民事2025年09月18日 X、総務省指針に抵触か 悪質投稿の被害申告で 窓口の周知不足も 提供:共同通信社

交流サイト(SNS)事業者に悪質な投稿への迅速な対処を義務付けた情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)を巡り、X(旧ツイッター)が総務省の運用指針に抵触している疑いがあることが17日分かった。削除依頼への「過重な負担」を避けるため、総務省はアカウントを持たない被害者の申告も可能にするよう求めるが、Xはこれに応じていない。申請窓口の周知が不十分との指摘もあり、インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷がやまない中、事業者の姿勢が改めて問われそうだ。
総務省が情プラ法で指定したXの運営会社を含む国内外の9社は被害の申告窓口を設け、削除の可否を7日以内に判断する必要がある。ユーチューブの米グーグルやヤフー知恵袋のLINEヤフーといった各社が法律の期限となる8月末までに体制を整えた。
ただ、Xの窓口は9月17日時点で申告時にアカウントの入力を条件としている。同様の事例はインターネット掲示板「爆サイ.com」でも確認された。
総務省は「被害者の負担が過重かどうかは運営会社の対応状況も含めて総合的に判断する」として、2社の姿勢を注視する構えだ。Xや爆サイの運営元からは取材依頼への回答がない。
2社を含めて申請窓口が見つけづらいとの声もある。場所が分かれば簡単にアクセスはできるものの、複数のサイトで到達方法の案内が行き届いていない。
総務省検討会の構成員を務める増田悦子(ますだ・えつこ)氏(全国消費生活相談員協会の前理事長)は「窓口の存在や制度が知れ渡れば加害の抑止も期待できる」と指摘。「事業者や政府がそれぞれ広報に努めるべきだ」と話している。
情報流通プラットフォーム対処法
交流サイト(SNS)やインターネット掲示板での誹謗(ひぼう)中傷、プライバシーや人権の侵害といった他者の権利を侵す情報に対し、事業者に削除などの適切な対応を義務付ける法律。被害者が投稿者を特定するための開示請求手続きなどを定めた「プロバイダー責任制限法」から名称も改め、4月1日に施行された。大規模な事業者を総務省が指定し、申告窓口の設置や投稿の削除基準の明示、実態を調査する専門人材の配置といった義務を課す。違反した場合の罰則規定もある。
(2025/09/18)
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