、その後の修正申告(以下「本件修正申告」という。)における当該価額は2263円(S1+S2方式により評価した価額)、その後の更正の請求(以下「本件各更正の請求」という。)における当該価格は1858円(併用方式により評価した価額)、本件各更正処分における当該価格は3443円(純資産価額方式により評価した価額をいい、以下「本件純資産価額」という。)である。なお、課税庁は、本件各更正処分に当たり、第三者機関に本件株式の価額について鑑定を依頼し、同機関は修正簿価純資産価額法により1株当たり3488円と算定した。
(5)本件株式を取得した本件相続人らの一部の者は、その取得した本件株式の一部を残し本件会社に譲渡(以下「本件株式譲渡」という。)した後、直ちに、その譲渡した同数の株式を譲渡価額と同額で引き受けた。なお、本件株式譲渡に係る譲渡所得税については、みなし配当の特例(措法9の7)及び取得費加算特例(措法39)を適用して申告した。なお、その譲渡価額は、時価純資産価額法により1株当たり3736円と算定した。

Ⅲ 原判決と本判決の判旨
〇本件株式の価額を評価通達に定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとすることが平等原則に違反するか否かについて
1 原判決
(1)租税法上の一般原則としての平等原則は、租税法の適用に関し、同様の状況にあるものは同様に取り扱われることを要求するものと解される。そして、評価通達は相続財産の価額の評価の一般的な方法を定めたものであり、課税庁がこれに従って画一的に評価を行っていることは公知の事実であるから、課税庁が、特定の者の相続財産の価額についてのみ評価通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとすることは、たとえ当該価額が客観的な交換価値としての時価を上回らないとしても、合理的な理由がない限り、上記の平等原則に違反するものとして違法というべきである。もっとも、上記に述べたところに照らせば、相続税の課税価格に算入される財産の価額について、評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公平に反するというべき事情がある場合には、合理的な理由があると認められるから、当該財産の価額を評価通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとすることが上記の平等原則に違反するものではないと解するのが相当である(令和4年最判)。
(2)本件被相続人の相続財産のうち、本件株式の価額について、評価通達の定めにより評価した場合の評価方法は、本件会社は小会社(評価通達178)に該当するため、原告らが本件各更正の請求において併用方式を選択したことから併用方式により評価することとなる(1株当たり1858円)。なお、この点に関し、被告は、評価通達189柱書きなお書きが適用される場合に係る主張をするが、同なお書きの要件該当性につき、具体的な主張立証をしないから、同なお書きが適用される場合に係る被告の主張は採用することができない。
したがって、本件株式の価額について、評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公平に反するというべき事情がない限り、本件各更正処分は、上記の平等原則に違反するものとして違法というべきである。
(3)ア 被告は、本件新株発行等により、原告らの相続税の負担は著しく軽減されることになり、また、原告M及び本件被相続人は、本件新株発行等が原告らの相続税の負担を減じさせるものであることを知り、かつ、これを期待していたから、本件において、課税庁が、原告らの相続財産の価額について評価通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとしたとしても、上記の平等原則に違反しない旨を主張する。
イ(ア)前提事実(1)~(3)の事実関係の下において、前記(2)のとおり、本件株式の価額を評価通達の定める方法(併用方式)により評価することを前提とすると、別表5のとおり、課税価格の合計額は21億2513万4000円、相続税の総額は8億8156万6500円となり、相続税法18条による加算等をした後の納付すべき相続税額は、合計10億5641万2200円となる。
