解説記事2005年08月08日 【ニュース特集】 国税庁が平成17年分路線価を公表(2005年8月8日号・№126)
ニュース特集
全圏域で下落率が縮小、地方の下げ止まり傾向が顕著に
国税庁が平成17年分路線価を公表
国税庁は8月1日、平成17年分の路線価等を全国の国税局・税務署において公表した。全国の標準宅地評価基準額の平均額は1m2当たり112千円で、前年比4千円減(-3.4%)となった。平均額は13年連続の下落となったが、下落率の幅が平成5年分以降では最低になるなど、下げ止まりの傾向が見られている。一方、都心部では、東京都が0.4%増、東京都区部が0.9%増になるなど、平成5年分以降では初めて上昇に転じた。都道府県庁所在都市の最高路線価も東京を含む6都市が上昇したのをはじめ、下落幅が軒並み縮小傾向となった。特に、地方圏においては下げ止まり傾向が強まったものと見られている。
居住性や利便性ある都市部で最高路線価が上昇
全国の標準宅地評価基準額の平均額が13年連続で下落したものの、下落率が抑えられた要因の一つに大都市の路線価上昇が考えられる。最高路線価が上昇した都市は、東京、名古屋、福岡、横浜、京都、大阪の6都市。特に顕著な傾向が見られた都市は、「愛・地球博」の開催などで話題の多い名古屋市の9.3%増。昨年は-1.8%と下落した横浜市も4.8%増と復調している。東京(中央区銀座5丁目銀座中央通り)の最高路線価は、9.9%増で15,120千円。同所在地の路線価は、5年連続で上昇している。
国税庁では、「都市部においては、①集客力のある高度商業地区や海外ブランド店舗の立地が進んだ地域、②都市再開発や交通基盤の整備が進み居住性や利便性が向上した地域――などにおいては、最高路線価が上昇あるいは横ばいの傾向が見られる」としている。特に、東京周辺地域では駅周辺などの都市再開発の影響が色濃く表れている。
平成17年分標準宅地の評価基準額の平均額等の状況(圏域別)(1㎡当たり)
地方では下落率が縮小、20%以上下落も2都市に
地方都市において最高路線価が下落した都市が目立つものの、昨年より下落率が縮小した都市が47都市中35都市になっている。また、10%以上下落した都市も昨年の2都市(金沢市、甲府市)から0に減少している。そのほか、下落率が拡大した都市も前年の16都市から6都市(青森、千葉、甲府、高松、大分、宮崎)に大幅減となった。
また、20%以上の下落率を示す都市も昨年の5都市から3都市減少して2都市(秋田市・甲府市)にとどまっている。
地方都市においては、依然として郊外量販店の進出やオフィス需要の低迷などによる駅前商業地の空洞化などの現象が見られるものの、おおむね回復基調にあることが伺える。
特に、徳島市においては、昨年の変動率20.0%減から9.4%減少と著しい下げ止まりを見せた。これは最高路線価の所在地である隣地に現在、平成18年中に完成予定の再開発ビルが建設中であり、その集客力を期待してのものだ。
この状況は、都市部に限らず地方都市においても、再開発事業の影響があったと言えるだろう。
なお、全国の路線価図等については、国税庁のホームページ(http://www.nta.go.jp)に掲載され、8月1日からインターネットにおいて閲覧することができる。

路線価とは
主要道路に面した1平方メートル当たりの土地評価額のこと。国土交通省が1月1日を評価時点として毎年公表する「公示地価」の8割程度を目安に、相続税及び贈与税の課税における土地等の評価額の基準とするために、国税庁が算出するもの。実際の売買実例や不動産鑑定士の評価なども参考にされる。
路線価日本一となった東京・銀座の鳩居堂前
インターネットで路線価を見てみよう

国税庁では、路線価図等について同庁のホームページに掲載しており、8月1日からインターネットで閲覧ができる。
路線価図等は、平成13年10月から同庁のホームページに掲載され、現在は、平成15年、16年、17年分について閲覧が可能になっている。昨年、16年分の路線価等を公開した際は、1日平均で約21,000件アクセスがあり、15年の公開直後と比較して約2倍に増加した。
