解説記事2012年08月06日 【税制改正解説】 平成23年12月・24年度法人税関係の改正について(2・了)(2012年8月6日号・№462)
税制改正解説
平成23年12月・24年度法人税関係の改正について(2・了)
高橋康尚
法人税法関係(24年度改正)(承前)
Ⅰ.適格退職年金契約
(1)一定の閉鎖型の適格退職年金契約についての適格退職年金契約に係る税制上の措置の継続適用 いわゆる閉鎖型の適格退職年金契約で、事業主が存在しないもの又は厚生年金保険未適用事業所の事業主が締結しているものについては、平成24年4月1日以後も適格退職年金契約に係る税制上の措置を継続して適用することとされた(法法附則20④)。
(2)その他 確定給付企業年金等の掛金等の損金算入について、適格退職年金契約の解除により事業主に返還される資産で確定拠出年金の資産管理機関に移換するものに係る措置が除外された(法令135三)。
Ⅱ.収益事業の範囲
収益事業の範囲から除外することとされている小規模企業者等設備導入資金助成法(昭和31年法律第115号)第14条に規定する貸与機関が、同法第2条第6項に規定する設備貸与事業として行う設備の販売業、同条第5項に規定する設備資金貸付事業として行う金銭貸付業及び同条第6項に規定する設備貸与事業として行う設備の貸付業について、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(平成23年法律第37号)による小規模企業者等設備導入資金助成法の改正後も引き続き収益事業の範囲から除外することとされた(法令5①一ロ、三ヌ、四ハ)。
Ⅲ.企業再生関係税制
政府関係金融機関の範囲に、株式会社国際協力銀行が追加された(法令24の2②一)。
Ⅳ.国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入
本制度の適用対象となる国庫補助金等の範囲に、新関西国際空港株式会社の補助金が追加された(法令79四)。
Ⅴ.貸倒引当金
株式会社東日本大震災事業者再生支援機構が、貸倒引当金の繰入額が損金算入できる法人とされた(法令96④十四)。
Ⅵ.その他
1.欠損金の繰越し (1)適格合併等が行われた場合に被合併法人等から合併法人等に引き継がれる欠損金額の帰属する事業年度について、次の改正が行われた(法令112②)。
① 合併法人等の適格合併等の日の属する事業年度がその合併法人等の設立の日の属する事業年度である場合には、被合併法人等の適格合併等の日前9年以内に開始した事業年度で欠損金額が生じた事業年度のうち最も古い事業年度開始の日(以下「被合併法人等9年前事業年度開始日」という。)からその合併法人等の設立の日の前日までの期間をその期間に対応する被合併法人等の事業年度ごとに区分したそれぞれの期間(その設立の日の前日の属する期間にあっては、その被合併法人等のその前日の属する事業年度開始の日からその前日までの期間)を合併法人等のそれぞれの事業年度とみなして引き継がれる欠損金の帰属する事業年度とすることが明確化された。
② 合併法人等の適格合併等の日の属する事業年度がその合併法人等の設立の日の属する事業年度である場合において、被合併法人等9年前事業年度開始日がその設立の日以後であるときは、その合併法人等の設立の日の前日の属するその被合併法人等の事業年度開始の日からその合併法人等の設立の日の前日までの期間をその合併法人等の事業年度とみなして引き継がれる欠損金の帰属する事業年度とすることが明確化された。
(2)適格合併等が行われた場合に被合併法人等から合併法人等に引き継がれる欠損金額から除かれる金額のうち、支配関係があることとなった日の属する事業年度以後の欠損金額で特定資産譲渡等損失相当額に達するまでの金額の計算について、特定資産譲渡等損失相当額の計算の基礎から除外される「帳簿価額等が1,000万円未満の資産」(法令123の8③四)に該当するかどうかを判定する時点が、支配関係があることとなった日の属する事業年度の開始の日であることが明確化された(法令112⑤一)。合併法人等の欠損金額からないものとされる金額の計算についても同様とされている(法令112⑧)。
