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解説記事2026年06月22日 税制改正解説 令和8年度における所得税関係の改正について(下)(2026年6月22日号・№1127)

税制改正解説
令和8年度における所得税関係の改正について(下)
 池田龍生/竹田神賜郎

租税特別措置法等の改正(承前)

第二 金融・証券税制の改正

1 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置の改正(措法37の14等関係)
(1)改正の内容

① 非課税口座の口座開設可能年齢(改正前:その年1月1日において18歳以上)が撤廃され、18歳未満の居住者等も、令和9年1月1日以後の期間において非課税口座を開設することが可能となった。また、非課税口座を開設している居住者等がその年1月1日において18歳未満である年及び出生した日の属する年の各年においては、非課税口座に特定累積投資勘定(未成年者特定累積投資勘定)のみが設けられ、未成年者特定累積投資勘定にその勘定が設けられた日から同日の属する年の12月31日までの期間内に受け入れられる上場株式等の取得対価の額の合計額は60万円までと、未成年者特定累積投資勘定に受け入れられる上場株式等の取得対価の額の合計額等は600万円までとされた。
② 特定累積投資勘定に受け入れることができる公募株式投資信託の受益権及び上場株式投資信託の受益権について、次の措置が講じられた。
 イ 上場株式投資信託及び指定インデックス投資信託に係る株式指数について、対象となる指数を追加する等の改正が行われた。
 ロ 指定インデックス投資信託以外の公募株式投資信託の主たる投資対象の資産に係る要件について、対象資産が株式又は公社債(改正前:株式)とされた。
 ハ 上場株式投資信託の受益権及び公募株式投資信託の受益権の譲渡等の手数料に係る要件について、金融商品取引業者等が提供する定期売却サービスに関する一定の手数料(譲渡等をするために通常必要と認められる実費を勘案した適正な額の手数料)が要件の対象から除外された。
③ 実務上の対応により資格のない者による取引が行われないようにするための一定の代替策が実施されることに伴い、特定非課税累積投資契約に係る非課税措置(新NISA)及び非課税累積投資契約に係る非課税措置(つみたてNISA)の金融商品取引業者等が行う基準経過日における非課税口座を開設する居住者等の住所等の確認に係る措置が廃止された。
(2)適用関係
① 上記(1)①及び③の改正は、令和9年1月1日から施行される。
② 上記(1)②の改正は、令和8年4月1日から適用される。

2 特定暗号資産の譲渡による所得に係る申告分離課税制度等の創設(措法38の2等関係)
(1)改正の内容

① 特定暗号資産に係る譲渡所得等の申告分離課税
  居住者等が、特定暗号資産を暗号資産取引業者に対して譲渡等をした場合には、その特定暗号資産の譲渡等による事業所得、譲渡所得及び雑所得については、他の所得と区分して、その年中のその特定暗号資産の譲渡等に係る事業所得の金額、譲渡所得の金額及び雑所得の金額に対し、15%の税率により所得税が課税されることとされた。
② 特定暗号資産取引に関する年間取引報告書の提出制度
  居住者等との間で特定暗号資産についての売買等を行った暗号資産取引業者の国内にある主たる営業所又は事務所の長は、その売買等を行った日の属する年の翌年1月31日までに、その居住者等の氏名、個人番号、その特定暗号資産の名称等を記載した報告書を作成し、その営業所又は事務所の所在地の所轄税務署長に提出しなければならないこととされた。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律の施行の日の属する年の翌年の1月1日以後に行う特定暗号資産の譲渡について適用される。
② 暗号資産取引業者が金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律の施行の日の属する年の翌々年の1月1日以後に行う特定暗号資産についての行為について適用される。

3 特定暗号資産に係る譲渡損失の繰越控除制度の創設(措法38の3関係)
(1)改正の内容

 確定申告書を提出する居住者等が、その年の前年以前3年内の各年において生じた特定暗号資産に係る譲渡損失の金額(本特例の適用を受けて前年以前において控除されたものを除く。)を有する場合には、その特定暗号資産に係る譲渡損失の金額に相当する金額は、その確定申告書に係る年分の特定暗号資産に係る譲渡所得等の金額を限度として、その年分の特定暗号資産に係る譲渡所得等の金額の計算上控除することができることとされた。
(2)適用関係
 金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律の施行の日の属する年の翌年の1月1日以後に行う特定暗号資産の譲渡について適用される。

4 利子所得の分離課税等の改正(措法3等関係)
(1)改正の内容

 特定公社債以外の公社債の利子で、対象者の同族会社以外の法人(以下「特定法人」という。)から支払を受けるもののうち、実質的にその同族会社から支払を受けるものと認められる場合におけるその対象者及び対象者の親族等がその特定法人から支払を受けるものが、総合課税の対象となる「特定公社債以外の公社債の利子」に追加された。
(2)適用関係
 居住者等が令和8年4月1日以後に支払を受けるべき特定公社債以外の公社債の利子について適用される。