また、全国の国税局・税務署では、CD-ROMによる閲覧等もできる。
国税庁のホームページアドレス http://www.nta.go.jp
平成17年分都道府県庁所在都市の最高路線価 (1㎡当たり)
(注)名古屋市は、最高路線価の所在地を変更した。
全圏域で下落率が縮小、地方の下げ止まり傾向が顕著に
国税庁が平成17年分路線価を公表
国税庁は8月1日、平成17年分の路線価等を全国の国税局・税務署において公表した。全国の標準宅地評価基準額の平均額は1m2当たり112千円で、前年比4千円減(-3.4%)となった。平均額は13年連続の下落となったが、下落率の幅が平成5年分以降では最低になるなど、下げ止まりの傾向が見られている。一方、都心部では、東京都が0.4%増、東京都区部が0.9%増になるなど、平成5年分以降では初めて上昇に転じた。都道府県庁所在都市の最高路線価も東京を含む6都市が上昇したのをはじめ、下落幅が軒並み縮小傾向となった。特に、地方圏においては下げ止まり傾向が強まったものと見られている。
居住性や利便性ある都市部で最高路線価が上昇
全国の標準宅地評価基準額の平均額が13年連続で下落したものの、下落率が抑えられた要因の一つに大都市の路線価上昇が考えられる。最高路線価が上昇した都市は、東京、名古屋、福岡、横浜、京都、大阪の6都市。特に顕著な傾向が見られた都市は、「愛・地球博」の開催などで話題の多い名古屋市の9.3%増。昨年は-1.8%と下落した横浜市も4.8%増と復調している。東京(中央区銀座5丁目銀座中央通り)の最高路線価は、9.9%増で15,120千円。同所在地の路線価は、5年連続で上昇している。
国税庁では、「都市部においては、①集客力のある高度商業地区や海外ブランド店舗の立地が進んだ地域、②都市再開発や交通基盤の整備が進み居住性や利便性が向上した地域――などにおいては、最高路線価が上昇あるいは横ばいの傾向が見られる」としている。特に、東京周辺地域では駅周辺などの都市再開発の影響が色濃く表れている。
平成17年分標準宅地の評価基準額の平均額等の状況(圏域別)(1㎡当たり)
区 分 | 評価基準額の平均額 | 変動率 | ||||||
平成17年分 | 平成16年分 | 平成17年分 | 平成16年分 | |||||
全国 | 千円 112 | 千円 116 | % ▲3.4 | % ▲5.0 | ||||
東京圏 | 256 | 258 | ▲0.8 | ▲2.7 | ||||
東京都 | 460 | 458 | 0.4 | ▲1.5 | ||||
都区部 | 593 | 588 | 0.9 | ▲1.0 | ||||
神奈川県 | 166 | 173 | ▲4.0 | ▲5.5 | ||||
埼玉県 | 116 | 120 | ▲3.3 | ▲4.8 | ||||
千葉県 | 96 | 100 | ▲4.0 | ▲6.5 | ||||
大阪圏 | 148 | 155 | ▲4.5 | ▲7.7 | ||||
大阪府 | 164 | 172 | ▲4.7 | ▲8.0 | ||||
兵庫県 | 148 | 154 | ▲3.9 | ▲7.8 | ||||
京都府 | 148 | 154 | ▲3.9 | ▲7.2 | ||||
奈良県 | 60 | 64 | ▲6.3 | ▲8.6 | ||||
名古屋圏 | 92 | 94 | ▲2.1 | ▲6.0 | ||||
愛知県 | 96 | 99 | ▲3.0 | ▲5.7 | ||||
地方圏 | 52 | 56 | ▲7.1 | ▲8.2 |
地方では下落率が縮小、20%以上下落も2都市に
地方都市において最高路線価が下落した都市が目立つものの、昨年より下落率が縮小した都市が47都市中35都市になっている。また、10%以上下落した都市も昨年の2都市(金沢市、甲府市)から0に減少している。そのほか、下落率が拡大した都市も前年の16都市から6都市(青森、千葉、甲府、高松、大分、宮崎)に大幅減となった。