他方、本件新株発行等をしなかった場合(本件相続と異なり、本件被相続人が、相続開始時において、本件株式を保有しておらず、本件出資の額と同額の現金又は預貯金を有しており、かつ、原告らが上記額の現金又は預貯金を均等に相続又は遺贈により取得したと仮定した場合)についてみると、別表4のとおり、課税価格の合計額は38億3398万8000円であり、相続税の総額は17億3599万3500円となり、これに相続税法第18条による加算等をした額が納付すべき相続税額の合計額となる。
そうすると、本件新株発行等をしたことにより、課税価格の合計額は、17億0885万4000円(約45%)、相続税の総額は8億5442万7000円(約49%)減少することとなり、納付すべき相続税額も、おおむねこれらと同程度の割合で減少するものと考えられる。
ただし、評価通達179(3)は、小会社の株式の価額の評価方法について、納税義務者による純資産価額方式と併用方式の選択を認めているところ、仮に原告らが純資産価額方式を選択していれば、課税価格の合計額、相続税の総額、納付すべき相続税額は本件各更正処分におけるそれらと同額となり(前記前提事実(4)。それぞれ37億3843万7000円、16億8821万8500円、20億2438万0500円である。)、上記の本件新株発行等をしなかった場合からの課税価格の合計額、相続税の総額の減少の程度は、それぞれ9555万1000円(約2.5%)、4777万5000円(約2.8%)にとどまる。そうすると、上記のとおり、本件株式の価額を併用方式により評価することを前提とすると、本件新株発行等をしたことにより、相続税の総額等は相当限度減少するものの、この減少は、原告M及び本件被相続人が本件新株発行等をしたことにより直ちに生ずるものではなく、評価通達179(3)が、小会社の株式の価額の評価方法について、納税義務者による純資産価額方式と併用方式の選択を認めていることにも起因するものといえる。なお、客観的な交換価値としての時価は一義的なものではなく、その評価方法も複数あり得るところ、評価方法が異なれば、それぞれの方法が合理的であっても評価額に違いが生ずるのは当然であるから、本件株式の価額を評価通達の定める方法(併用方式)により評価した額と、本件各更正処分価額(純資産価額方式により評価した額)や本件報告書における評価額との間に大きなかい離があることをもって、評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公平に反するというべき事情があるということはできない(令和4年最判参照)ことはもとより、評価通達が、純資産価額方式と併用方式のそれぞれを合理的な評価方法とし、いずれによるかは専ら納税義務者の選択に委ねることとしている以上、仮に原告M及び本件被相続人が本件新株発行等をした時点で併用方式を選択することを予定していたとしても、そのことを上記の事情の有無の判断に当たり重視することは相当でない。
(イ)前提事実(3)アのとおり、本件被相続人は、本件新株発行等に先立ち、本件被相続人の預金及び株式を8分の1ずつ原告ら及び訴外Jに相続させ、又は遺贈することなどを内容とする本件遺言をしたところ、本件遺言の内容を前提とすれば、原告Mを除く原告らに係る相続税額は、相続税法18条により、相続税の総額を基に同法17条の規定により算出した金額にその100分の20に相当する金額を加算した金額となる。
そして、証拠及び弁論の全趣旨によれば、本件被相続人は、原告Mに対し本件相続開始前に本件遺言の具体的内容を知らせることはしていなかったものの、相続税法18条による相続税の加算がされることとなるとしても、本件被相続人の孫らに相続財産を取得させる意向を原告Mに示しており、原告M及び本件被相続人は、このような本件被相続人の意向を前提に、本件新株発行等をし、原告Mは、原告S、原告Y及び訴外Jとの間で、上記意向に沿う本件遺産分割協議を成立させたことが認められる。
これらの行為は、本件被相続人の相続に係る相続税につき、本件被相続人の法定相続人らが法定相続分を取得する場合に比し、相続税法18条による加算がされることとなる行為である。
(ウ)上記(ア)のとおり、本件株式の価額を併用方式により評価することを前提にすると、本件新株発行等により、本件相続に係る課税価格の合計額及び相続税の総額は、相当程度減少することとなるが、課税価格の合計額は21億2513万4000円、相続税の総額は8億8156万6500円となお相当高額に及んでおり、それらの減少の割合も5割未満にとどまるものであって、相続税法18条による加算等をした後の納付すべき相続税額は、合計10億5641万2200円に及ぶ。また、上記の減少は、評価通達が、小会社の株式の価額について、納税義務者による純資産価額方式と併用方式の選択を認めていることによるものであり、必ずしも本件新株発行等のみによるものではない。そうすると、本件新株発行等により、原告らの相続税の負担が著しく軽減されるものであると評価することは困難である。