5 上場証券投資信託等の償還金等に係る課税の特例の改正(措法9の4の2等関係)
(1)改正の内容

 特例の適用対象に、内国法人等が次の要件を満たす公募投資信託の終了又は一部の解約により支払を受ける収益の分配を追加することとされた。
① その公募投資信託の受益権が金融商品取引所に上場されていること又は上場されていたこと。
② その公募投資信託の委託者指図型投資信託約款(その公募投資信託が外国投資信託である場合には、委託者指図型投資信託約款に類するもの)に、全ての金融商品取引所においてその公募投資信託の受益権の上場が廃止された場合には、その廃止された日にその公募投資信託を終了するための手続を開始する旨の定めがあること。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律の施行の日の属する年の翌年の1月1日以後の上場証券投資信託等の終了又は一部の解約について適用される。

6 一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例の改正(措法37の10等関係)
(1)改正の内容

 社債の償還金等で、対象者の同族会社以外の法人(以下「特定法人」という。)から交付を受けるもののうち、実質的にその同族会社から交付を受けるものと認められる場合におけるその対象者及び対象者の親族等がその特定法人から交付を受けるものが、本特例(分離課税)の対象となる一般株式等に係る譲渡所得等に係る収入金額とみなされる金額から除外された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、居住者等が令和8年4月1日以後に交付を受けるべき特定公社債以外の公社債の償還金等について適用される。

7 特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例の改正(措規18の11関係)
(1)改正の内容

 上場株式等保管委託契約に基づき特定口座に受入れ可能な上場株式等の範囲が拡充され、「持株会契約等に基づき取得した上場株式等で、その持株会契約等に基づき持株会等口座が開設されている金融商品取引業者等に係る一定の金融商品取引業者等の営業所に開設されている特定口座に受け入れるもの」は、「持株会契約等に基づき取得した上場株式等で、その持株会契約等に基づき持株会等口座が開設されている金融商品取引業者等との間に支配関係がある他の金融商品取引業者等の営業所に開設されている特定口座に受け入れるもの」とされた。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和8年4月1日以後に特定口座に受け入れる持株会契約等に基づき取得した上場株式等について適用し、同日前に特定口座に受け入れた持株会契約等に基づき取得した上場株式等については従前どおりとされている。

8 割引債の差益金額に係る源泉徴収等の特例の改正(措令26の17関係)
(1)改正の内容

 マンションの建替え等の円滑化に関する法律の改正に伴い、本特例の適用対象となる内国法人の範囲について、次の措置が講じられた。
① マンションの再生等の円滑化に関する法律に規定するマンション除却組合が追加された。
② マンション建替組合及びマンション敷地売却組合のマンション再生組合及びマンション等売却組合への改組後も、引き続き、本特例の適用対象となる内国法人とされた。
(2)適用関係
 上記の(1)の改正は、令和8年4月1日から施行されている。

9 先物取引に係る雑所得等の課税の特例等の改正(措法41の14等関係)
(1)改正の内容

① 先物取引に係る雑所得等の課税の特例の改正
  本特例の適用対象に、特定暗号資産に係る暗号資産デリバティブ取引の差金等決済に係る雑所得等が追加された。
② 先物取引に関する支払調書の改正
  特定暗号資産に係る暗号資産デリバティブ取引に係る支払調書について、特定暗号資産以外の暗号等資産又はその暗号等資産に係る金融指標に係る暗号資産デリバティブ取引に係る支払調書とは別に作成することとされた。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律の施行の日の属する年の翌年の1月1日以後に行われるものについて適用し、先物取引の差金等決済で同日前に行われたものについては従前どおりとされている。
② 上記(1)②の改正は、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律の施行の日の属する年の翌年の1月1日以後に提出する先物取引に関する支払調書について適用し、同日前に提出したものについては従前どおりとされている。

10 年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例の改正(措法41の15の5関係)
 適用期限が令和9年まで1年延長された。

11 特定新規中小会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例の改正(措法41の18の4等関係)
(1)適用対象となる国家戦略特別区域法に規定する特定事業を行う株式会社により発行される株式の発行期限が令和11年3月31日まで3年延長された。
(2)適用対象となる地域再生法に規定する特定地域再生事業を行う株式会社により発行される株式の発行期限が令和11年3月31日まで3年延長された。

第三 事業所得等に係る税制の改正

1 試験研究を行った場合の所得税額の特別控除制度の改正(改正後:試験研究を行った場合の所得税額の特別控除制度及び特別試験研究を行った場合の所得税額の特別控除制度(措法10等関係)
(1)改正の内容

