医療・薬事2026年06月21日 精神医療弁護士、全国普及 入院患者に無料出張相談 日弁連、人権擁護へ当番制 提供:共同通信社

弁護士が精神科病院の入院患者の元へ出向き、退院希望などの相談に無料で応じる「精神保健当番弁護士」という仕組みを日弁連が47都道府県で整えたことが20日、分かった。1990年代から各地で順次導入され、最後の空白地だった愛媛県で今月1日、運用が始まった。
厚生労働省によると、精神科の入院患者は約27万人。日本の精神医療は長期入院や身体拘束の多さなど国際的に遅れが指摘されており、医療上は必要ないのに受け皿などが整わず退院できない「社会的入院」も残る。相談相手がいない患者は多いとみられ、人権擁護の進展が期待される。
精神保健当番弁護士は、経済的に余裕がないといった人を対象にした日弁連の「法律援助事業」の一つ。弁護士が支払う会費を主な財源とし、公費は入っていない。全国各地の弁護士会で約3千人が登録しているとみられる。
患者が相談する際の流れは、1地元の弁護士会に電話する2当番弁護士が病院に出向き、面会する3患者の希望を病院に伝える。
精神科の入院患者は退院や処遇改善を都道府県や政令指定都市に請求でき、それぞれの「精神医療審査会」が審査する。当番弁護士は患者から依頼があれば、請求の代理人を務める。厚生労働省の研究班の調査によると、2021年度の退院請求の審査では、弁護士が代理人に付いたケースは退院や改善が認められた割合が18・3%と、それ以外に比べ2・4倍高かった。
この仕組みで弁護士が患者の相談を受けたり代理人を務めたりした例は、24年度に約1200件あり、10年間で1・4倍に増えた。ただ、弁護士会の間で態勢には差があり、日弁連は国による制度化や国費の導入を求めている。
(2026/06/21)
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