コラム2008年04月14日 【SCOPE】 税理士・税理士法人に対する懲戒処分の考え方を読み解く(2008年4月14日号・№254)

名義貸しの場合は1年以内の税理士業務の停止
税理士・税理士法人に対する懲戒処分の考え方を読み解く

 財務省は3月31日、税理士・税理士法人に対する懲戒処分等の考え方が3月31日に明らかになった(財務省告示第104号)。財務大臣が税理士法の規定に基づき税理士および税理士法人に対する懲戒処分の基準を明確化するもの。昨年12月13日にパブリックコメントを公表していたものだ。国税庁のホームページでは、考え方の全文を掲載しているとともに、懲戒処分を受けた税理士名等も合わせて公表している。

違反行為ごとの懲戒処分等の考え方を示す  税理士法では、懲戒処分として、(1)戒告、(2)1年以内の税理士業務の停止、(3)税理士業務の禁止を規定している(税理士法44条)。これまでは、懲戒処分等の明確な基準は示されていなかった。
 今回、示された懲戒処分等の考え方では、次頁に掲載した違反行為ごとの量定の考え方を基本とし、①行為の性質、態様、効果等、②税理士の行為の前後の態度、③懲戒処分等の処分歴、④選択する処分が他の税理士および社会に与える影響、⑤その他個別事情を総合的に勘案して決定するとしている。また、税理士法人については、前記の内容に加え、内部規律、内部管理の内容等が勘案される。
税理士業務停止期間は1月が単位  2以上の違反行為がある場合には、それぞれの違反行為について算定した量定を合計したものが基本となる。また税理士業務の停止期間は1月を単位としている。
粉飾の税務書類の作成で税理士業務の禁止も  違反行為ごとの懲戒処分等については、たとえば、最も重い処分は、故意に粉飾した税務書類を作成したときなどで、6月以上1年以内の税理士業務の停止または税理士業務の禁止となっている。
 そのほか、信用失墜行為の禁止(税理士法37条)の規定に違反する行為のうち、たとえば、自己脱税の場合は、1年以内の税理士業務の停止または税理士業務の禁止となる。
 また、名義貸しの場合は、名義貸しを受けた者の人数のほか、違反行為の期間、名義貸しを受けた者の関与件数等に応じて、1年以内の税理士業務の停止となっている。
社員の違反行為で税理士法人にも懲戒処分 
 税理士法人の場合については、たとえば、社員税理士が違反行為をしていた場合には、戒告、1年以内の税理士業務の全部もしくは一部の停止または解散の懲戒処分となる。



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