また、20%以上の下落率を示す都市も昨年の5都市から3都市減少して2都市(秋田市・甲府市)にとどまっている。
地方都市においては、依然として郊外量販店の進出やオフィス需要の低迷などによる駅前商業地の空洞化などの現象が見られるものの、おおむね回復基調にあることが伺える。
特に、徳島市においては、昨年の変動率20.0%減から9.4%減少と著しい下げ止まりを見せた。これは最高路線価の所在地である隣地に現在、平成18年中に完成予定の再開発ビルが建設中であり、その集客力を期待してのものだ。
この状況は、都市部に限らず地方都市においても、再開発事業の影響があったと言えるだろう。
なお、全国の路線価図等については、国税庁のホームページ(http://www.nta.go.jp)に掲載され、8月1日からインターネットにおいて閲覧することができる。

路線価とは
主要道路に面した1平方メートル当たりの土地評価額のこと。国土交通省が1月1日を評価時点として毎年公表する「公示地価」の8割程度を目安に、相続税及び贈与税の課税における土地等の評価額の基準とするために、国税庁が算出するもの。実際の売買実例や不動産鑑定士の評価なども参考にされる。

インターネットで路線価を見てみよう

国税庁では、路線価図等について同庁のホームページに掲載しており、8月1日からインターネットで閲覧ができる。
路線価図等は、平成13年10月から同庁のホームページに掲載され、現在は、平成15年、16年、17年分について閲覧が可能になっている。昨年、16年分の路線価等を公開した際は、1日平均で約21,000件アクセスがあり、15年の公開直後と比較して約2倍に増加した。
また、全国の国税局・税務署では、CD-ROMによる閲覧等もできる。
国税庁のホームページアドレス http://www.nta.go.jp
平成17年分都道府県庁所在都市の最高路線価 (1㎡当たり)
国税局 | 都市名 | 最高路線価の所在地 | 最高路線価 | 変動率 | ||
平成17年分 | 平成16年分 | 平成17年分 | 平成16年分 | |||
札幌 | 札幌 | 中央区南1条西3丁目 南1条通り | 千円 1,790 | 千円 1,790 | % 0.0 | % 0.0 |
仙台 | 青森 | 新町1丁目 新町通り | 295 | 350 | ▲15.7 | ▲14.6 |
盛岡 | 大通2丁目 大通り | 450 | 480 | ▲6..3 | ▲9.4 | |
仙台 | 青葉区中央1丁目 青葉通り | 1,370 | 1,460 | ▲6.2 | ▲8.8 | |
秋田 | 中通2丁目 秋田駅前通り | 280 | 370 | ▲24.3 | ▲24.5 | |
山形 | 香澄町1丁目 山形駅前大通り | 255 | 290 | ▲12.1 | ▲17.1 | |
福島 | 栄町 福島駅前通り | 235 | 265 | ▲11.3 | ▲17.2 | |
関東信越 | 水戸 | 宮町1丁目 水戸駅北口ロータリー | 410 | 480 | ▲14.6 | ▲20.0 |
宇都宮 | 馬場通り2丁目 大通り | 440 | 530 | ▲17.0 | ▲17.2 | |
前橋 | 本町 2丁目 本町通り | 235 | 290 | ▲19.0 | ▲19.4 | |
さいたま | 大宮区桜木町2丁目 大宮駅西口駅前ロータリー | 1,840 | 1,900 | ▲3.2 | ▲6.4 | |
新潟 | 東大通1丁目 新潟駅前通り | 540 | 630 | ▲14.3 | ▲14.9 | |
長野 | 大字南長野 長野駅前通り | 450 | 490 | ▲8.2 | ▲14.0 | |
東京 | 千葉 | 中央区富士見2丁目 千葉駅側通り | 1,320 | 1,360 | ▲2.9 | ▲2.2 |
東京 | 中央区銀座5丁目 銀座中央通り | 15,120 | 13,760 | 9.9 | 8.2 | |
