カートの中身空

閲覧履歴

最近閲覧した商品

表示情報はありません

最近閲覧した記事

解説記事2008年02月04日 【ニュース特集】 3月末迄に法案不成立なら、交際費も全額損金算入に(2008年2月4日号・№245)

暫定税率だけではない!繰戻し還付復活、使途秘匿金課税停止……
3月末迄に法案不成立なら、交際費も全額損金算入に
 衆参院での与野党逆転という状況下、道路特定財源に係る暫定税率の期限切れが政治的争点となっているが、平成20年度税制改正法案が3月末までに成立しなかった場合、暫定税率のみならず、交際費が全額損金算入されることになるほか、現在適用が停止されている欠損金の繰戻し還付が復活、使途秘匿金課税も適用停止となる。
 こうしたなか、自民党はいわゆる“60日ルール”を念頭に、1月末までに税制改正法案の強行採決を行うことを視野に入れていたが、最終的には衆議院の議事運営の観点から見送られた模様だ。このため、税制改正法案が3月末までに成立しないという事態は現実味を帯びつつある。
 与党は1月29日、揮発油税などの暫定税率を5月末まで延長する「つなぎ法案」を国会に提出しているが、欠損金の繰戻し還付の停止、交際費課税、使途秘匿金課税については、いずれも期限延長の対象とされていない。つなぎ法案の動向に関わらず、何らかの手当てがなされない限り廃止となる。

現在の国会情勢:「60日ルール」の活用は困難に  政府は1月23日に所得税法等の一部を改正する法律案を国会に提出した。例年は2月上旬の国会提出だっただけに、10日以上も早まった計算だ。
 法案提出を急いだのは、自民党がいわゆる“60日ルール”を念頭に、1月末までに税制改正法案の強行採決を行うことを視野に入れていたからだ。参議院に法案が送られてから60日以内に議決しない場合には、参議院で否決されたものとみなされる(憲法59条4項)。これを“60日ルール”というが、この場合、衆議院で3分の2以上の議席を持つ自民党および公明党は再度、衆議院で税制改正法案を可決することができる(憲法59条2項)。日切れ法案の期限が切れる3月31日から逆算すると、1月末がタイムリミットとなっていた。
 しかし、委員会付託も行わない衆議院本会議での強行採決については、最終的には衆議院の議事運営の観点から見送られた模様だ。このため、現在の衆参ねじれ現象を考えると、3月31日に期限切れとなる交際費の損金不算入措置など、日切れ項目が俄然クローズアップされてくる。

不利益不遡及の原則で、「増税項目」は遡及適用不可の可能性  仮に平成20年度税制改正法案が3月31日までに成立しなかった場合であっても、納税者の税負担を軽減する措置であれば、4月1日以降に成立しても同日に遡って適用ということがあり得る。
 しかし、納税者の税負担を増加させる措置については、3月31日までに成立しなければ、不利益不遡及の原則により、4月1日に遡って適用することは困難と考えられる。
 最近新聞紙上を賑わせている道路特定財源に係る暫定税率がまさにこれに当たるが、これ以外にも、①欠損金の繰戻し還付、②交際費等の損金算入の否認、③使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例は廃止となる可能性がある。
 そうなれば、現在、交際費の損金算入が認められていない大企業においても、全額交際費の損金算入ができることになり、税負担の点でも、実務的にも大きなインパクトがあろう。
 ただし、かつて連結納税関連法案の成立が遅れて遡及適用されたことがあるように、これら増税項目についても遡及適用が行われる可能性も否定はできないので要注意だ。
 企業や実務家は今後の動向に注目する必要がある。

◎日切れ措置一覧

法人税関係租税特別措置
▲試験研究費の増加額に対する税額控除
▲情報基盤強化税制
▲教育訓練費の額に対する法人税額の特別控除制度(人材投資促進税制)
▲エネルギー需給構造改革投資促進税制
▲一般公害防止用設備の特別償却
▲再商品化設備等の特別償却
▲企業年金等の積立金に係る特別法人税の課税停止措置
▲海外投資等損失準備金制度                   
▲金属鉱業等鉱害防止準備金
▲中小企業投資促進税制
▲中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
▲経営革新計画を実施する中小企業者に対する特定同族会社の留保金課税の不適用(減収額3億円)
▲特定電気通信設備の特別償却
▲障害者対応設備等の特別償却
▲特定災害防止準備金
▲NEDO等の所得計算の特例 
▲肉用牛の売却による農業所得の課税の特例   
▲外形標準課税資本割の課税標準の特例
増税項目 ●欠損金の繰戻し還付
●交際費等の損金算入の否認
●使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例(40%上乗税率)

金融・証券税制 ▲上場株式等の譲渡益に係る軽減税率(平成20年12月末)
▲上場株式等の配当に係る軽減税率(平成20年度末期限)
▲非居住者が受け取る民間国外債の利子等に係る非課税措置
▲外国金融機関等との間で行われる債券現先取引に係る利子の非課税措置
▲特別国際金融取引勘定(オフショア勘定)における利子の非課税措置

