税務ニュース2026年08月21日 成長投資等の実施企業に猶予税額を免除(2026年8月24日号・№1135) 事業承継税制の特例措置の期限到来を契機により使いやすい税制へ
中小企業庁に設置された「中小企業の親族内承継に関する検討会」(座長:柳川範之東京大学大学院経済学研究科教授)が検討している報告書案が明らかとなった。報告書案は、中小企業にとって事業承継の重要な選択肢の一つである親族内承継に着目し、事業承継税制の特例措置の適用期限後の在り方と後継者育成について検討を行ったものである。
法人版事業承継税制の特例措置については、令和8年度税制改正により、特例承継計画の提出期限が令和9年9月30日まで延長されたものの、適用期限は令和9年12月31日のままとなっている。特例措置については、贈与税や相続税が100%猶予されることや、議決権株式の集約が図られることなどから、多くの中小企業に利用されてきたが、依然として、要件の煩雑さや、納税猶予期間が長期にわたる点に対する懸念の声もある。このため、報告書案では、特例措置の適用期限が到来することを契機に、より使いやすい税制への見直しを行うよう、令和9年度税制改正要望に盛り込むこととしている。
例えば、猶予対象株式数や猶予割合については、企業ごとの実情に応じた柔軟な承継を可能としつつ、早期の贈与による事業承継を促進する観点から、その在り方を検討していくことが重要としたほか、長期にわたる納税猶予が投資や賃上げ等の企業行動に影響を与える可能性を踏まえ、成長投資や賃上げを実施する中小企業に対して、猶予税額の免除等を検討することが必要などとしている(下表参照)。
| 〇猶予対象株式数 中小企業がそれぞれの置かれている状況に応じて株式の承継のあり方を検討できるようにすることが適切。制度の中で2/3と上限を設けてしまうことは必ずしも妥当ではない。 〇猶予割合(贈与と相続の差) 贈与による早期の承継がなされるよう促進することに制度の主眼を置きつつ、相続の場合の猶予割合を適切に検討することが重要である。 〇猶予措置の在り方 事業承継税制により猶予された資金を賃上げや設備投資といった取組みの原資として活用することを促し、実践した者については、評価減制度の可能性を追求することや猶予税額を免除する措置等を検討すべき。ただし、実効性のある課税逃れ防止措置なども併せて検討することが必要。 〇海外子会社の取扱い 海外子会社の株式についても税制の対象とすることを検討すべき。 |
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