2.申告書の添付書類等の書式 減価償却資産及び繰延資産の償却費の計算に関する明細書の書式について、減価償却資産の種類ごとに、かつ、償却の方法の異なるごとに区分したその区分ごとの合計額を記載した書類又は繰延資産の種類ごとに区分したその区分ごとの合計額を記載した書類を仮決算による中間申告書に添付した場合には、法人が保存することとされる明細書については、法人税法施行規則別表16の書式と異なる書式によることができることが明確化された(法規32②ただし書)。仮決算による連結中間申告書についても同様とされている(法規37の9②ただし書)。
また、適格分割等を行った場合の減価償却資産及び繰延資産の期中損金経理額の損金算入に関する届出書のうち期中損金経理額及び償却限度額の明細を法人税法施行規則別表16の書式により記載するときは、減価償却資産の種類ごとに、かつ、償却の方法の異なるごとに区分したその区分ごとの合計額又は繰延資産の種類ごとに区分したその区分ごとの合計額を記載することができることが明確化された(法規27の14)。
租税特別措置法関係(24年度改正)
>>税額控除関係
Ⅰ.エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除(環境関連投資促進税制)
1.即時償却措置の導入 太陽光又は風力の利用に資する機械その他の減価償却資産のうち、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号)の認定発電設備に該当するもので一定の規模以上のものについて、即時償却ができる措置が講じられた。
具体的には、平成24年7月1日から平成25年3月31日までの期間内にその製作又は建設の後、事業の用に供されたことのない太陽光又は風力の利用に資する機械その他の減価償却資産のうち、太陽光を電気に変換する認定発電設備に該当するものでその出力が10キロワット以上である太陽光の利用に著しく資するもの又は風力を電気に変換する認定発電設備に該当するものでその出力が10,000キロワット以上である風力の利用に著しく資するものの取得等をして、その取得等をした日から1年以内に事業の用に供した場合における特別償却限度額は、その取得価額から普通償却限度額を控除した金額に相当する金額とするというものである(措法42の5①、措令27の5①)。
2.対象資産の見直し 上記1の改正に伴い、対象となる新エネルギー利用設備等から太陽光発電設備及び風力発電設備が除外された(措法42の5①一ロ、措令27の5②)。
なお、連結納税制度の場合についても、上記1及び2と同様の改正が行われている(措法68の10①、措令39の40①⑨)。
Ⅱ.中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除(連結:中小連結法人が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除)(中小企業投資促進税制)
1.対象資産の追加 対象資産に製品の品質管理の向上に資する工具、器具及び備品が追加された(措法42の6①一)。
この製品の品質管理の向上に資する工具、器具及び備品とは、測定工具及び検査工具(電気又は電子を利用するものを含む。)並びに試験又は測定機器で、一定の金額以上のものをいう(措令27の6③、措規20の3①一・四⑤)。
2.対象資産の範囲の見直し 器具及び備品のうち事務処理の能率化等に資するデジタル複合機について、その対象範囲から指定期間内の各事業年度において取得又は製作をして指定事業の用に供したものの取得価額の合計額が120万円以上のものが除外された(措規20の3⑤)。
3.適用期限の延長 制度の適用期限が、平成26年3月31日まで2年延長された(措法42の6①、措規20の3⑤⑥)。
なお、連結納税制度の場合についても、上記1から3までと同様の改正が行われている(措法68の11①、措令39の41①、措規22の25①②)
Ⅲ.沖縄の特定地域において工業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除