加えて、上記(イ)のとおり、原告M及び本件被相続人は、本件被相続人の相続に係る相続税につき、相続税法18条による相続税の加算がされることとなる行為もしており、これらの行為も含めて全体としてみれば、原告M及び本件被相続人の行為が、それにより、原告らの相続税の負担が著しく軽減されるものであると評価することまではできない。
ウ 以上によれば、本件において、本件株式の価額を評価通達の定める方法により評価することが、本件新株発行等のような行為をせず、又はすることのできない他の納税者と原告らとの間に看過しがたい不均衡を生じさせ、実質的な租税負担の公平に反するということはできない。
したがって、本件株式の価額を評価通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとすることは、租税法上の一般原則としての平等原則に違反するといわざるを得ない。

2 本判決
(1)(平等原則の法令解釈が示されているが、その内容は原判決(上記1(1))と同じく令和4年最判を参照したものであるため省略する。)
(2)控訴人は、本件新株発行等により、被控訴人らの相続税の負担は著しく軽減されることになり、また、被控訴人らは、本件新株発行等が被控訴人らの相続税の負担を減じさせるものであることを知り、かつ、これを期待していたから、本件において、課税庁が、被控訴人らの相続財産の価額について評価通達の定める方法により評価した価額によるものとしたとしても、上記の平等原則に違反しない旨主張する。
(3)そこで、検討すると、原判決第2の3(1)ないし(3)の事実関係の下において、本件新株発行等を前提として評価通達の定める方法(被控訴人らが本件各更正の請求において選択した併用方式)により評価すると、課税価格の合計額は、21億2513万円4000円、納付すべき相続税額の合計額は、相続税法18条による加算額と合わせて10億5641万2200円となる。
他方、本件新株発行等をしなかった場合(本件相続と異なり、本件被相続人が、相続開始時において、本件株式を保有しておらず、本件出資の額と同額の現金又は預貯金を有しており、かつ、被控訴人らが上記額の現金又は預貯金を均等に相続又は遺贈により取得したと仮定した場合)には、課税価格の合計額は、38億3398万8000円、納付すべき相続税額の合計額は、相続税法18条による加算額と合わせて20億3513万7100円となる。
そうであれば、本件新株発行等がされたことにより、評価通達の定める方法により評価すると、課税価格の合計額は、17億0885万4000円軽減(軽減割合は約44.6%)されることとなり、納付すべき相続税額の合計額は、9億7872万円4900円軽減(軽減割合は約48.1%)されることとなる。上記認定の軽減される相続税の額、割合等を総合的に考慮して判断すると、被控訴人らの相続税の負担は著しく軽減されることになるというべきである。(下線筆者注)
これに対し、被控訴人らは、被控訴人らが納付すべき相続税額の軽減割合は5割未満にしかならず、所有する資産の価値が高ければ高いほど相続税額が高額になるのは当然のことであるから、被控訴人らの相続税の負担が著しく軽減されることになるとはいえないと主張する。
しかし、被控訴人らが納付すべき相続税額の軽減割合が5割に満たないとしても、軽減される相続税額、割合などを総合的に考慮して判断すると、被控訴人らの相続税の負担は著しく軽減されることになるというべきであり、被控訴人らの主張は採用できない。
(4)証拠によれば、被控訴人Mは、本件相続開始の約3か月前である平成25年7月12日、本件証券会社を訪れ、もうすぐ90歳になる本件被相続人が株式売却により約40億円の預金を有しているとして、本件被相続人に係る相続税の節税対策の相談をし、同月19日には、被控訴人Mの自宅を訪れた本件証券会社の担当者に対し、①節税したい、②子世代よりは孫や被控訴人Mの妻に相続又は贈与したいとの基本的な希望を表明し、担当者が本件会社を活用した節税対策を説明したのに対して強い関心を示し、同月29日には、本件証券会社を再訪し、担当者から、同社が作成した資料に基づき本件会社に対し20億円又は40億円の増資を行った場合には、相続税額が概算で約16億円又は10億円となる旨説明を受け、その後も本件会社が「株式保有特定会社」(評価通達189(2))及び「比準要素数1」(評価通達189(1))に該当しないための方策を含め、本件新株発行等を用いた相続税減税スキーム及び相続における相続人による本件株式の現金化について、担当者と電話や電子メールを通じて連日のように協議を重ね、同年8月9日に同スキームを実行した事実が認められる。本件新株発行等に至る上記認定の経過によれば、被控訴人Mが、本件新株発行等が近い将来発生することが予想される被相続人からの相続において被控訴人らの相続税の負担を減じさせるものであることを知り、かつ、これを期待して、あえて本件新株発行等を行ったことは明らかというべきである。
