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会社法ニュース2026年10月30日 法人に実質的支配者情報の届出義務(2026年11月2日号・№1144) 法人実質的支配者透明化法案が国会に提出

  • 法人実質的支配者透明化法案が国会に提出。上場企業を除くすべての内国法人及び一部の外国法人に対し、実質的支配者の情報を法務局に届け出ることを義務付け。罰則等あり。
  • 実質的支配者を把握するための照会制度あり。情報提供等しない場合は10万円以下の過料。

 政府は10月23日、「法人等の実質的支配者に係る情報の把握等に関する法律案」(法人実質的支配者透明化法案)を閣議決定し、国会に提出した(原則、施行は公布から1年6月を超えない範囲内において政令で定める日)。今回の法案提出の背景には、実態のない法人を悪用したマネロン等の事例が多数明らかとなり、世界的に法人の実質的支配者(BO:Beneficial Ownership)の把握が必要との問題意識がある。また、FATF(金融活動作業部会)においても制度の整備・実施が求められていた。
 法案では、上場企業を除き、すべての内国法人及び一部の外国法人(①国内で継続的に取引、②国内に事務所を設置、③国内の不動産を所有)を対象に、実質的支配者の情報(氏名、住所、生年月日、国籍等)を把握し、法人の設立時(既存法人の場合は施行日から30日以内)に法務局に届出を義務付ける。変更時にも届出が必要だ。なお、法人格の悪用を防止するため、届出期限を経過した日から3年間届出をしない場合には登記閉鎖の措置を講じるほか、届出義務違反には罰則等が設けられている。
 実質的支配者については、資本多数決法人の場合、総議決権の25%超を直接又は間接に有する自然人等と定義されているが、間接所有の場合など、法人が実際に把握できるかが懸念される。この点、法案では、例えば、実質的支配者に該当すると思料するに足りる相当な理由がある者等に対して、法人は、その者の氏名又は名称及び住所等を照会することができるとされている。照会を受けた者については、法人に対し、遅滞なく情報を提供しなければならないとし、仮に情報の提供をせず、又は虚偽の情報を提供した場合には10万円以下の過料に処することとしている。
 また、法務局が保有する実質的支配者情報は、①行政機関が法令で定める事務の遂行上必要な場合、②犯罪収益移転防止法上の特定事業者(金融機関や士業者等、マネロン等対策のために顧客の本人確認などを行う事業者)に限り閲覧が認められることになる。
 そのほか、信託についても、「信託関係当事者」の情報を受託者に保持させる仕組みを導入する。

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