1.観光振興地域に係る措置 本措置は、観光地形成促進地域に係る措置に改組され(措法42の9①表一、措令27の9①~③、措規20の4①②)、観光振興地域に係る措置は、適用期限(平成24年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法42の9①表一、旧措令27の9①~③、旧措規20の4①②)。
改組後の措置の内容は、概ね観光振興地域に係る措置と同様だが、異なる点は、次のとおりである。
(1)対象となる特定民間観光関連施設 対象となる特定民間観光関連施設のうち次の施設について、次の見直しが行われた。
イ 休養施設
ⅰ 対象に国際健康管理・増進施設が追加された(措規20の4②三)。
ⅱ 温泉保養施設において備えることとされているものから運動室が除外された(措規20の4②三)。
ロ 集会施設
会議場施設から除かれている宿泊の用に供する施設を備えたものが除外された(措規20の4②四)。
(2)適用期間 本措置の適用期間は、観光地形成促進地域を定めた観光地形成促進計画につき沖縄県知事の主務大臣に対する提出のあった日から平成29年3月31日までの期間とされている(措法42の9①、措令27の9①一)。
2.情報通信産業振興地域に係る措置 本措置は、新たな情報通信産業振興地域に係る措置に改組され(措法42の9①表二、措令27の9①②④⑤、措規20の4③④)、従来の情報通信産業振興地域に係る措置は、適用期限(平成24年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法42の9①表二、旧措令27の9①②④⑤、旧措規20の4③④)。
改組後の措置の内容は、概ね従来の情報通信産業振興地域に係る措置と同様だが、異なる点は、次のとおりである。
(1)対象事業 イ 追加
対象に沖縄振興特別措置法第3条第6号に規定するインターネット付随サービス業(以下「インターネット付随サービス業」という。)が追加された(措法42の9①表二2欄、沖振法3六、措令27の9④、沖振令1の2)。
ロ 対象となる情報通信技術利用事業の範囲の拡充
対象となる情報通信技術利用事業に、ビジネス・プロセス・アウトソーシング業が追加された(措法42の9①表二2欄、沖振法3八、措令27の9④、沖振令3一ハ)。
(2)対象となる建物及びその附属設備 上記(1)イの対象事業の追加に伴い、インターネット付随サービス業については、事務所用、作業場用又は研究所用の建物及びその附属設備が対象とされた(措法42の9①表二3欄、措令27の9⑤五)。
(3)適用期間 本措置の適用期間は、情報通信産業振興地域に係る指定の日から平成29年3月31日までの期間とされている(措法42の9①、措令27の9①二)。
3.産業高度化地域に係る措置 本措置は、産業高度化・事業革新促進地域に係る措置に改組され(措法42の9①表三、措令27の9①②⑥⑦、措規20の4⑤)、産業高度化地域に係る措置は、適用期限(平成24年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法42の9①表三、旧措令27の9①②⑥⑦、旧措規20の4⑤)。
改組後の措置の内容は、概ね産業高度化地域に係る措置と同様だが、異なる点は、次のとおりである。
(1)適用対象法人 本措置の適用対象法人は、青色申告書を提出する法人で、沖縄振興特別措置法第35条の3第5項に規定する認定事業者に該当するものに限ることとされている(措法42の9①、沖振法35の3⑤)。
(2)新設又は増設(以下「新増設」という。)をする設備 新増設をする設備は、次のいずれかの規模の設備とされた(措法42の9①、措令27の9②三)。
イ 一の生産等設備で、これを構成する有形減価償却資産の取得価額の合計額が1,000万円を超えるもの
ロ 機械及び装置並びに器具及び備品で、これらの取得価額の合計額が500万円を超えるもの
(3)対象事業 イ 追加
対象に次の事業が追加された(措法42の9①表三2欄、沖振法3十、措令27の9⑥、沖振令4八~十一)。