そして、証拠及び弁論の全趣旨によれば、被控訴人Mを除く被控訴人らは、本件被相続人に係る相続税対策を被控訴人Mに任せていたものと認められるから、本件新株発行等は、被控訴人Mを除く被控訴人らの少なくとも黙示的な承諾の下で行われたものというべきであり、被控訴人らは、租税負担の軽減をも意図して本件新株発行等を行ったといえる。
これに対して、被控訴人らは、本件新株発行等は、S社(上場会社)の経営支配権を維持するために、S社創業家の資産管理会社である本件会社において資金をプールすること等を構想・計画して行われたもので、租税回避を主たる目的とするものではないと主張する。
しかし、被控訴人Mと本件証券会社の担当者との間の相談内容を占めているのは、本件被相続人に係る相続税の節税対策がほとんどであって、その中には、S社の経営支配権を維持するために本件会社において資金をプールするなどという計画の存在は見受けられない一方、相続における相続人による本件株式の現金化の方策が含まれているから、被控訴人らの主張は採用できない。仮に、被控訴人Mが内心においてそのような計画を有していたとしても、そのことは、被控訴人らが租税負担の軽減をも意図して本件新株発行等を行ったとの判断を左右するものではない。
(5)以上によれば、本件においては、被控訴人らの相続税の課税価格に算入される財産の価額について、評価通達に定める方法による画一的な評価を行うことは、本件新株発行等のような行為をせず、又はすることのできない他の納税者と被控訴人らの間に看過し難い不均衡を生じさせ、実質的な租税負担の公平に反するというべき事情があるということができる。
したがって、本件において、被控訴人らの相続税の課税価格に算入される財産の価額を評価通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとすることは、合理的な理由があると認められるから、それが租税法の一般原則である平等原則に違反するということはできない。
Ⅳ 解 説
1 令和4年最判の確認
(1)租税法上の一般原則である平等原則
原判決及び本判決では、いずれも令和4年最判が示した平等原則に関する法令解釈、すなわち、「評価通達は相続財産の価額の評価の一般的な方法を定めたものであり、課税庁がこれに従って画一的に評価を行っていることは公知の事実であるから、課税庁が、特定の者の相続財産の価額についてのみ評価通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとすることは、たとえ当該価額が客観的な交換価値としての時価を上回らないとしても、合理的な理由がない限り、上記の平等原則に違反するものとして違法」である旨の法令解釈に基づき、本件株式の価額を評価通達に定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとすることが平等原則に違反するか否かの判断をしていることから、最初に平等原則について確認したい。
平等原則とは、憲法14条の「すべての国民は法の下に平等」に由来する租税法上の一般原則であるから、本来、法律の適用に関して適用されるものであるが、金子先生は、著書の租税法の中で、平等原則は、法の執行段階においても妥当し、一例として、「特定の土地についてのみ近隣の同一条件の土地に比して高く評価することは、たとえ評価額が時価の範囲内であるとしても平等取扱原則に反し、違法である」旨述べている(金子弘、「租税法(第24版)」96頁、(株)弘文堂)。したがって、令和4年最判がいうように評価通達の適用に関しても平等原則が適用されることになる。
次に、平等とはいっても、絶対的な平等と、相対的な平等とがある。絶対的な平等が求められるのであれば、同様の財産は、同様に評価しなければならないから、総則6項の適用は無条件で平等原則に違反するが、令和4年最判は、「合理的な理由がある場合に限り」平等原則に違反しないと判示していることから、相対的な平等をとったものと解される。