横浜 | 西区南幸1丁目 横浜駅西口バスターミナル前通り | 3,470 | 3,310 | 4.8 | ▲1.8 | |
甲府 | 丸の内1丁目 甲府駅前通り | 390 | 520 | ▲25.0 | ▲21.2 | |
金沢 | 富山 | 桜町1丁目 駅前広場通り | 440 | 500 | ▲12.0 | ▲16.7 |
金沢 | 香林坊1丁目 百万石通り | 560 | 620 | ▲9.7 | ▲15.1 | |
福井 | 中央1丁目 駅前電車通り | 360 | 430 | ▲16.3 | ▲18.9 | |
名古屋 | 岐阜 | 神田町9丁目 長良橋通り | 420 | 460 | ▲8.7 | ▲13.2 |
静岡 | 紺屋町 紺屋町名店街呉服町通り | 910 | 940 | ▲3.2 | ▲10.5 | |
名古屋 | 中村区名駅1丁目 名駅通り | 3,640 | 3,330 | 9.3 | 1.5 | |
津 | 羽所町 津停車場線通り | 210 | 230 | ▲8.7 | ▲9.8 | |
大阪 | 大津 | 春日町 JR大津駅前通り | 200 | 210 | ▲4.8 | ▲10.6 |
京都 | 下京区四条通寺町東入2丁目御旅町 四条通 | 1,730 | 1,670 | 3.6 | 0.0 | |
大阪 | 北区角田町 御堂筋 | 4,160 | 4,080 | 2.0 | 0.0 | |
神戸 | 中央区三宮町1丁目 三宮センター街 | 1,790 | 1,860 | ▲3.8 | ▲5.1 | |
奈良 | 東向中町 大宮通 | 540 | 570 | ▲5.3 | ▲9.5 | |
和歌山 | 友田町5丁目 JR和歌山駅前 | 430 | 460 | ▲6.5 | ▲8.0 | |
広島 | 鳥取 | 栄町 若桜街道通り | 270 | 320 | ▲15.6 | ▲17.9 |
松江 | 朝日町 松江駅前通り | 285 | 350 | ▲18.6 | ▲20.5 | |
岡山 | 本町 市役所筋 | 980 | 1,000 | ▲2.0 | ▲4.8 | |
広島 | 中区基町 相生通り | 1,610 | 1,680 | ▲4.2 | ▲8.2 | |
山口 | 米屋町 米屋町商店街通り | 145 | 160 | ▲9.4 | ▲15.8 | |
高松 | 徳島 | 元町1丁目 元町通り | 580 | 640 | ▲9.4 | ▲20.0 |
高松 | 兵庫町 中央通り | 460 | 560 | ▲17.9 | ▲17.6 | |
松山 | 湊町5丁目 伊予鉄松山市駅前通り | 740 | 760 | ▲2.6 | ▲5.0 | |
高知 | 帯屋町1丁目 帯屋町筋 | 420 | 490 | ▲14.3 | ▲18.3 | |
福岡 | 福岡 | 中央区天神2丁目 渡辺通り | 3,430 | 3,240 | 5.9 | 3.2 |
佐賀 | 中央本町 中央大通り | 240 | 275 | ▲12.7 | ▲14.1 | |
長崎 | 浜町 浜の町商店街アーケード街 | 960 | 1,030 | ▲6.8 | ▲11.2 | |
熊本 | 熊本 | 手取本町 下通り | 1,480 | 1,570 | ▲5.7 | ▲6.0 |
大分 | 府内町1丁目 中央通り | 580 | 620 | ▲6.5 | ▲6.1 | |
宮崎 | 橘通西3丁目 橘通り | 400 | 480 | ▲16.7 | ▲12.7 | |
鹿児島 | 東千石町 天文館電車通り | 910 | 970 | ▲6.2 | ▲7.6 | |
沖縄 | 那覇 | 久茂地3丁目 国際通り | 530 | 560 | ▲5.4 | ▲9.7 |
(注)名古屋市は、最高路線価の所在地を変更した。
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