ⅰ 沖縄振興特別措置法施行令第4条第8号に掲げる電気業(以下「電気業」という。)
ⅱ 商品検査業
ⅲ 計量証明業
ⅳ 沖縄振興特別措置法施行令第4条第11号に掲げる研究開発支援検査分析業(以下「研究開発支援検査分析業」という。)
ロ 除外
対象から次の事業が除外された(旧措令27の9⑥)。
ⅰ 広告代理業
ⅱ ディスプレイ業
(4)対象となる建物及びその附属設備 上記(3)イの対象事業の追加に伴い、次の上記(3)イⅰからⅳまでの事業については、それぞれ次のⅰからⅳまでの建物及びその附属設備が対象とされた(措法42の9①表三3欄、措令27の9⑦)。
ⅰ 電気業 工場用の建物
ⅱ 商品検査業 事務所用又は作業場用の建物
ⅲ 計量証明業 事務所用又は作業場用の建物
ⅳ 研究開発支援検査分析業 事務所用、作業場用又は研究所用の建物
(5)適用期間 本措置の適用期間は、産業高度化・事業革新促進地域を定めた産業高度化・事業革新促進計画につき沖縄県知事の主務大臣に対する提出のあった日から平成29年3月31日までの期間とされている(措法42の9①、措令27の9①三)。
4.自由貿易地域及び特別自由貿易地域に係る措置 本措置は、国際物流拠点産業集積地域に係る措置に改組され(措法42の9①表四、措令27の9①②⑧⑨)、自由貿易地域及び特別自由貿易地域に係る措置は、適用期限(平成24年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法42の9①表四、旧措令27の9①②⑧)。
改組後の措置の内容は、概ね自由貿易地域及び特別自由貿易地域に係る措置と同様だが、異なる点は、次のとおりである。
(1)対象事業 対象に次の事業が追加された(措法42の9①表四2欄、沖振法3十一、措令27の9⑧、沖振令4の2五~七)。
イ 沖縄振興特別措置法施行令第4条の2第5号に掲げる無店舗小売業(以下「無店舗小売業」という。)
ロ 沖縄振興特別措置法施行令第4条の2第6号に掲げる機械等修理業(以下「機械等修理業」という。)
ハ 沖縄振興特別措置法施行令第4条の2第7号に掲げる不動産賃貸業(以下「不動産賃貸業」という。)
(2)対象となる建物及びその附属設備 上記(1)の対象事業の追加に伴い、次の上記(1)イからハまでの事業については、それぞれ次のイからハまでの建物及びその附属設備が対象とされた(措法42の9①表四3欄、措令27の9⑨)。
イ 無店舗小売業 事務所用、作業場用又は倉庫用の建物
ロ 機械等修理業 作業場用又は倉庫用の建物
ハ 不動産賃貸業 倉庫用の建物
(3)適用期間 本措置の適用期間は、国際物流拠点産業集積地域に係る指定の日から平成29年3月31日までの期間とされている(措法42の9①、措令27の9①四)。
5.金融業務特別地区に係る措置 (1)対象事業の範囲の拡充 対象となる金融業務に係る事業における金融業務に、特定の自主規制業務が追加された(措法42の9①表五2欄、沖振法3十四、金融業務事業認定申請等内閣府令1①三)。特定の自主規制業務とは、金融商品取引所の委託を受けて行う金融商品取引法第85条第4項に規定する特定業務をいう。
(2)適用期限の延長 本措置の適用期限が、平成29年3月31日まで5年延長された(措法42の9①、措令27の9①五)。
なお、連結納税制度の場合についても、上記1から5までと同様の改正が行われている(措法68の13①、措令39の43①②、措規22の26①②)。
Ⅳ.その他の税額控除
試験研究費の増加額又は平均売上金額の10%を超える試験研究費の額に係る税額控除制度の適用期限が、平成26年3月31日まで2年延長された(措法42の4⑨、68の9⑨)。
>>特別償却関係
Ⅰ.特定設備等の特別償却
公害防止用設備の特別償却制度について、次の見直しが行われた。
1.対象設備の見直し 対象設備からPCB汚染物等無害化処理用設備及び石綿含有廃棄物等無害化処理用設備が除外された(平24.3.31財務省告示114)。連結納税制度の場合についても同様である。
2.適用期限の延長 制度の適用期限が、平成26年3月31日まで2年延長された(平24.3.31財務省告示114)。連結納税制度の場合についても同様である。