この点を理解するには、いわゆる大島訴訟(最高裁昭和60年3月27日判決)が参考となる。この大島訴訟では、旧所得税法では給与所得者について実額控除が認められていなかったことから、事業所得者との関係で平等原則に違反すると訴えたが、最高裁は、「憲法14条は、国民に対し絶対的な平等を保障したものではなく、合理的理由なくして差別することを禁止する趣旨であって、国民各自の事実上の差異に相応して法的取扱いを区別することは、その区別が合理性を有する限り、何ら右規定に違反するものではない」と判示した。
つまり、憲法14条は、絶対的平等を保障したものではなく、相対的な平等を保障しているのだから、国民各自の事実上の差異に相応した法的取扱いを区別することは、その区別に合理性がある限り許されるということである。
これを総則6項に当てはめると、憲法14条は相対的平等を保障しているわけだから、合理的な理由があれば、その適用が許されることになる。
(2)相続財産の価額を通達評価額を上回る価額によるものとすることが平等原則に違反しない場合
令和4年最判は、相続税の負担軽減を図るために高齢の被相続人が相続開始3年程前に2棟の賃貸用不動産(以下「本件各不動産」という。)の購入及びその購入資金の借入れ(以下「本件購入・借入れ」という。)をしていた事案について、「本件各不動産についてみると、本件各通達評価額(筆者注:本件各不動産の通達評価額をいう。)と本件各鑑定評価額(筆者注:課税庁が実施した本件各不動産の鑑定評価額をいう。)との間には大きなかい離があるということができるものの、このことをもって上記事情(筆者注:評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公平に反するというべき事情をいう。)があるということはできない。
もっとも、本件購入・借入れが行われなければ本件相続に係る課税価格の合計額は6億円を超えるものであったにもかかわらず、これが行われたことにより、本件各不動産の価額を評価通達の定める方法により評価すると、課税価格の合計額は2826万1000円にとどまり、基礎控除の結果、相続税の総額が0円になるというのであるから、上告人らの相続税の負担は著しく軽減されることになるというべきである。そして、被相続人及び上告人らは、本件購入・借入れが近い将来発生することが予想される被相続人からの相続において上告人らの相続税の負担を減じ又は免れさせるものであることを知り、かつ、これを期待して、あえて本件購入・借入れを企画して実行したというのであるから、租税負担の軽減をも意図してこれを行ったものといえる。そうすると、本件各不動産の価額について評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことは、本件購入・借入れのような行為をせず、又はすることのできない他の納税者と上告人らとの間に看過し難い不均衡を生じさせ、実質的な租税負担の公平に反するというべきであるから、上記事情があるものということができる。」旨判示している。
そうすると、令和4年最判は、租税負担の軽減行為が認められる事案について、相続財産の価額を通達評価額を上回る価額で評価したとしても次に掲げる二つの要件(以下「令和4年最判の判定要件」という。)を満たす場合には、評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公平に反するというべき事情があるから、平等原則に違反しないとしている。
① 納税者による一定の行為がされた結果、相続財産の価額を通達評価額で評価すると客観的に租税負担が著しく軽減されること
② 上記①の一定の行為が租税負担の軽減をも意図して行われていること
2 本判決の検討
本判決では、本件株式の価額を通達評価額を上回る価額によるものとすることが平等原則に違反するか否かについて、令和4年最判の判定要件に当てはめて判断した上で、本件株式の価額を「評価通達に定める方法による画一的な評価を行うことは、本件新株発行等のような行為をせず、又はすることのできない他の納税者と被控訴人らの間に看過し難い不均衡を生じさせ、実質的な租税負担の公平に反する」と判示している。
しかしながら、令和4年最判と本判決では、相続財産の種類が異なることから、令和4年最判の判定要件をそのまま本判決の判断において当てはめられるかなど疑義が生じる。以下、その点を検討する。
(1)令和4年最判の判定要件により平等原則違反の有無を判断すること
相続財産の種類は、確かに、令和4年最判が不動産で、本判決が非上場株式であるから、その種類が異なる。
