税務ニュース2026年06月26日 更正の請求の特則、確定した遺産が前提(2026年6月29日号・№1128) 二次相続後に一次相続が確定し遺産総額が減少しても更正の請求不可
本件は、請求人らの父を被相続人とする一次相続の後に相続が開始した請求人らの母を被相続人とする二次相続の相続税において、一次相続に係る遺産を民法に規定する相続分の割合で取得したものとして二次相続の遺産に含めて申告していたが、その後、請求人らの一次相続に係る遺産の分割協議において、請求人らの母が一次相続に係る遺産を取得しないことを内容とする遺産分割を成立させたため、二次相続に係る課税価額が減少したとして相続税法の更正の請求の特則による請求(相続税法32条1項1号)を行ったというもの。しかし、原処分庁が請求人らの更正の請求は特則による更正の請求に該当しないとしたことから、請求人らは、相続税法55条(未分割遺産に対する課税)の規定に基づく申告等により確定した二次相続に係る遺産が一次相続に係る遺産分割により減少した場合であっても相続税法32条1項1号の規定は適用されると解釈すべきであると主張し、原処分の全部の取り消しを求めたものである。
審判所は、相続税法32条1項1号に基づく更正の請求は、未分割の遺産につき、一旦同法55条の規定による計算で税額が確定した後、遺産の分割が行われ、その結果、既に確定した相続税額が過大になるという相続税に固有の後発的事由について規定したものであって、当該規定に基づく更正の請求は、当初の申告に存在するとされる過誤の是正を求めることを目的とするものではないと解するのが相当であるとした。そうすると、未分割の遺産を分割した結果、既に確定した課税価格及び相続税額が過大になるか否かの判断に当たっては、算定の基礎となる遺産の価額は申告等により確定した遺産の価額を基礎とすべきであり、申告等により確定した遺産の価額を前提としない更正の請求は、相続税法32条1項1号に基づく更正の請求に該当しないとの判断を示した。
本件については、請求人らは、相続に係る被相続人が一次相続に係る遺産を取得しないことなどを内容とする遺産分割の成立により、相続に係る遺産の総額が減少したという理由で更正の請求を行っているのであるから、審判所は、相続税法32条1項1号に規定する事由に基づく更正の請求には該当しないとし、請求人の主張を斥けた。
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