Ⅱ.特定地域における工業用機械等の特別償却
1.産業高度化地域に係る措置 本措置は、産業高度化・事業革新促進地域に係る措置に改組され(措法45①表二、措令28の9①②⑧⑨)、産業高度化地域に係る措置は、適用期限(平成24年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法45①表二、旧措令28の9①②⑧⑨)。
改組後の措置の内容は、概ね産業高度化地域に係る措置と同様だが、異なる点は、次のとおりである。
(1)適用対象法人 本措置の適用対象法人は、青色申告書を提出する法人で、沖縄振興特別措置法第35条の3第5項に規定する認定事業者に該当するものに限ることとされている(措法45①、沖振法35の3⑤)。
(2)対象資産の取得価額の合計額 本措置の対象資産の取得価額の合計額は、20億円を上限とすることとされている(措法45①)。
(3)新設又は増設(以下「新増設」という。)をする設備 新増設をする設備は、次のいずれかの規模の設備とされた(措法45①、措令28の9②二)。
イ 一の生産等設備で、これを構成する有形減価償却資産の取得価額の合計額が1,000万円を超えるもの
ロ 機械及び装置並びに器具及び備品で、これらの取得価額の合計額が500万円を超えるもの
(4)対象事業 イ 追加
対象に次の事業が追加された(措法45①表二2欄、沖振法3十、措令28の9⑧、沖振令4八~十一)。
ⅰ 沖縄振興特別措置法施行令第4条第8号に掲げる電気業(以下「電気業」という。)
ⅱ 商品検査業
ⅲ 計量証明業
ⅳ 沖縄振興特別措置法施行令第4条第11号に掲げる研究開発支援検査分析業(以下「研究開発支援検査分析業」という。)
ロ 除外
対象から次の事業が除外された(旧措令28の9⑧)。
ⅰ 広告代理業
ⅱ ディスプレイ業
(5)対象となる建物及びその附属設備 上記(4)イの対象事業の追加に伴い、次の上記(4)イⅰからⅳまでの事業については、それぞれ次のⅰからⅳまでの建物及びその附属設備が対象とされた(措法45①表二3欄、措令28の9⑨)。
ⅰ 電気業 工場用の建物
ⅱ 商品検査業 事務所用又は作業場用の建物
ⅲ 計量証明業 事務所用又は作業場用の建物
ⅳ 研究開発支援検査分析業 事務所用、作業場用又は研究所用の建物
(6)適用期間 本措置の適用期間は、産業高度化・事業革新促進地域を定めた産業高度化・事業革新促進計画につき沖縄県知事の主務大臣に対する提出のあった日から平成29年3月31日までの期間とされている(措法45①、措令28の9①二)。
2.自由貿易地域及び特別自由貿易地域に係る措置 本措置は、国際物流拠点産業集積地域に係る措置に改組され(措法45①表三、措令28の9①②⑩⑪)、自由貿易地域及び特別自由貿易地域に係る措置は、適用期限(平成24年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法45①表三、旧措令28の9①②⑩)。
改組後の措置の内容は、概ね自由貿易地域及び特別自由貿易地域に係る措置と同様ですが、異なる点は、次のとおりである。
(1)対象資産の取得価額の合計額 本措置の対象資産の取得価額の合計額は、20億円を上限とすることとされている(措法45①)。
(2)対象事業 対象に次の事業が追加された(措法45①表三2欄、沖振法3十一、措令28の9⑩、沖振令4の2五~七)。
イ 沖縄振興特別措置法施行令第4条の2第5号に掲げる無店舗小売業(以下「無店舗小売業」という。)
ロ 沖縄振興特別措置法施行令第4条の2第6号に掲げる機械等修理業(以下「機械等修理業」という。)
ハ 沖縄振興特別措置法施行令第4条の2第7号に掲げる不動産賃貸業(以下「不動産賃貸業」という。)
(3)対象となる建物及びその附属設備 上記(2)の対象事業の追加に伴い、次の上記②イからハまでの事業については、それぞれ次のイからハまでの建物及びその附属設備が対象とされた(措法45①表三3欄、措令28の9⑪)。
イ 無店舗小売業 事務所用、作業場用又は倉庫用の建物
ロ 機械等修理業 作業場用又は倉庫用の建物
ハ 不動産賃貸業 倉庫用の建物