しかしながら、いずれも租税負担の軽減行為が認められる事案についての判断であること、また、令和4年最判に係る最高裁判所調査官(以下「令和4年最判調査官」という。)は、同判決中の「本件各不動産の価額について評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことは、本件購入・借入れのような行為をせず、又はすることのできない他の納税者と上告人らとの間に看過し難い不均衡を生じさせ、実質的な租税負担の公平に反するというべきであるから、平等原則が適用されない合理的理由がある。」旨の判示部分について「事例判断ではあるが、その考え方は不動産以外の相続財産が問題となる事案においても参考になるものと思われる」旨述べている(山本拓「ジュリスト1581号」96頁、(株)有斐閣)。
したがって、本件株式の評価について令和4年最判の判定要件に基づき平等原則違反の有無を判断したことは相当であると考える。
(2)本件新株発行等によって相続税の負担が著しく軽減されているか
本件相続人らは、令和4年最判の事案では、相続税の基礎控除がないとしても、課税価格の圧縮で相続税の負担が98.2%軽減されているのに比し、本件の軽減割合は5割未満にすぎないから、相続税の負担が著しく軽減されることには当たらない旨主張したところ、本判決では、本件相続人らが納付すべき相続税額の軽減割合が5割に満たないとしても、仮に本件新株発行をしなかった場合、つまり、本件被相続人が引き受けた本件株式の払込金相当額の現預金を相続人が取得していた場合と比べると相続税額が約10億円軽減されているから、「軽減される相続税額、割合などを総合的に考慮して判断する」と、本件相続人らの相続税の負担は著しく軽減されると判断し、その主張を排斥している。
令和4年最判は、どの程度の租税負担の軽減が「著しく軽減」されたことに当たるか、その軽減の程度について金額基準を示していないが、その点について令和4年最判調査官は「軽減される相続税の額やその割合を総合的に考慮して、正に『著しい』といえる場合に限る趣旨と解される」旨述べている(山本拓・前掲書95頁)。
本件では、軽減される相続税額が約10億円と多額であり、社会通念に照らし、著しく軽減されていると判断したことは相当であると考える。
(3)本件新株発行等は相続税の負担の軽減をも意図して行われたものか
ア 本判決では、本件相続開始の約3か月前から本件相続人らと本件証券会社との間において、本件被相続人が所有していた預金約40億円について相続税の節税対策の打ち合わせが行われ、本件新株発行等を用いた相続税減税スキーム及び本件株式譲渡による現金化が立案され、それが実行されたと認定した上で、その打ち合わせの経過等によれば、本件相続人らが、本件新株発行等が近い将来発生することが予想される本件被相続人の相続において本件相続人らの相続税の負担を減じさせるものであることを知り、これを期待して、あえて本件新株発行等を行ったことは明らかだと判断している。
この点は、令和4年最判においても、証拠等(金融機関の貸出稟議書の記載等)から、被相続人らによる本件購入・借入れが相続税対策を目的として企画・実行されたと認定した上で、被相続人らが近い将来発生することが予想される被相続人の相続において相続人らの相続税の負担の軽減をも意図して本件購入・借入れを行ったと判断している。本判決は、それと同様な判断枠組みを採用したものである。
イ また、本判決では、上記アのとおり本件新株発行等を用いた相続税減税スキーム以外に本件株式譲渡による現金化についても言及している。
この点は、被相続人が相続開始直前に借入金をもって取得した不動産を相続開始後に相続人らが売却していた事案について東京地裁平成4年3月11日判決は、「被相続人が相続開始直前に借り入れた資金で不動産を購入し、相続開始直後に右不動産が相続人によってやはり当時の市場価格で他に売却され、その売却金によって右借入金が返済されているため、相続の前後を通じてことがらの実質を見ると当該不動産がいわば一種の商品のような形で一時的に相続人及び被相続人の所有に帰属することとなったに過ぎないとも考えられるような場合についても、画一的に評価通達に基づいてその不動産の価額を評価すべきものとすると、他方で右のような取引の経過から客観的に明らかになっているその不動産の市場における現実の交換価格によってその価額を評価した場合に比べて相続税の課税価格に著しい差を生じ、実質的な租税負担の公平という観点からして看過し難い事態を招来する」として、当該不動産の価額を市場価額で評価した更正処分は適法である旨判断している。本判決は、それと同様な見方をしたのだろう。
