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コラム2011年10月10日 【SCOPE】 給与所得控除等見直しでの増収分を財源措置として活用(2011年10月10日号・№422)

民主党、復興財源の税制措置(要綱)が明らかに
給与所得控除等見直しでの増収分を財源措置として活用

 民主党税制調査会(藤井裕久会長)が「復興財源(B型肝炎対策財源を含む)としての税制措置(要綱)」を取りまとめた。民主党税調では、復興財源のための臨時増税措置として所得税・法人税付加税、たばこ税臨時特別税等を決定したが(本誌421号4頁参照)、今回の「要綱」には、平成23年度税制改正事項である給与所得控除の見直しによる増収分の財源措置としての活用、同じく23年度改正事項である相続税増税・贈与税減税を確実に実施することが明記されている。
 なお、民主党税調が決定した税制措置の増収規模は、国税・地方税で合計11.2兆円程度となるが、「要綱」では、政府与党が税外収入等による財源確保に努めた結果、将来において財源確保額が決定した場合、それ以降の時点で復興財源フレームのなかに織り込むなどとしている。

社保・税一体改革との整理から税目決定  民主党税調が決定した復興財源としての税制措置は、所得税・法人税付加税を中心とするものとなった。この点、「要綱」は、税目の検討において、「今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合う」という「復興の基本方針」の精神によれば消費税が適当との声があったが、最終的に、社会保障・税一体改革との整理の観点から、所得税、法人税を中心とすべきと判断した経緯を明らかにしている。
 そのうえで、所得税付加税、法人税付加税の税率・期間を明示。具体的には、所得税付加税は4.0%(平成25年1月から10年間)、法人税付加税10%(平成24年4月から3年間)としている。また、個人住民税の均等割は、1年につき500円の引上げ(平成26年度分から平成30年度分まで。特別徴収については、平成26年6月から平成31年5月まで)、たばこ臨時特別税は1本1円(平成24年10月から10年間)、地方たばこ税は1本1円(平成24年10月から5年間)としている。
相続税増税+贈与税減税を確実に実施  注目されるのは、「要綱」に平成23年度税制改正事項の取扱いが明記されている点だ。たとえば、給与所得控除等の見直しについては、臨時の税制措置の規模抑制の観点から、その増収分を財源措置として活用(所得税:平成24年から5年間・個人住民税:平成25年度から4年間)するとし、資産課税について相続税増税+贈与税減税を確実に実施するとしている。
増収額は国税10.4兆円、地方税0.8兆円  今回、民主党税調が決定した税制措置での増収規模は、国税で10.4兆円程度(所得税付加税5.5兆円+所得控除等見直し0.7兆円+法人税付加税2.4兆円、たばこ税臨時特別税1.7兆円)、地方税で0.8兆円程度(個人住民税均等割0.15兆円+所得控除等見直し0.2兆円+地方たばこ税0.48兆円)となり、国税・地方税の合計で11.2兆円となる。
 なお、「要綱」には、①政府与党が引き続き税外収入等による財源確保に努め、将来において財源確保額が確定した場合、それ以降の時点で復興財源フレームのなかに織り込むこと、②財源確保額が、財源フレーム見直しによる事業規模の増加額よりも多い場合には、時限的な税制措置を減額することが明記されている。


民主党税調「復興財源(B型肝炎対策財源を含む)としての税制措置(要綱)」の概要

1.所得税
 ・現行の所得税額に対して4.0%の時限的な付加税を創設する。
 ・平成25年1月から平成34年12月までの措置とする。
 ・納税義務者・源泉徴収義務者は所得税の納税義務者・源泉徴収義務者と同じとする。
 ・平成23年度税制改正(給与所得控除等の見直し)による増収分を財源措置として活用する。これらの施行時期は平成24年分からとする。
2.法人税
 ・平成23年度税制改正(法人実効税率の引下げ+課税ベース拡大)の実施とセットで、法人税額に対して10%の時限的な付加税を創設する。
 ・付加税は、平成24年度から平成26年度までの措置とする。
 ・課税標準は法人税額とし、納税義務者は法人税の納税義務者と同じとする。
 ・平成23年度税制改正の施行時期は平成24年度からとする。
3.たばこ税
 ・たばこ税やたばこ特別税と別途に、たばこ1本に対し1円のたばこ臨時特別税を創設する。
 ・課税標準や課税対象、納税義務者などは、現行のたばこ税と同じとする。
 ・平成24年10月から平成34年9月までの措置とする。
4.相続税
 ・平成23年度税制改正(相続税増税十贈与税減税)を確実に実施し、その施行時期は平成24年からとする。
5.個人住民税
 ・現行の個人住民税の均等割の標準税率を時限的に1年につき500円引き上げる。
 ・平成26年度分から平成30年度分までの措置(特別徴収については、平成26年6月から平成31年5月まで)とする。
 ・平成23年度税制改正(給与所得控除等の見直し)による増収分を財源措置として活用する。これらの施行時期は平成25年度分(平成24年分所得)からとする。
6.地方たばこ税
 ・現行の地方たばこ税の税率を、時限的にたばこ1本に対し1円引き上げ、純増分を財源措置として活用する。
 ・平成24年10月から平成29年9月までの措置とする。
7.その他
 ・臨時的な税制措置の趣旨を明確にする観点から、所得税付加税、法人税付加税、たばこ臨時特別税の名称をそれぞれ、「復興特別所得税」(仮称)、「復興特別法人税」(仮称)、「復興特別たばこ税」(仮称)とする。
 ・三党合意等を踏まえ、地球温暖化対策のための税の導入など、上記以外の平成23年度税制改正事項についても与野党協議を行い、その実現を目指す。

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