(4)適用期間 本措置の適用期間は、国際物流拠点産業集積地域に係る指定の日から平成29年3月31日までの期間とされている(措法45①、措令28の9①三)。
3.沖縄の離島の地域に係る措置 本措置の適用期限が、平成29年3月31日まで5年延長された(措法45①、措令28の9①四)。
なお、連結納税制度の場合についても、上記1から3までと同様の改正が行われている(措法68の27①、措令39の56)。
Ⅲ.特定再開発建築物等の割増償却
都市再生特別措置法の認定計画に基づく都市再生事業により整備される建築物に係る措置について、対象となる計画に都市再生特別措置法第19条の2第10項の規定により公表された同法第19条の10第2項に規定する整備計画を含めることとされた(措法47の2③二)。
なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の35③二)。
Ⅳ.その他の特別償却
共同利用施設の特別償却制度の適用期限が、平成25年3月31日まで1年延長された(措法44の3①、68の24①)。
>>準備金関係
Ⅰ.関西国際空港整備準備金又は中部国際空港整備準備金〔関西国際空港用地整備準備金〕
本制度における関西国際空港整備準備金に係る措置が改組され、関西国際空港用地整備準備金制度とされた。
改組後の制度は、関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律の指定会社が、適用事業年度において、空港用地整備費用の支出に備えるため、積立限度額以下の金額を関西国際空港用地整備準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額を損金の額に算入することができるというものである(措法57の7①)。
この準備金は、適用事業年度の最後の事業年度後の各事業年度終了の日において、前事業年度から繰り越された金額がある場合には、適用事業年度の最後の事業年度終了の日における関西国際空港用地整備準備金の金額にその各事業年度の月数を乗じてこれを積立期間を勘案して定める期間の月数で除して計算した金額を益金の額に算入することとされている(措法57の7④)。
なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の57)。
また、本制度における中部国際空港整備準備金に係る措置は、中部国際空港整備準備金制度として、引き続き存置されている(措法57の7の2、68の57の2)。
Ⅱ.その他の準備金等
次の1及び2の準備金等の制度について、次のとおり改正が行われた。
1.損金算入限度額のうち所得金額基準の見直し 法人税法の改正により、欠損金の控除限度額が欠損金控除前の所得の金額の80%相当額とされたことを踏まえ、次の制度における損金算入限度額としてその事業年度の所得の金額を計算する場合には、法人税法第57条第1項(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し)、第58条第1項(青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越し)及び第59条第2項(会社更生等による債務免除等があった場合の欠損金の損金算入)の規定の適用については、所要の読替えを行うこととされた。すなわち、これらの制度における損金算入限度額である当期の所得の金額は、欠損金控除後の所得の金額を基礎として計算することとされた。
① 新鉱床探鉱費又は海外新鉱床探鉱費の特別控除(措令35②)
② 農業経営基盤強化準備金(措令37の2②)
③ 農用地等を取得した場合の課税の特例(措令37の3③)
2.適用期限の延長 次の準備金制度の適用期限が、平成26年3月31日まで2年延長された。
① 海外投資等損失準備金(措法55①)
② 金属鉱業等鉱害防止準備金(措法55の5①)
③ 特定災害防止準備金(措法55の6①)
なお、連結納税制度の場合についても、上記1及び2と同様の改正が行われている(措法68の43①、68の44①、68の46①、措令39の89①、39の91②、39の92③)。