① 控除の対象となる試験研究費の額の範囲の見直しが行われた。
② 一般試験研究費の額に係る特別税額控除制度
 イ 税額控除割合が次の区分に応じそれぞれ次の割合(上限:10%)とされた。
 (イ)増減試験研究費割合が3%を超える場合((ハ)の場合を除く。)……8.5%に、増減試験研究費割合から3%を控除した割合に0.25を乗じて計算した割合を加算した割合
 (ロ)増減試験研究費割合が3%以下である場合(iiiの場合を除く。)……8.5%から、3%から増減試験研究費割合を減算した割合に13分の8.5を乗じて計算した割合を減算した割合(その割合が0%に満たないときは、0%)
 (ハ)その年が開業年である場合又は比較試験研究費の額が0である場合……8.5%
 ロ 令和11年までの各年分については、税額控除割合は、上記①にかかわらず、次の区分に応じそれぞれ次の割合(上限:14%)とされた。
 (イ)令和9年以前の年分……次の区分に応じそれぞれ次の割合
  i 増減試験研究費割合が12%を超える場合(ivの場合を除く。)……11.5%に、その増減試験研究費割合から12%を控除した割合に0.375を乗じて計算した割合を加算した割合
  ii 増減試験研究費割合が0以上であり12%以下である場合(ivの場合を除く。)……11.5%から、12%からその増減試験研究費割合を減算した割合に0.25を乗じて計算した割合を減算した割合
  iii 増減試験研究費割合が0に満たない場合(ivの場合を除く。)……8.5%から、その満たない部分の割合に30分の8.5を乗じて計算した割合を減算した割合(その割合が0に満たないときは、0)
  iv その年が開業年である場合又は比較試験研究費の額が0である場合……8.5%
 (ロ)令和10年以後の年分……次の区分に応じそれぞれ次の割合
  i 増減試験研究費割合が15%を超える場合(ivの場合を除く。)……11.5%に、その増減試験研究費割合から15%を控除した割合に0.375を乗じて計算した割合を加算した割合
  ii 増減試験研究費割合が3%を超え15%以下である場合(ivの場合を除く。)……8.5%に、その増減試験研究費割合から3%を控除した割合に0.25を乗じて計算した割合を加算した割合
  iii 増減試験研究費割合が3%以下である場合(ivの場合を除く。)……8.5%から、3%からその増減試験研究費割合を減算した割合に13分の8.5を「乗じて計算した割合を減算した割合(その割合が0に満たないときは、0)
  iv その年が開業年である場合又は比較試験研究費の額が0である場合……8.5%
 ハ 増減試験研究費割合に応じた税額控除額の上限の変動特例について、令和10年以後の年分については、その年分の調整前事業所得税額に次の年分の区分に応じそれぞれ次の割合((イ)に掲げる年分及び試験研究費割合が10%を超える年分のいずれにも該当する年分にあっては、(イ)に定める割合と下記④の税額控除額の上限の特例により計算した割合とのうちいずれか高い割合)を乗じて計算した金額を加算する措置とした上、その適用期限が令和11年まで3年延長された。
 (イ)増減試験研究費割合が7%を超える年分……その増減試験研究費割合から7%を控除した割合に0.625を乗じて計算した割合(上限:5%)
 (ロ)増減試験研究費割合が0に満たない場合のその満たない部分の割合が1%を超える事業年度(試験研究費割合が10%を超える事業年度を除きます。)……0から、その満たない部分の割合から1%を控除した割合に0.625を乗じて計算した割合(上限:5%)を減算した割合
 ニ 試験研究費割合が10%を超える場合における税額控除割合の特例及び税額控除額の上限の特例の適用期限が、令和11年まで3年延長された。
③ 中小企業技術基盤強化税制
 イ 中小事業者税額控除限度額の特例及び税額控除額の上限の特例の適用期限が、令和11年まで3年延長された。
 ロ 青色申告書を提出する個人の各年においてその個人の試験研究費の額がその比較試験研究費の額を超える場合において、中小企業技術基盤強化税制における試験研究費の額に係る税額控除制度による控除をしてもなお控除しきれない金額を有するときは、その控除しきれない金額につき3年間繰り越して税額控除(税額控除額は、中小企業技術基盤強化税制における試験研究費の額に係る税額控除制度と合計してその年分の調整前事業所得税額の25%等相当額が上限とされている。)ができる制度が創設された。
④ 特別試験研究費の額に係る特別税額控除制度
 イ 特別試験研究費の額の対象となる高度専門知識等を有する者に対して人件費を支出して行う試験研究について、次の見直しが行われた。
 (イ)新規高度研究業務従事者の範囲に、博士の学位を授与された者のうちその授与された日から5年以内にその個人の使用人となったもので、その使用人となった日から5年を経過していないものが追加された。
 (ロ)試験研究の要件について次の見直しが行われた。
  i その試験研究の内容に関する提案が広く一般に又は広くその個人の使用人に募集されたこととの要件が、その試験研究の内容に関する提案が広く一般に又は広くその個人の試験研究に専ら従事するその個人の使用人に募集されたこととの要件とされた。
  ii その試験研究の内容がその試験研究に従事する新規高度研究業務従事者から提案されたものであることとの要件が、その試験研究の内容がその試験研究に専ら従事するその個人の使用人から提案されたものであることとの要件とされた。
 ロ 指定大学等との共同研究及び指定大学等への委託研究に係る試験研究費の額について、その指定大学等の長が認定した金額とすることとされた。
(2)適用関係
① 上記(1)①及び②の改正は、令和9年分以後の所得税について適用し、令和8年分以前の所得税については従前どおりとされている。
② 上記(1)③の改正は、個人の令和9年以後において生ずる中小事業者税額控除限度額に係る税額控除制度による控除をしてもなお控除しきれない金額について適用される。
③ 上記(1)④の改正は、令和9年分以後の所得税について適用し、個人の令和8年分以前の特別試験研究費の額については従前どおりとされている。

