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コラム2012年04月16日 【税実務Q&A】 相続により財産を取得していない者の生前贈与財産(2012年4月16日号・№447)

税実務Q&A
No.115 資産税>相続税>暦年課税、相続時精算課税
相続により財産を取得していない者の生前贈与財産
 青空税理士法人青山事務所 税理士 小森 直

 平成23年4月に父が死亡しましたが、私は父の死亡に伴う相続財産及びみなし相続財産を一切取得しておらず、遺贈も受けておりません。但し、父の死亡の2年前に父から現金の贈与を受け、暦年課税の対象となっています。また、昨年には父から上場株式の贈与を受け、相続時精算課税の適用を受けています。この場合に、私は相続税の生前贈与加算及び相続時精算課税の加算の適用を受けますか?


1.生前贈与加算の適用の有無について
 相続又は遺贈によって財産を取得した人が、その相続の開始前3年以内にその相続に係る被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合には、その贈与により取得した財産(非課税財産を除きます。)の価額(贈与を受けた時における価額)は相続税の課税価格に加算しなければなりません(相法19)。
 しかし、今回のケースでは相続又は遺贈により財産を取得していません。従って相続税の生前贈与加算の規定の適用はなく、2年前に贈与により取得した現金の価額は相続税の課税価格に加算する必要はありません。
2.相続時精算課税の加算の適用の有無について  生前に被相続人から贈与により取得した財産につき相続時精算課税の適用を受けている者(以下、「相続時精算課税適用者」といいます。)が、その相続時精算課税に係る贈与により取得した財産(以下、「相続時精算課税適用財産」といいます。)の価額は、相続税の課税価格に加算されます(相法21の15①)。従って、被相続人から相続開始前3年以内に贈与により取得した財産以外のものであっても、相続時精算課税適用財産については、相続税の課税価格に加算されることとなります。また、相続時精算課税適用者が、相続又は遺贈により財産を取得しなかった場合であっても被相続人から取得した相続時精算課税適用財産の価額は、相続税の課税価格に加算され、相続税が課税されます(相法21の16①)。なお、相続税の課税価格に加算すべき相続時精算課税適用財産の価額は、相続開始時の価額ではなく、贈与時の価額によります(相基通21の15-2)。
 従って、今回のケースでは昨年に相続時精算課税に係る贈与により取得した上場株式については、贈与時の価額をもって相続税の課税価格に加算され相続税が課税されます。なお、相続時精算課税適用財産の価額を相続税の課税価格に加算した後の課税価格によって算出された相続税額が、相続時精算課税適用財産に係る贈与税額に満たない場合には、その贈与税額のうち相続税額を超える部分の金額については還付されます(相法27③、相法33の2)。

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