税務ニュース2004年03月05日 民主党の税制改法律案修正案はこんな内容 「利息控除」「総額表示の義務付け削除」「不動産の譲渡損の損益通算等の廃止を2年間延期」の3本立て
平成16年度税制改正案(所得税法等の一部を改正する法律案)の審議が衆議院財務金融委員会で進められているが、2月27日、衆議院財務金融委員会では、民主党の五十嵐文彦議員が、所得税法等改正案に対する修正案(下記リンク参照)の提案理由を説明した。
民主党提案の修正案が成立する見込みは、議院の構成上ほとんどないが、修正案の内容は、「新しいタイプのローン控除制度(利息控除)の創設」、「消費税の総額表示の義務規定の削除」、「不動産譲渡所得に係る損益通算及び繰越控除制度の廃止時期の(2年間)延期」の3本立てとなっている。
3本立ての内容のうち、内容に馴染みがないのは、「利息控除」である。住宅ローン減税を根本的に見直して、減税対象を自動車ローン、教育ローン等広汎に拡充することとしている。具体的には、次の規定を所得税本法に設け、既存の住宅ローン減税の平成16年からの新規適用分に代替する制度を構築することになる。利息控除は、要するに、既存の所得区分で必要経費とならない借入金の利息等を所得控除の対象にしてしまおうという、これまでにはあまりみられない発想によるものである。用途が限定されないだけに、一定の景気刺激効果は認められるだろう。
総額表示義務付けの削除が民主党修正案の2つ目の内容となっている。具体的には、平成16年4月1日から消費税法に加わる(価格の表示)消費税法第63条の2を削除することを提案している。
外税表示がある程度定着していたことも、総額表示の義務付けにコストが生じることも確かである。また、税理士会等も小売業者の負担増(切り替えコスト・価格転嫁のコスト・納付消費税のコスト)といった観点から、この問題を重視してきた。
一方で、消費税率引上げへの布石などと批判されながらも、総額表示が義務付けられることはかなり周知されてきたものと思われる。施行直前になっての義務付けの廃止は、逆に施策への信頼低下、混乱を引き起こすことのデメリットも考えられる。
衆議院財務金融委員会では、不動産の譲渡損の損益通算等の問題が、集中的に議論されている。特に不利益遡及という点を問題として取り上げている。民主党の修正案では、周知期間の確保の視点から2年間適用を延長し、平成18年1月1日からの土地取引に対して適用することとしている。
所得税法等改正案に対する修正案
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/syuuseian/4_2822.htm
民主党提案の修正案が成立する見込みは、議院の構成上ほとんどないが、修正案の内容は、「新しいタイプのローン控除制度(利息控除)の創設」、「消費税の総額表示の義務規定の削除」、「不動産譲渡所得に係る損益通算及び繰越控除制度の廃止時期の(2年間)延期」の3本立てとなっている。
3本立ての内容のうち、内容に馴染みがないのは、「利息控除」である。住宅ローン減税を根本的に見直して、減税対象を自動車ローン、教育ローン等広汎に拡充することとしている。具体的には、次の規定を所得税本法に設け、既存の住宅ローン減税の平成16年からの新規適用分に代替する制度を構築することになる。利息控除は、要するに、既存の所得区分で必要経費とならない借入金の利息等を所得控除の対象にしてしまおうという、これまでにはあまりみられない発想によるものである。用途が限定されないだけに、一定の景気刺激効果は認められるだろう。
総額表示義務付けの削除が民主党修正案の2つ目の内容となっている。具体的には、平成16年4月1日から消費税法に加わる(価格の表示)消費税法第63条の2を削除することを提案している。
外税表示がある程度定着していたことも、総額表示の義務付けにコストが生じることも確かである。また、税理士会等も小売業者の負担増(切り替えコスト・価格転嫁のコスト・納付消費税のコスト)といった観点から、この問題を重視してきた。
一方で、消費税率引上げへの布石などと批判されながらも、総額表示が義務付けられることはかなり周知されてきたものと思われる。施行直前になっての義務付けの廃止は、逆に施策への信頼低下、混乱を引き起こすことのデメリットも考えられる。
衆議院財務金融委員会では、不動産の譲渡損の損益通算等の問題が、集中的に議論されている。特に不利益遡及という点を問題として取り上げている。民主党の修正案では、周知期間の確保の視点から2年間適用を延長し、平成18年1月1日からの土地取引に対して適用することとしている。
所得税法等改正案に対する修正案
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/syuuseian/4_2822.htm
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