税務ニュース2004年08月23日 相続税の物納申請件数、5年連続減少(2004年8月23日号・№079) 物納申請金額はピーク時の14.8%まで縮小

相続税の物納申請件数、5年連続減少
物納申請金額はピーク時の14.8%まで縮小


 国税庁はこのほど、平成15年度の相続税の物納申請状況等を公表した。物納申請件数は、平成11年度以降5年連続減少し、平成15年度は4,775件(対前年度比83.7%)となっている(表①参照)。平成15年度の物納申請状況は、ピークだった平成4年度と比較して、申請件数は37.4%、金額は14.8%にとどまっている。バブル崩壊後、物納制度による納税が着実に減少していることを改めて確認することができる。
 また、相続税の延納処理状況も同時に公表されている。これによると、平成15年度の延納件数は、8,334件、延納金額は、2,404億円となっている。延納申請は、ピーク時の平成3年以降ほぼ毎年減少し、平成15年度の延納申請状況は、ピークだった平成3年度と比較して、申請件数は17.6%、金額は9.9%にとどまっている。

物納制度とは
 国税は金銭による納付が原則となっているが、相続税については「財産課税」という性格上、延納によっても金銭で納付できない事由があると認められる場合、一定の相続財産そのものをもって税金を納める物納制度が認められている。
 納付できない事由があるかどうかは、貸付金の返還や退職金の給付の確定等、納税者の近い将来における確実と認められる金銭収入をも考慮して判定される。なお、物納ができるのは、金銭で納めることが困難な部分の額に限られ、物納財産の価格は、原則として相続税を計算したときの価格によることとされている。

物納処理状況は順調に推移
 物納処理件数は、平成10年度以降、6,000件台で推移しており、平成15年度は6,260件(対前年比101.0%)と前年度とほぼ横ばいの結果となった(表②参照)。
 なお、平成15年度の処理未済件数は、8,217件で、前年度に比べ、15.3%減少している(表③参照)。

【①申請の状況】※( )内は対前年度比
 
申請件数
金額
H13年度 5,753件(94.3%) 3,261億円(92.9%)
H14年度 5,708件(99.2%)
3,325億円(102.0%)
H15年度 4,775件(83.7%) 2,321億円(69.8%)
【②処理の状況】※( )内は対前年度比
 
申請件数
金額
H13年度 6,569件(100.6%) 4,311億円(91.9%)
H14年度 6,200件(94.4%) 4,053億円(94.0%)
H15年度 6,260件(101.0%) 4,130億円(101.9%)
【③未済の状況】※( )内は対前年度比
 
未済件数
金額
H13年度 10,194件(92.6%) 9,084億円(89.6%)
H14年度 9,702件(95.2%) 8,356億円(92.0%)
H15年度 8,217件(84.7%) 6,547億円(78.4%)

当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。

週刊T&Amaster 年間購読

お申し込み

新日本法規WEB会員

試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。

週刊T&Amaster無料試読申し込みはこちら

人気記事

人気商品

  • footer_購読者専用ダウンロードサービス
  • footer_法苑WEB
  • footer_裁判官検索