土地・住宅税制 ▲事業用建築物の耐震改修促進税制
▲新築住宅に係る固定資産税の特例措置
▲住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例措置
▲中心市街地において一定の優良な賃貸住宅を建設する場合の減価償却に係る特例措置
▲土地の所有権移転登記に係る登録免許税の軽減税率
▲農地保有合理化法人が農用地を取得した場合等の所有権移転登記に係る登録免許税の軽減税率
▲漁業協同組合が漁業協同組合連合会から権利義務の承継により不動産等を取得した場合等の所有権移転登記に係る登録免許税の軽減税率
▲特定目的会社が資産流動化計画に基づき特定不動産を取得した場合等の登録免許税の軽減税率
▲優良賃貸住宅の割増償却
▲マンション建替事業に係る登録免許税の特例措置
▲住宅以外の家屋に係る不動産取得税率の経過措置
▲住宅用土地に対する不動産取得税の特例措置を受ける場合の土地取得から新築までの期間要件の特例措置
▲デベロッパー等に対する新築家屋のみなし取得時期に関する不動産取得税の特例措置
▲給与所得者等が使用者から住宅取得資金の貸付け等を受けた場合の特例措置
▲緑資源機構の一定の不動産取得に係る非課税措置
▲埋立地・干拓地の取得に係る非課税措置
▲農林漁業者の共同利用施設の取得に係る特例
▲農用地区域内にある土地の取得に係る特例
▲空港周辺整備機構の土地の取得に係る特例
▲高規格堤防事業に伴う代替家屋の取得に係る特例
▲農地保有合理化法人の特定農地等の取得に係る特例
▲鉄軌道事業者等が既設の駅において実施する駅のバリアフリー化改良工事のために取得する家屋及び償却資産に係る特例
▲軽自動車検査協会の不動産の取得に係る特例
▲マンション建替事業に伴う代替事業用地取得に係る特例
▲PFI法の規定に基づく選定事業者の特定用途港湾施設用の家屋の取得に係る特例
▲土砂災害特別警戒区域内の住宅又は住宅用地の所有者の区域外の住宅又は住宅用地の取得に係る特例
▲PFI法の規定に基づく選定事業者の国立大学の校舎用家屋の取得に係る特例
▲都市再生機構の土地の取得に係る特例
▲農地保有合理化法人が一定の要件を満たした場合の納税義務の免除
▲農地生産法人の贈与税納税猶予の適用対象農地等に係る特例
▲住宅以外の家屋の取得に係る税率の経過措置
▲防災街区整備事業に基づく防災施設建築物に係る特例

登録免許税 ▲産業活力再生特別措置法の認定事業者に係る軽減税率
▲国際船舶の所有権保存登記等に係る軽減税率
▲関西国際空港整備に係る非課税措置
▲農林中金等が行う組織再編によってする登記に係る登録免許税率の軽減税率

酒・たばこ税 ▲地ビールに係る税率の特例期間(減収額4億円)
▲中小醸造業者の製造する清酒等に係る税率の特例期間
▲入国者が輸入するウィスキー等に係る酒税の特例
▲入国者が輸入する紙巻たばこのたばこ税の特例
▲入国者が輸入するウィスキー等又は紙巻たばこに係る消費税の非課税

揮発油税・石油石炭税 ▲揮発油税等の特定用途免税
▲石油化学製品製造用輸入ナフサ等及び農林漁業用輸入A重油の免税措置
▲石油化学製品製造用国産ナフサ等及び農林漁業用国産A重油の還付措置

道路特定財源 ▲揮発油税の暫定税率
▲地方道路税の暫定税率
▲自動車重量税の暫定税率(平成20年4月末)
▲揮発油税・地方道路税の特定用途免税措置    
▲軽油引取税の暫定税率
▲自動車取得税の暫定税率
▲環境負荷の小さい自動車等に係る軽減税率
▲バス運行対策補助金の交付を受けて取得する乗合バスの非課税
▲自動車取得税の免税点に係る特例         
▲低燃費車の取得に係る特例
▲大型ディーゼル車の取得に係る特例

固定資産税 ▲外国貿易船による物品運送用コンテナーに係る特例
▲産業廃棄物処理用施設に係る特例
▲国内航空機に係る特例
▲鉄道事業者等が駅の耐震補強工事により取得する償却資産に係る特例
▲地域エネルギー利用促進設備に係る特例
▲外貿埠頭公社が特定用途港湾施設の用に供する固定資産に係る特例
▲外貿埠頭公社が取得した固定資産に係る特例
▲遺伝子組換え技術等の試験研究に必要な拡散防止装置関連設備等に係る特例
▲地震防災応急計画に基づき取得する償却資産に係る特例
▲JR貨物が取得した新たに製造された車両に係る特例
▲電気通信システム信頼性高度化に必要な電気通信設備に係る課税標準の特例
▲高度通信施設整備事業により新設した電気通信設備に係る特例
▲次世代ブロードバンド基盤を構築する施設に係る特例
▲雨水貯留浸透施設に係る特例
▲地方卸売市場の開設者等が業務の用に供する家屋及び償却資産に係る特例
▲ICTサービスの安全性に必要な電気通信設備に係る特例
▲家畜排泄物の管理を行う施設に係る特例
▲JR貨物が第三セクターから借り受ける線路設備等に係る特例
▲低床型の新造車両に係る特例
▲成田国際空港の固定資産に係る特例
▲広域的処理のための廃棄物処理用施設に係る特例

その他 ▲特定農産加工業者等の経営改善措置のための施設に係る特例
▲移動電話事業者の取得する電気通信事業用施設に係る特例

当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。

週刊T&Amaster 年間購読

お申し込み

新日本法規WEB会員

試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。

週刊T&Amaster無料試読申し込みはこちら

人気記事

人気商品

  • footer_購読者専用ダウンロードサービス
  • footer_法苑WEB
  • footer_裁判官検索