2 重点産業技術試験研究を行った場合の所得税額の特別控除制度の創設(措法10の2の2関係)
(1)改正の内容

 青色申告書を提出する個人で指定期間内に産業技術力強化法の重点研究開発計画につき同法の認定を受けたものの適用期間内の日の属する各年において、重点産業技術試験研究費の額がある場合には、控除対象重点産業技術試験研究費の額の40%(控除対象重点産業技術試験研究費の額の計算の基礎となった重点産業技術試験研究費の額が特別重点産業技術試験研究費の額に該当する場合には、50%)相当額の税額控除ができる制度が創設された。
 なお、控除を受ける金額は、当期の調整前事業所得税額の10%相当額を上限とし、税額控除限度超過額は3年間の繰越しができることとされている。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、産業技術力強化法の一部を改正する法律の施行の日から施行される。

3 中小事業者が機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の改正(措令5の5関係)
(1)改正の内容

 特定機械装置等のうち工具の取得価額要件におけるその年中に取得又は製作をして国内にあるその中小事業者の営む指定事業の用に供した工具の取得価額の合計額で判定する場合について、「取得又は製作をして国内にあるその中小企業者等の営む指定事業の用に供した1台又は1基の取得価額が40万円以上(改正前:30万円以上)の工具」の取得価額の合計額が120万円以上であるかどうかで判定することとされた。
(2)適用関係
 令和8年分以後の所得税について適用し、令和7年分以前の所得税については、従前どおりとされている。

4 地域経済牽(けん)引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の改正(措法10の4関係)
(1)改正の内容

 供用年から、下記10の制度における産業競争力強化法の特定生産性向上設備等に係る確認を受けた個人のその特定生産性向上設備等の投資に関する計画の期間内の日の属する各年が除外された。
(2)適用関係
 経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律の施行の日から施行される。

5 地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の改正(措法10の5関係)
(1)改正の内容

 次の見直しが行われた上、地方活力向上地域等特定業務施設整備計画の認定期限が令和10年3月31日まで2年延長された。
① 特定建物等のうちその特定建物等に係る特定業務施設が就業の機会の創出に著しく資するものについて、特別償却割合及び税額控除割合が次のとおり引き上げられた。
 イ 特別償却割合……その特定建物等に係る認定地方活力向上地域等特定業務施設整備計画が拡充型計画に該当する場合には20%(改正前:15%)
 ロ 税額控除割合……その特定建物等に係る認定地方活力向上地域等特定業務施設整備計画が次の計画のいずれに該当するかに応じそれぞれ次の割合
 (イ)拡充型計画……5%(改正前:4%)
 (ロ)移転型計画……8%(改正前:7%)
② 対象となる資産が、次のとおり見直された。
 イ 本制度の対象となる取得をした特定建物等について、「その建設の後事業の用に供されたことがないもの」であることとの要件が除外された。
 ロ 中小事業者以外の個人の適用対象となる特定建物等の取得価額に係る要件が、4,500万円以上(改正前:3,500万円以上)に引き上げられた。
③ 地方活力向上地域等特定業務施設整備計画の認定を受けた日からその認定に係る特定建物等を事業の用に供した日の属する年の12月31日までの期間内において離職者がいないことにつき証明がされた場合に限り、本制度の適用を受けることができることとされた。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和8年4月1日以後に地方活力向上地域等特定業務施設整備計画について計画の認定を受ける個人が取得等をするその認定に係る認定地方活力向上地域等特定業務施設整備計画に記載された特定建物等について適用し、同日前に地方活力向上地域等特定業務施設整備計画について認定を受けた個人が取得又は建設をするその認定に係る認定地方活力向上地域等特定業務施設整備計画に記載された特定建物等については、従前どおりとされている。

6 地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の所得税額の特別控除制度の廃止(旧措法10の5等関係)
(1)改正の内容

