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税務ニュース2004年05月03日 第二次納税義務者の不服申立期間は納付告知から2ヶ月間(2004年5月3日号・№065) 憲法上の裁判を受ける権利は実質的な起算日によると判示

第二次納税義務者の不服申立期間は納付告知から2ヶ月間
憲法上の裁判を受ける権利は実質的な起算日によると判示


 東京地裁民事第3部(藤山雅行裁判長)は平成16年1月22日、原告が第二次納税義務納付告知を受けた日から2ヶ月以内である日に、東京国税局長に対して異議申立てをしたが、不服申立期間経過を理由として異議申立てを却下されたため、国税不服審判所長に対して審査請求をしたところ、適法な異議申立てを経ないことを理由に、審査請求を却下する旨の裁決をされたことから、同裁決は違法なものであるとして、その裁決の取消を求めていた事件に対して請求認容の判決を言い渡した。

原告の請求を全面的に容認
 争点は、本件異議申立てが国税通則法77条1項所定の不服申立期間内にされたものと認められるか否か、その前提として、第二次納税義務者が主たる課税処分についての不服申立てをする場合の不服申立期間の起算日をいつと解すべきかということだった。
 判決では、「第二次納税義務者が、本来の納税義務者に対する課税処分についての不服申立期間までも代理するものと言い切るのは難しいといわざるを得ない。第二次納税義務者は、本来の課税処分の取消訴訟等において争う利益を有し、その機会を実質的なものとしなければ、訴訟手続によりその適否を争う機会を得ないまま、不利益を受けることとなる。そのような事態が生ずることは、憲法上の裁判を受ける権利を奪うものとの疑いも生ずる」として原告の請求を全面的に認容し、国税不服審判所の却下処分を取り消した。

第二次納税義務が発生した日が起算点
 藤山裁判長は、具体的な起算点を「第二次納税義務者が主たる課税処分を知った日の翌日か、第二次納税義務者に納付告知がされ、第二次納税義務が発生した日」とし、原告が第二次納税義務の納付告知を受ける以前に本件課税処分等を知っていたことを認めるに足りる証拠がないことから、第二次納税義務者に納付告知がされ、第二次納税義務が発生した日をもって起算点と解するべきだとした。
 特徴的だったのは、「極端な場合、主たる課税処分の徴収を担当する税務署の長が第二次納税義務の賦課決定時期を恣意的に遅らせることにより、第二次納税義務者の不服申立ての機会を奪うことも可能ということになる」と言及した点だ。また、被告(国税不服審判所)が審査請求を却下した理由としてあげていた「徴税の安定と能率のため」という部分について、「徴税の安定と能率のために、本来可能であるべき不服申立てを行い得なくなることが正当化されるべきものではない」とし、憲法上の裁判を受ける権利を強調した。
 被告(国税不服審判所)は2月4日付けで控訴している。

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