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一般2026年07月12日 裁判所、一時保護99%許可 運用半年、請求2780件 司法審査「形骸化」指摘も 提供:共同通信社

 虐待が疑われる子どもを親から引き離す一時保護の適否を裁判所が判断する司法審査で、昨年6月の運用開始から半年間に児童相談所が請求した2780件(速報値)の99%が許可されたことが11日、こども家庭庁の調査で分かった。運用実態が明らかになるのは初めてで、専門家は「審査が形骸化しているとの指摘もある。児相の負担も増しており、検証が必要」と話す。
 同庁によると、一時保護は18歳未満が対象の強制措置で、親権者が不同意の場合などに、児相が一時保護状を事前か開始7日以内に請求。裁判所は虐待の恐れがあるなどの要件に当たると判断すれば、明らかに必要がないとした場合を除いて許可し発付する。保護期間は原則2カ月までで、親権者の意向に反し継続する場合は、家庭裁判所の承認が必要となる。
 同庁が11月までの全242児相(12月時点)での運用状況を調べたところ、一時保護が開始されたのは2万2595件で、うち2780件で一時保護状を請求。2775件が認められ、請求が期限後だったなどとして3件が却下、2件が取り下げられた。
 裁判所に提出される親権者と子どもの意見を別途記した「意見書面」は本人作成も可能だが、基本的に児相が聴取してまとめており、保護前後の聴取で不同意だった親権者の75%、子どもの92%は児相が作成していた。
 明星大の川松亮常勤教授(児童福祉)は「児相の裁量のみで可能だったかつての一時保護は親権者らの権利担保が不十分で、第三者の判断が介入することでより良い制度になった」と司法審査を評価。制度導入によって各児相が体制を整え、保護理由を親権者らに丁寧に説明するようになった効果もあると分析する。
 一方で「児相は資料作成などの業務が増え、請求期間もタイト。人員を増やしているが人手は足りていない」と指摘。また「基本的に児相側の書類で判断される構造で、多くが許可されることは想定されていた。親権者と子どもの意見を踏まえた制度になっているか検証していく必要がある」と話した。

 児相、資料作成「負担」 時間的制約、メリットも

 一時保護の司法審査を巡り、こども家庭庁は児童相談所に勤務する児童福祉司への聞き取り調査をしており、当事者からは、時間的制約がある中で裁判所への提出資料を作成することなどが負担になっているとの声が上がった。関係者への対応が丁寧になったというメリットを挙げる意見もあった。
 経験14年の児童福祉司は、裁判所に一時保護状を請求するための親権者特定や戸籍取り寄せ作業、新たな書面作成で負担が増したと強調。発付まで時間がかかるため児相と裁判所を2往復する必要があり、請求は土日祝日を含めて保護から7日以内にする必要があるとして「期間を少し延ばす配慮を」と訴える。
 経験2年の児童福祉司も同じく提出書類作成や親権者特定が負担増になっているといい、外国籍の場合は特定に時間がかかることも。「スケジュール管理に気を使う必要があり、心理的負担が大きい」とし、一時保護状をオンラインで請求できる仕組みを求めた。
 一方で、2人は制度導入によって良い影響もあったとしており「子どもの意見を聞くことが請求プロセスに組み込まれたことで、今まで以上に丁寧にするようになった」「パンフレットを作成し、保護の必要性や流れを視覚的に分かりやすく保護者に伝えられるようになった」と明かした。

 一時保護の司法審査 虐待を受けるなどした子どもを児童相談所が一時保護する際、その適否を裁判所が判断する制度。以前は児相所長らが必要と判断した場合に保護が可能だったが、正当性や透明性を確保する狙いから2025年6月1日に導入された。児相の請求に基づき、裁判所が「虐待を受けたかその恐れがある」「子どもが保護を求めた」などの要件に該当すると判断すれば一時保護状を発付する。

(2026/07/12)

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