会社法ニュース2004年08月09日 新会社法では機関の選択肢が多様化!(2004年8月9日号・№078) 内部統制システムがビジネスチャンスに!?
新会社法では機関の選択肢が多様化!
内部統制システムがビジネスチャンスに!?
新会社法では機関の選択肢が多様化するのが特徴といえる。それぞれの会社の実情に合わせてもっとも適切な機関を組み合わせて選択することが可能となる。
多様化した機関の選択肢を整理すると…
「要綱案第二次案からわかる範囲で」という条件付であるが、大会社(資本金5億円以上又は負債200億円以上の会社)か否か、大会社以外の場合は会計監査人を設置したか否かの3ケースに分けて、選択しうる機関構造を分類してみた。このほか重要財産委員会制度もあり、機関選択のメニューは多岐にわたるといえる。
内部統制システムの重要性高まる
その他、要綱案では、会計参与制度が登記事項とされる見込み。理由は本誌6月14日号6頁でもお伝えしたとおり。
要綱案第二次案は、機関だけでなく、内部統制システムにも言及しているのが特徴といえる。すなわち、取締役会が設置された株式会社においては内部統制システムの構築の基本方針が取締役会の専決事項とされ、大会社では基本方針の決議が義務付けられることとなった。さらに、当該決議の概要は営業報告書の記載事項とされている。 日本公認会計士協会の藤沼新会長は内部統制に対する検証レポートを監査報酬の値上げの切り札として提案したばかり。商法改正にあわせて、内部統制の構築支援ビジネスが新たなビジネスチャンスとなりそうだ。
会計監査人の責任が厳格化
要綱案第二次案では、会計監査人が登記事項となるとともに、大会社以外の株式会社は定款で会計監査人を設置することが可能となり、みなし大会社の制度は廃止される方針。要綱試案の「連結計算書類作成会社の完全子会社については、大規模な会社であっても会計監査人の設置を強制しない」といった案も削除された。職域が拡大した格好の公認会計士だが、一方で会計監査人は株主代表訴訟の対象とされ、監査を引受けるリスクは増大する結果となった。また、新設された会計参与は、財務諸表に対して、会計監査人という外部の第三者ではなく、内部の作成者として関与するため社外取締役と同様の重い責任を伴うこととなることには注意が必要だ。
大会社以外の場合で会計監査人を設置しないケース(会計監査人の設置は任意)
*1:監査役会の設置は不可。
*2:監査役会を設置することも可。
*3:監査役(会)を選択した上で、会計参与を任意で選択することも可。
*4:指名委員会・監査委員会・報酬委員会・執行役を指す。
内部統制システムがビジネスチャンスに!?
新会社法では機関の選択肢が多様化するのが特徴といえる。それぞれの会社の実情に合わせてもっとも適切な機関を組み合わせて選択することが可能となる。
多様化した機関の選択肢を整理すると…
「要綱案第二次案からわかる範囲で」という条件付であるが、大会社(資本金5億円以上又は負債200億円以上の会社)か否か、大会社以外の場合は会計監査人を設置したか否かの3ケースに分けて、選択しうる機関構造を分類してみた。このほか重要財産委員会制度もあり、機関選択のメニューは多岐にわたるといえる。
内部統制システムの重要性高まる
その他、要綱案では、会計参与制度が登記事項とされる見込み。理由は本誌6月14日号6頁でもお伝えしたとおり。
要綱案第二次案は、機関だけでなく、内部統制システムにも言及しているのが特徴といえる。すなわち、取締役会が設置された株式会社においては内部統制システムの構築の基本方針が取締役会の専決事項とされ、大会社では基本方針の決議が義務付けられることとなった。さらに、当該決議の概要は営業報告書の記載事項とされている。 日本公認会計士協会の藤沼新会長は内部統制に対する検証レポートを監査報酬の値上げの切り札として提案したばかり。商法改正にあわせて、内部統制の構築支援ビジネスが新たなビジネスチャンスとなりそうだ。
