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一般2026年08月06日 「当たり前」を言い続ける 「虎に翼」の脚本を手がけた吉田恵里香さん(38) 提供:共同通信社

 NHK連続テレビ小説「虎に翼」、スピンオフドラマ「山田轟法律事務所」の脚本で戦中戦後の市民を描いた。現代の視聴者にも戦争を自分事として考えてもらえるよう意識した。
 物語には、法の下の平等を定めた憲法14条を繰り返し登場させた。「絶対」はなくとも、十分に論じ合わないままに揺らいではいけない「普遍的なこと」は世の中にいっぱいあると思う。
 この1年で、戦争が少しずつ近づいてきている感覚がある。武器輸出解禁や日本国旗損壊罪などがスルッと決まっていった。なぜ今か。議論が尽くされぬまま平和が外堀から崩されるような怖さがあった。戦争は突然始まるものではない。未来から見たら、既にスタートラインを切っているのかもしれない。
 「平和とは何か」と問われると、以前は自由や尊厳、多様な選択肢がある状態を語ったと思うが、今は、誰もが命や生活を脅かされることなく、安心して眠りにつける状態だと答える。まず戦争が起きないこと、その不安を抱えずに暮らせることの重みを強く感じる。「戦争反対」「差別をなくしたい」といった、当たり前のことを言い続けることが大切だ。
 クリエーターが作品以外の発言をすると批判を受ける恐れがある。それでも、発信の機会があるからこそ平和や人権について少しでも考えるきっかけをつくりたい。
 交流サイト(SNS)では極端な意見が目立ちやすいが、世の中はゼロか百かではない。全てで一致しなくても、この問題は同じ意見だ、という緩やかな連帯があっていい。曖昧さを認め合うことも平和の土台だろう。
 戦争を経験した世代が少なくなり、平和を願う声や記録を残していくことが大事。若い世代が、この先も平和な社会で生きていけるように、できることを続けたい。
 ×   ×
 よしだ・えりか 神奈川県出身。「虎に翼」は2027年映画化予定。

(2026/08/06)

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