 認定の期限(令和8年3月31日)の到来をもって、制度が廃止された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、地方活力向上地域特定業務施設整備計画について令和8年4月1日前に計画の認定を受けた個人のその地方活力向上地域等特定業務施設整備計画については、従前どおりとされている。

7 特定中小事業者が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の改正(措法10の5の3等関係)
(1)改正の内容

① 供用年から、下記10の制度における産業競争力強化法の特定生産性向上設備等に係る確認を受けた個人のその特定生産性向上設備等の投資に関する計画の期間内の日の属する各年が除外された。
② 工具及び器具備品の取得価額要件が、40万円以上(改正前:30万円以上)に引き上げられた。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律の施行の日から施行される。
② 上記(1)②の改正は、特定中小事業者が令和8年4月1日以後に取得又は製作若しくは建設をする特定経営力向上設備等について適用し、特定中小事業者が同日前に取得又は製作若しくは建設をした特定経営力向上設備等については、従前どおりとされている。

8 給与等の支給額が増加した場合の所得税額の特別控除制度の改正(旧措法10の5の4等関係)
(1)改正の内容

① 個人の継続雇用者給与等支給額が増加した場合に係る措置は、令和8年末をもって廃止された。
② 特定個人の継続雇用者給与等支給額が増加した場合に係る措置について、次の見直しが行われた。
 イ 原則の税額控除割合(10%)を適用できる場合が、継続雇用者給与等支給増加割合が4%以上(改正前:3%以上)である場合とされた。
 ロ 継続雇用者給与等支給増加割合が4%以上である場合に税額控除割合に15%を加算する措置について、その継続雇用者給与等支給増加割合が5%以上である場合に税額控除割合に5%(その継続雇用者給与等支給増加割合が6%以上である場合には、15%)を加算する措置とされた。
 ハ 教育訓練費に係る上乗せ措置が廃止された。
③ 中小事業者の雇用者給与等支給額が増加した場合に係る措置における教育訓練費に係る上乗せ措置が廃止された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和9年分以後の所得税について適用し、令和8年分以前の所得税については、従前どおりとされている。

9 生産工程効率化等設備を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の改正(措法10の5の5等関係)
(1)改正の内容

 次の見直しが行われた上、特定認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画の認定期限が、令和10年3月31日まで2年延長された。
① 特別償却割合及び税額控除割合が、次の区分に応じそれぞれ次のとおりとされた。
 イ 中小事業者……特定認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画に記載された次の炭素生産性向上率の区分に応じそれぞれ次の割合
 (イ)炭素生産性向上率22%以上(改正前:17%以上)……特別償却割合30%(改正前:50%)又は税額控除割合10%(改正前:14%)
 (ロ)炭素生産性向上率17%以上22%未満(改正前:10%以上17%未満)……特別償却割合30%(改正前:50%)又は税額控除割合5%(改正前:10%)
 ロ 中小事業者以外の個人……特定認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画に記載された次の炭素生産性向上率の区分に応じそれぞれ次の割合
 (イ)炭素生産性向上率25%以上(改正前:20%以上)……特別償却割合30%(改正前:50%)又は税額控除割合8%(改正前:10%)
 (ロ)炭素生産性向上率20%以上25%未満(改正前:15%以上20%未満)……特別償却割合30%(改正前:50%)又は税額控除割合3%(改正前:5%)
② 供用年から、下記10の制度における産業競争力強化法の特定生産性向上設備等に係る確認を受けた個人のその特定生産性向上設備等の投資に関する計画の期間内の日の属する各年が除外された。
(2)適用関係
 上記(1)①の改正は、個人が取得又は製作若しくは建設をする生産工程効率化等設備で令和8年4月1日以後に受ける特定認定に係る特定認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画に記載されたものについて適用し、個人が取得又は製作若しくは建設をした生産工程効率化等設備で同日前に受けた特定認定に係る特定認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画に記載されたものについては、従前どおりとされている。
 上記(1)②の改正は、経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律の施行の日から施行される。

10 特定生産性向上設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の創設(措法10の5の6等関係)
(1)改正の内容

 青色申告書を提出する個人が、生産等設備を構成する機械装置工具、器具備品、建物、建物附属設備、構築物及び一定のソフトウエアで、産業競争力強化法に規定する特定生産性向上設備等(その個人が経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律の施行の日から令和11年3月31日までの期間(以下「指定期間」という。)内に産業競争力強化法の確認を受けたものに限る。以下「特定生産性向上設備等」という。)に該当するもののうち一定の規模のもの(以下「特定機械装置等」という。)の取得等をする場合において、その確認を受けた日から同日以後5年を経過する日までの間に、その特定機械装置等の取得等をして、これを国内にあるその個人の事業の用に供したときは、その事業の用に供した年において、その特定機械装置等の取得価額から普通償却額を控除した金額に相当する金額の特別償却(即時償却。その年分の必要経費に算入されなかった償却不足額は翌年分への繰越が可能)とその取得価額の7%(建物、建物附属設備及び構築物については、4%)相当額の税額控除との選択適用ができる制度が創設された。なお、税額控除の適用を受ける場合における控除を受ける金額は、その年分の調整前事業所得税額の20%相当額を上限とすることとされている。
 また、青色申告書を提出する個人で指定期間内にされた産業競争力強化法の認定に係る認定事業適応事業者(その同法の認定事業適応計画(同法の国際経済事情激変事業適応に関するものに限る。以下「認定国際経済事情激変事業適応計画」という。)にその認定国際経済事情激変事業適応計画に従って行う同法の国際経済事情激変事業適応のための措置として特定生産性向上設備等を導入する旨の記載があるものに限る。)であるものに係る税額控除限度超過額については、3年間の繰越しができることとされている。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律の施行の日から施行される。

