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税務ニュース2026年10月09日 貸付事業用宅地巡り一時的空家と認めず(2026年10月12日号・№1141) 実質的にみて相続開始時に賃貸されていたのと同視し得るものといえず

  • 相続土地上の建物が「一時的に賃貸されていなかったと認められる部分」に該当して小規模宅地等特例が適用されるか否かが争われた裁決(東裁(諸)令6−213)。
  • 審判所、事実関係を踏まえ実質的にみて相続開始時に賃貸されていたのと同視し得るものといえないから、一時的に賃貸されていなかったものとは認められないと判断。

 本誌1138号14頁では、マンション(貸家)の相続税評価額をめぐり一時的空室が問題となった高裁判決を紹介しているが、この一時的空室は小規模宅地等の特例の適用の際にも問題となり得る。今回の裁決事例では、請求人が相続により取得した本件土地上の建物が一時的に賃貸されていなかったと認められる場合に該当して、小規模宅地等の特例の適用が認められるか否かという点が問題となった。事実関係をみると、建物は、令和2年7月に賃貸借契約が解除され被相続人に明け渡された後は空家となっており、令和3年7月の相続開始時において賃貸されていなかった。請求人は、建物には相続開始時に一時的に賃借人がいなかったにすぎないと指摘。被相続人から貸付事業を承継して個人事業主開業届出書等を提出し、申告期限まで本件土地を所有しているから事業承継要件及び保有継続要件を満たしており、本件土地は「貸付事業用宅地等」に該当すると主張していた。
 審判所は、一時的に賃貸されていなかったと認められる場合(措通69の4−24の2)とは、賃貸借契約が相続開始時に終了していたものの引き続き賃貸される見込みが客観的に存在し、現に賃貸借契約終了から近接した時期に新たに賃貸借契約が締結されたなど、相続開始時の前後の賃貸状況等に照らして実質的にみて相続開始時に賃貸されていたのと同視し得るものでなければならないというべきであるという法令解釈を示した。そして本件については、①令和2年7月から令和4年7月まで約2年間にわたって空家の状態が続いていたこと、②被相続人は建物が空家となってから相続開始までの間に不動産会社に新たな賃借人の募集について相談をしていなかったこと、③請求人が初めて建物の賃貸について不動産会社に相談をしたのは相続開始から11か月後の令和4年6月であること、④請求人は建物を新たに賃貸しないまま売買契約を締結していることを踏まえれば、建物は一時的に賃貸されていなかったものとは認められないと判断した。以上を踏まえ審判所は、本件土地は「貸付事業用宅地等」に該当しないと結論付けて審査請求を棄却する裁決を下している。

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