ウ そして、本判決では、本件相続人らが主張した本件新株発行等の目的、つまり、本件被相続人が設立した上場会社の経営支配権を維持するために、同社の創業家の資産管理会社である本件会社において資金をプールすること等を構想・計画して行われたもので、租税回避を主な目的とするものではないという点について、本件相続人らと証券会社との間の相談内容は相続税の節税対策がほとんどで、上場会社の経営支配権を維持するために本件会社において資金をプールするなどという計画の存在は見受けられないし、仮に、内心においてそのような計画を有していたとしても、そのことによって本件被相続人らが租税負担の軽減をも意図して本件新株発行等を行ったとの判断を左右するものではないとして、その主張を排斥している。
この点は、租税負担の軽減の意図以外の他の意図が存在する場合について、令和4年最判調査官は、令和4年最判が「『租税負担の軽減をも意図した』ことを前提としていることからすれば、(中略)他の意図・目的とも併存している前提としていると考えられる。」と述べている(山本拓・前掲書96頁)。したがって、本判決のその排斥理由は相当であると考える。
3 本判決と原判決の判断の分かれ目
控訴審では、当事者双方から目新しい主張や証拠が提出されていないことから、本判決が原判決の判断を覆した理由は、本件被相続人らによる本件新株発行等及び本件株式譲渡による現金化といった行為(以下「本件各行為」という。)の評価が原審と180度変わったからであると考える。
すなわち、原判決では、本件各行為について誰でもが行い得る行為と認定したのか、何ら問題視せず、本件新株発行等が行われた後の本件会社の状態のみに着目し、評価通達を形式的に当てはめ、評価通達上、本件会社は小会社に該当し、小会社の株式の評価は、納税者が純資産価額方式又は併用方式を選択できることから、本件相続人らは併用方式を選択し、その結果、本件新株発行前より課税価格等が軽減されたにすぎないことから、当該選択行為が実質的な租税負担の公平に反するということはできないと判断している。
これに対し、本判決は、本件被相続人らによる本件株式を小会社の株式に該当せしめるなどした本件各行為に着目し、その行為を相続税の負担軽減行為と認定し、実質的な租税負担の公平に反すると判断した。
令和4年最判も被相続人らによる本件購入・借入れという行為に着目し、その租税負担の軽減の意図を問題視したわけであるから、本判決の判断は相当であると考える。
4 本件株式を株式等保有特定会社の株式として評価する余地
実務家の感覚からすれば、本件株式を小会社の株式として評価することが相当でない場合に、裁判所が、株式等保有特定会社の株式に当たるか否かの検討をすることなく、本件株式の価額を本件純資産価額とした本件各更正処分を適法と判断したことには若干の違和感を覚えないだろうか。
しかしながら、本判決の争点は平等原則違反の有無であり、また、通達には法的拘束力がないことから、裁判所を拘束しない。
したがって、本件株式の価額を通達評価額を上回る価額によるものとすることが平等原則に違反しないということになれば、裁判所は、本件純資産価額が相続税法22条に規定する時価の範囲内である限り、本件各更正処分は適法という判断にしかならないのであろう。
5 仮に本件株式が株式等保有特定会社の株式として申告されていた場合
本件相続人らは、税務調査を受けて一度、本件株式が株式等保有特定会社の株式に当たるとして「S1+S2」方式により本件修正申告をした後、本件各更正の請求により併用方式を貫いているが、仮に、本件各更正の請求をすることなく株式等保有特定会社の株式として評価していた場合、本判決と同様な判断がされたか興味がないだろうか。
なぜなら、評価通達が株式等保有特定会社の株式の評価方法において納税者に純資産価額方式のほか「S1+S2」方式を認めているのは、株式等保有特定会社の事業の実態を株式の評価に反映させるために、部分的に類似業種比準方式を取り入れたもの、つまり適正な評価をするために認めたものである。
そうすると、評価通達は、株式等保有特定会社の株式の評価について適正な評価を行うため個別規定を定めておきながら、租税負担の軽減行為が認められた場合には、総則6項を適用し、その選択した評価方式も否認するのかということである。
それとも、そもそも本件のように相続税の負担軽減の意図の下で、相続開始直前に本件被相続人が手持ちの預金を本件株式に転換させていたような場合には、総則6項の適用が許されると解する必要があるのだろうか。