11 所得税の額から控除される特別控除額の特例の改正(措法10の6関係)
(1)改正の内容

 特定税額控除制度の不適用措置について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和11年まで2年延長された。
① 特定税額控除制度に、上記2の制度が追加された。
② 次の要件の見直しが行われた。
 イ 継続雇用者給与等支給額に係る要件について、上乗せ要件の対象に該当する場合には、継続雇用者給与等支給増加割合が2%以上(改正前:1%以上)であることとされ、上乗せ要件の対象に該当しない場合には、継続雇用者給与等支給増加割合が1%以上であること(改正前:その個人の継続雇用者給与等支給額がその継続雇用者比較給与等支給額を超えること)とされた。
 ロ 次の特定税額控除制度については、継続雇用者給与等支給額に係る要件及び国内設備投資額に係る要件のいずれかに該当しない(改正前:いずれにも該当しない)場合(その対象年が事業を開始した日の属する年、相続又は包括遺贈により事業を承継した日の属する年及び事業の譲渡又は譲受けをした日の属する年のいずれにも該当しない場合であって、その対象年の事業所得の金額がその対象年の前事業年度の所得の金額以下である場合を除く。)にその特定税額控除制度を適用しないこととされた。
 (イ)地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の所得税額の特別控除制度
 (ロ)生産工程効率化等設備を取得した場合の所得税額の特別控除制度
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、産業技術力強化法の一部を改正する法律の施行の日から施行される。
② 上記(1)②の改正は、令和9年分以後の所得税について適用し、令和8年分以前の所得税については従前どおりとされている。

12 特定船舶の特別償却制度の改正(措法11等関係)
(1)改正の内容

 特例匿名組合船舶の範囲が海上運送法第39条の2第2項第2号に規定する認定事業基盤強化事業者が製造した先進船舶に限定された上、その適用期限が令和11年3月31日まで3年延長された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、個人が令和8年4月1日以後に取得又は製作をする特定船舶(経過船舶を除く。)について適用し、個人が同日前に取得又は製作をした特定船舶(経過船舶を含む。)については、従前どおりとされている。

13 特定事業継続力強化設備等の特別償却制度の改正(措令6の2関係)
(1)改正の内容

 特定事業継続力強化設備等のうち器具備品の取得価額要件が、40万円以上(改正前:30万円以上)に引き上げられた。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、個人が令和8年4月1日以後に取得又は製作若しくは建設をする特定事業継続力強化設備等について適用し、個人が同日前に取得又は製作若しくは建設をした特定事業継続力強化設備等については、従前どおりとされている。

14 環境負荷低減事業活動用資産等の特別償却制度の改正(措法11の4関係)
 適用期限が令和10年3月31日まで2年延長された。

15 輸出事業用資産の割増償却制度の改正(措法13関係)
 適用期限が令和10年3月31日まで2年延長された。

16 特定都市再生建築物の割増償却制度の改正(措法14関係)
(1)改正の内容

 事業区域の全部又は一部が特定都市再生緊急整備地域内にある場合における都市再生事業の要件に公共施設面積割合が10%以上であることが追加される等の見直しが行われた上、その適用期限が令和11年3月31日まで3年延長された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、個人が令和8年4月1日以後に取得又は新築をする特定都市再生建築物について適用し、個人が同日前に取得又は新築をした特定都市再生建築物については、従前どおりとされている。

17 倉庫用建物等の割増償却制度の廃止(旧措法15等関係)
(1)改正の内容

 適用期限(令和8年3月31日)の到来をもって、制度が廃止された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、特定総合効率化計画について令和8年4月1日前に認定を受けた個人が令和9年3月31日以前に倉庫業の用に供した倉庫用建物等については、従来どおり適用できることとされている。

18 肉用牛の売却による農業所得の課税の特例の改正(措法25等関係)
 適用期限が令和11年まで3年延長された。

19 中小事業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例の改正(措法28の2等関係)
(1)改正の内容