会計監査人の責任が厳格化
要綱案第二次案では、会計監査人が登記事項となるとともに、大会社以外の株式会社は定款で会計監査人を設置することが可能となり、みなし大会社の制度は廃止される方針。要綱試案の「連結計算書類作成会社の完全子会社については、大規模な会社であっても会計監査人の設置を強制しない」といった案も削除された。職域が拡大した格好の公認会計士だが、一方で会計監査人は株主代表訴訟の対象とされ、監査を引受けるリスクは増大する結果となった。また、新設された会計参与は、財務諸表に対して、会計監査人という外部の第三者ではなく、内部の作成者として関与するため社外取締役と同様の重い責任を伴うこととなることには注意が必要だ。
大会社以外の場合で会計監査人を設置しないケース(会計監査人の設置は任意)
株主総会 | 取締役・ 取締役会 | 三委員 会等 | 監査役・ 監査役会 | 会計参与 | 会計 監査人 | ||
株式譲渡制限会社 | 万能的(商法230条ノ10の適用なし) | 取締役は一人でも良い | 単独の取締役が業務執行権・代表権をもつ | 設置 不可 | 監査役の設置は任意 (*1) | 会計参与の設置は任意 | 設置せず |
複数の取締役を設置→業務執行の意思決定は取締役の過半数で決する | |||||||
制限的(商法230条ノ10の適用あり) | 取締役会を設置(取締役各自の業務執行権・代表権は喪失) | 監査役(*2、*3)、会計参与のいずれかを選択して設置 | |||||
株式譲渡制限会社以外の会社 | 取締役会を必ず設置(取締役各自の業務執行権・代表権は喪失) | 監査役(*2)を設置 | 会計参与の設置は任意 |
大会社以外の場合で会計監査人を設置するケース(会計監査人の設置は任意)
株主総会 | 取締役・ 取締役会 | 三委員 会等 | 監査役・ 監査役会 | 会計参与 | 会計 監査人 | ||
株式譲渡制限会社 | 万能的(商法230条ノ10の適用なし) | 取締役は一人でも良い | 単独の取締役が業務執行権・代表権をもつ | 設置 不可 | 監査役の設置が必要 (*1) | 会計参与の設置は任意 | 設置 |
複数の取締役を設置→業務執行の意思決定は取締役の過半数で決する | |||||||
制限的(商法230条ノ10の適用あり) | 取締役会を設置(取締役各自の業務執行権・代表権は喪失) | 監査役(*2)・三委員会等(*4)のいずれかを選択して設置 | |||||
株式譲渡制限会社以外の会社 | 取締役会を必ず設置(取締役各自の業務執行権・代表権は喪失) |
大会社の場合(会計監査人の設置は強制)
株主総会 | 取締役・ 取締役会 | 三委員 会等 | 監査役・ 監査役会 | 会計参与 | 会計 監査人 | ||
株式譲渡制限会社 | 万能的(商法230条ノ10の適用なし) | 取締役は一人でも良い | 単独の取締役が業務執行権・代表権をもつ | 設置 不可 | 監査役の設置が必要 (*1) | 会計参与の設置は任意 | 設置が必要 |
複数の取締役を設置→業務執行の意思決定は取締役の過半数で決する | |||||||
制限的(商法230条ノ10の適用あり) | 取締役会を設置(取締役各自の業務執行権・代表権は喪失) | 監査役(*2)・三委員会等(*4)のいずれかを選択して設置 | |||||
株式譲渡制限会社以外の会社 | 取締役会を必ず設置(取締役各自の業務執行権・代表権は喪失) | 監査役会・三委員会等(*4)のいずれかを選択して設置 |
*2:監査役会を設置することも可。
*3:監査役(会)を選択した上で、会計参与を任意で選択することも可。
*4:指名委員会・監査委員会・報酬委員会・執行役を指す。
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