6 本判決が与える影響と今後注目すべき点
(1)本判決が与える影響
本判決は、相続税の負担軽減行為が認められる事案についての事例判断ではあるものの、課税庁が、今後、特に、非上場株式に総則6項を適用して評価することに弾みをつけるものになるのではないかと思料する。
というのも、本判決は、被相続人が借入金を原資として不動産又は非上場株式を取得しているもの、つまり、当該財産の通達評価額と借入金残額との差額(余剰債務額)が他の積極財産の価額から控除されているものに総則6項の適用を是認したものではない(令和4年最判、東京高裁平成13年5月23日判決、同高裁平成12年9月28日判決等)。単に、被相続人が現預金を非上場株式に転換しているものに総則6項の適用を是認したからである。したがって、本件各行為に限らず、例えば、被相続人が所有する現預金により主宰法人が保有する金庫株やその子会社株式を取得していた場合、あるいは、被相続人が所有していた主宰法人に対する貸付金債権をDESによって同法人の発行する株式に転換していた場合において、それぞれの行為の前後を比較して相続税額が著しく軽減されているときには、令和4年最判の判定要件の一つを満たすことになる。そして、それぞれの行為に租税負担の軽減の意図が認められれば、令和4年最判の判定要件をすべて満たすことになる。
もっとも、このような例としては、被相続人が所有していた非上場株式を評価通達上の比準要素数1の会社の株式に該当しないようにするために、相続開始直前にその相続人らが当該非上場株式の発行法人の事業年度の変更及び配当を行っている事案について令和6年3月25日公表裁決は、総則6項の適用を是認している。
したがって、そもそも評価通達は簡便的に評価方法を定めたものなので、納税者が、その評価方法を「逆手」にとって租税負担の軽減を図ろうとした場合は、厳しい判断が下されることを再認識しておくべきである。
(2)今後注目すべき点
ア 租税負担の軽減行為の意図の認定
総則6項の適用は、租税負担の軽減行為の意図が要件ではないが(例えば、平成23年11月17日公表裁決では、被相続人が所有する土地が、市の建物の敷地として貸し付けられている場合に、その貸し付けに係る賃貸契約において、被相続人等が当該土地の譲渡を希望する場合には、同市が更地価額で買い取る旨が定められているときの当該土地の価額は、自用地として評価するのが相当である旨裁決している。)、その意図を直接立証する証拠が存しない場合、どのような形でその意図の推認が行われるのだろうか。
この点について令和4年最判調査官は、「当該不動産の購入時期、購入原資、利用状況等の事情を総合考慮してその存否を認定することになる」旨述べている(山本拓・前掲書96頁)。
現在、東京地裁で係争中の事案(以下「本件事案」という。)は、相続開始直前に被相続人が同族会社から約73億円を借り入れて、別の同族会社の株式を取得したことにより、課税価格を約56億円圧縮していたものだが(その詳細は、本誌No.1046号「総則6項の適用要件と残された問題~東京高裁令和6年8月28日判決の検討を中心として~」参照)、審査請求段階までにおいて、その一連の行為が租税負担の軽減の意図の下で行われたことを示す決め手となる証拠(例えば、相続税軽減スキームの企画)が示されていないことから、その判断の行方が注目される。
イ 租税負担の軽減行為が認められない財産
本件事案では、課税庁は、被相続人が相続開始直前に購入した株式のほか同人が元々所有していた同一銘柄の株式(以下「元来所有していた株式」という。)の評価についても総則6項を適用している。
しかしながら、元来所有していた株式については、そもそも被相続人らによる一定の行為自体が行われていないことから、その価額を通達評価額を上回る価額によるものとすることは平等原則に違反することになるのではないか。その判断の行方が注目される。
香取 稔 (かとり みのる)
国税庁資産課税課において相続税の審理(通達の制定等)に従事した後、東京地方裁判所行政部調査官、東京国税局課税第一部資産評価官、同資料調査第2課長、高松国税不服審判所長を経て、現在、税理士・埼玉学園大学院客員教授(経営学研究科)。
(主な著作)
・「令和5年改訂版 相続税重要項目詳解」 大蔵財務協会 2023年
・「新判 事例で学ぶ土地・株式等の財産評価」 清文社 2023年
・「マンション節税と相続税のシミュレーション」(共著) ぎょうせい 2023年
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