 次の見直しが行われた上、その適用期限が令和11年3月31日まで3年延長された。
① 対象となる減価償却資産の取得価額が40万円未満(改正前:30万円未満)に引き上げられた。
② 対象者の要件における常時使用する従業員の数が、400人(改正前:500人)に引き下げられた。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、中小事業者が令和8年4月1日以後に取得又は製作若しくは建設をする少額減価償却資産について適用し、中小事業者が同日前に取得又は製作若しくは建設をした少額減価償却資産については、従前どおりとされている。

20 特定復興産業集積区域において機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の廃止(旧震災税特法10等関係)
(1)改正の内容

 適用期限(令和8年3月31日)の到来をもって、制度が廃止された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和8年3月31日以前に事業の用に供した特定機械装置等については、従来どおり適用できることとされている。

21 企業立地促進区域等において機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の改正(震災税特法10等関係)
(1)改正の内容

① 特定事業活動振興計画に係る措置の適用期限が、令和11年3月31日まで3年延長された。
② 新産業創出等推進事業促進計画に係る措置について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和11年3月31日まで3年延長された。
 イ 新産業創出等推進事業促進計画の対象事業である新産業創出等推進事業について、従前の新産業創出等推進事業である廃炉等、ロボット、農林水産業等の分野のいずれかに該当する一定の事業のほか、新たな技術を活用し又は産業の発展に寄与する事業であって、福島国際研究産業都市区域における産業集積の形成及び活性化を図る上で中核となる事業(以下「その他産業発展寄与事業」という。)が追加された。
 ロ 上記イに伴い、その他産業発展寄与事業に係る対象資産について、認定新産業創出等推進事業実施計画に従ってその他産業発展寄与事業の用に供する施設又は設備の新設又は増設した認定事業者がその新設又は増設に伴い新たに取得し、又は製作し、若しくは建設した機械装置、建物等及び構築物のうち、その認定事業者の認定新産業創出等推進事業実施計画に記載されたものとされた。
 ハ 上記イに伴い、その他産業発展寄与事業に係る対象資産の特別償却割合及び税額控除割合について、それぞれ次の割合とされた。
 (イ)特別償却割合……45%(建物等及び構築物については、23%)
 (ロ)税額控除割合……14%(建物等及び構築物については、7%)
(2)適用関係
① 上記(1)②イの改正は、令和8年4月1日から施行されている。
② 上記(1)②ロ及びハの改正は、個人が令和8年4月1日以後に取得又は製作若しくは建設をする特定機械装置等について適用し、個人が同日前に取得又は製作若しくは建設をした特定機械装置等については、従前どおりとされている。

22 特定復興産業集積区域において被災雇用者等を雇用した場合の所得税額の特別控除制度の廃止(旧震災税特法10の3等関係)
(1)改正の内容

 適用期限(令和8年3月31日)の到来をもって、制度が廃止された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和8年4月1日前に認定地方公共団体の指定を受けた個人が被災雇用者等に対して支給する給与等については、従前どおりとされている。

23 企業立地促進区域等において避難対象雇用者等を雇用した場合の所得税額の特別控除制度の改正(震災税特法10の3関係)
(1)改正の内容

① 特定事業活動振興計画に係る措置の個人指定の期限が、令和11年3月31日まで3年延長された。
② 新産業創出等推進事業促進計画に係る措置について、次の見直しが行われた上、その個人認定の期限が令和11年3月31日まで3年延長された。
 イ 新産業創出等推進事業促進計画の対象事業である新産業創出等推進事業について、従前の新産業創出等推進事業である廃炉等、ロボット、農林水産業等の分野のいずれかに該当する一定の事業のほか、新たな技術を活用し又は産業の発展に寄与する事業であって、福島国際研究産業都市区域における産業集積の形成及び活性化を図る上で中核となる事業(以下「その他産業発展寄与事業」という。)が追加された。
 ロ 上記イに伴い、その他産業発展寄与事業に係る対象雇用者について、次の者とされた。
 (イ)避難対象雇用者等
 (ロ)次の者(上記(イ)の者を除く。)
  i 平成23年3月11日において福島国際研究産業都市区域の区域内に所在する事業所に勤務していた者
  ii 平成23年3月11日において福島国際研究産業都市区域の区域内に居住していた者
 ハ 上記イに伴い、その他産業発展寄与事業を行う事業所に勤務する対象雇用者に対して支給する給与等の額に係る税額控除割合について、9%とされた。
 ニ 本措置の適用対象となる給与等の額から、その給与等の額のうち上記2の制度によりその年分の総所得金額に係る所得税額から控除する金額の計算の基礎となった金額を控除することとされた。
(2)適用関係
① 上記(1)②イの改正は、令和8年4月1日から施行されている。
② 上記(1)②ロ及びハの改正は、令和8年4月1日以後に認定を受ける個人の適用年の年分の所得税について適用し、同日前に認定を受けた個人の適用年の年分の所得税については、従前どおりとされている。
③ 上記(1)②ニの改正は、産業技術力強化法の一部を改正する法律の施行の日から適用される。

