コラム2020年08月10日 かこみコラム 東京高裁も期限後申告は会社と税理士の合意の上と判断(2020年8月10日号・№845)
東京高裁も期限後申告は会社と税理士の合意の上と判断
会社(控訴人)が、税理士(被控訴人)が提出期限内に確定申告書を税務署に提出しなかったことで青色申告の承認取消しを受け、6,264万2,000円の損害を被ったとして委任契約の債務不履行に基づく損害賠償を求めた事件で、東京高等裁判所(野山宏裁判長)は7月29日、会社の控訴を棄却する判決を下した。原審の東京地裁に引き続き、会社側が敗訴した(本誌838号40頁参照)。
本件では、税理士は申告期限前に会社から提供を受けた資料に基づき決算書を一旦完成させたが、決算書の内容には更なる修正の必要があったため、申告期限後に確定申告書を提出することになったもの。前年も申告期限を徒過していたことから、2年連続で申告期限を徒過したことにより青色申告の承認の取消しを受けることになった。
東京地裁では、会社と税理士との間で、青色申告の承認が取り消されることを認識した上で、決算の赤字額を減らすために棚卸資産の修正を加えた決算書を作成し、申告期限後に申告を行うことが合意されたと認めることが合理的であると判断しており、東京高裁でも東京地裁と同様の判断を示している。加えて、東京高裁では、会社が期限内申告をしない旨の合意を確認した書面が存在しないことは、期限内申告をしない旨の了承も存在しないことを裏付けるなどと主張したが、会社の主張を採用するには無理があるとして却下されている。
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