24 特定復興産業域における開発研究用資産の特別償却等制度の廃止(旧震災税特法10の5等関係)
(1)改正の内容

 適用期限(令和8年3月31日)の到来をもって、制度が廃止された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、個人が令和8年4月1日前に取得又は製作若しくは建設をした開発研究用資産については、従前どおりとされている。

25 新産業創出等推進事業促進区域における開発研究用資産の特別償却等制度の改正(震災税特法11等関係)
 適用期限が令和11年3月31日まで3年延長された。

26 被災代替船舶の特別償却制度の廃止(旧震災税特法11の2等関係)
(1)改正の内容

 適用期限(令和8年3月31日)の到来をもって、制度が廃止された。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和8年3月31日以前に事業の用に供した被災代替船舶については、従来どおり適用できることとされている。

第四 その他の改正

1 特定の基準所得金額の課税の特例の改正(措法41の19関係)
(1)改正の内容

 特例対象者を個人でその者のその年分の基準所得金額が1億6,500万円(改正前:3億3,000万円)を超えるものとするとともに、税率を30%(改正前:22.5%)に引き上げることとされた。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和9年分以後の所得税について適用し、令和8年分以前の所得税については従前どおりとされている。

2 青色申告特別控除の改正(措法25の2等関係)
(1)改正の内容

① 10万円の青色申告特別控除の対象者から、その年において不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営む者で、取引の内容を正規の簿記の原則に従って記録していないもののうち、一定の要件を満たすものを除外することとされた。
② 55万円の青色申告特別控除について、その年分の所得税の確定申告書、貸借対照表及び損益計算書等の提出を、その提出期限までに電子情報処理組織(e-Tax)を使用して行うことを適用要件に加えた上で、控除額を65万円に引き上げることとされた。
③ 65万円の青色申告特別控除について、対象者を上記②の見直し後の適用要件を満たす者であって、電子帳簿保存法に定めるところにより電磁的記録の備付け等を行っていること(一定の場合に該当する場合に限る。)との要件を満たすものとした上で、控除額を75万円に引き上げることとされた。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和9年分以後の所得税について適用し、令和8年分以前の所得税については従前どおりとされている。

3 家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例の改正(措法27等関係)
(1)改正の内容

 家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例について、必要経費に算入する金額の最低保障額が69万円(改正前:65万円)に引き上げられた。
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和8年分以後の所得税について適用し、令和7年分以前の所得税については従前どおりとされている。

4 山林所得に係る森林計画特別控除制度の改正(措法30の2関係)
 適用期限が令和10年まで2年延長された。

5 給付金等の非課税の改正(措法41の8等関係)
(1)改正の内容

① 母子及び父子並びに寡婦福祉法に規定する高等職業訓練促進給付金の支給を受けていた者のうち一定の者に対して給付される一定の給付金については、所得税を課さないこととされた。
② 次の貸付けについて受けた債務免除により受ける経済的な利益の価額については、引き続き所得税を課さないこととされた。
 イ 児童養護施設退所者等に対する自立支援資金貸付事業による貸付け
 ロ 児童扶養手当受給者等に対するひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付
(2)適用関係
 上記(1)の改正は、令和8年4月1日から施行されている。

6 セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)の改正(措法41の17等関係)
(1)改正の内容

① 本特例の適用期限について、対象となるスイッチOTC医薬品の一部についてはその適用期限を撤廃し、それ以外の医薬品についてはその適用期限を令和13年12月31日まで5年延長することとされた。
② 本特例の適用対象となる医薬品の範囲について、次のとおり見直された。
 イ 改正前の本特例の対象となるスイッチOTC医薬品以外の一般用医薬品等について、その対象に、消化器官用薬としての効能又は効果を有すると認められる医薬品及び一定の生薬を有効成分として含有する鎮咳去痰薬としての効能又は効果を有すると認められる医薬品を追加するとともに、所要の経過措置を設けた上、その対象から痩身・美容目的で使用されるものが除外された。
 ロ 本特例の対象となる一般用医薬品等に、体外診断用医薬品のうち、その使用による医療保険療養給付費の適正化の効果が著しく高いと認められるものとして一定のものが追加された。
 ハ 本特例の対象となる一般用医薬品等に、薬局製造販売医薬品で本特例の対象となるスイッチOTC医薬品及び(上記①による見直し後の)スイッチOTC医薬品以外の一般用医薬品等と同じ成分を有効成分として含有するものが追加された。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、令和9年分以後の所得税について適用し、令和8年分以前の所得税については従前どおりとされている。
② 上記(1)②イの改正は、今後、厚生労働省告示によって改正される。
③ 上記(1)②ロ及びハの改正は、令和9年分以後の所得税について適用し、令和8年分以前の所得税については従前どおりとされている。

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