>>土地税制関係
Ⅰ.土地の譲渡等がある場合の特別税率
本制度を適用しないこととなる一定のマンション建替事業の用に供するためにそのマンション建替事業の施行者に対して行う土地等の譲渡について、その対象となるマンション建替事業が良好な居住環境の確保に資するものに限定された(措法62の3④九)。連結納税制度の場合についても同様である。
Ⅱ.収用等に伴い代替資産を取得した場合等の課税の特例
(1)平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成23年法律第110号)の制定に伴い、本特例の対象に汚染廃棄物等の処理施設に関する事業により土地等が買い取られる場合が追加された(自動拡充)。
(2)所得税関係の改正において、本特例におけるいわゆる簡易証明制度の対象となる事業の範囲に、国、地方公共団体又は社会福祉法人の設置に係る児童福祉法に規定する児童発達支援センターの用地買収事業が追加された(措規14⑤三イ)。法人税関係においても同様となる(措規22の2④)。
連結納税制度の場合についても上記(1)及び(2)と同様である(措法68の70③、68の71⑭、措規22の64③)。
Ⅲ.特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除(1,500万円特別控除)
1.適用対象の見直し 本特例の適用対象から、一団の住宅建設に関する事業のために土地等が買い取られる場合に係る措置が除外された(旧措法65の4①三、旧措令39の5⑥・⑪、旧措規22の5①五・③)。
2.適用期限の延長 特定の民間住宅地造成事業のために土地等が買い取られる場合に係る措置の適用期限が、平成26年12月31日まで3年延長された(措法65の4①三)。
なお、連結納税制度の場合についても、上記1及び2と同様である(措法68の75①)。
Ⅳ.特定の資産の買換えの場合等の課税の特例
所有期間10年超の長期所有土地等、建物又は構築物から国内にある土地等、建物、構築物又は機械装置等への買換えに係る措置について、その対象となる買換資産について次の見直しが行われた上、その適用期限が平成26年12月31日まで3年延長された(措法65の7①、65の8①、65の9)。
(1)土地(土地の上に存する権利を含む。以下「土地等」という。)の範囲が、次の土地等でその面積が300㎡以上のものに限定された(措法65の7①)。
① 特定施設の敷地の用に供される土地等(その特定施設に係る事業の遂行上必要な駐車場の用に供されるものを含む。)
特定施設とは、事務所、工場、作業場、研究所、営業所、店舗、倉庫、住宅その他これらに類する施設(福利厚生施設に該当するものを除く。)をいう(措令39の7⑧)。
② 駐車場の用に供される土地等(建物又は構築物の敷地の用に供されていないことについてやむを得ない事情があるものに限る。)
(2)貨物鉄道事業用の機関車の範囲から、専ら車両の入換えを行うために使用される機関車(いわゆる入換機関車)が除外された(措令39の7⑧)。
なお、連結納税制度の場合についても、上記と同様の改正が行われている(措法68の78①、68の79①、68の80、措令39の106③、措規22の69②・⑤八)。
Ⅴ.特定駐留軍用地内の土地を譲渡した場合の所得の特別控除(創設)
沖縄県における駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措置法の特定駐留軍用地内の土地を有する法人が、土地の買取りの協議に基づき、その協議を行う地方公共団体等にその土地の譲渡をしたときは、その譲渡は租税特別措置法第65条の2第1項に規定する収用換地等による譲渡に該当するものとみなして、収用換地等の場合の所得の特別控除(5,000万円特別控除)の適用を受けることができることとされた(沖特令63の3①)。
なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(沖特令63の4、沖特規11の4)。
>>その他の特別措置関係
Ⅰ.沖縄の認定法人の所得の特別控除(連結:沖縄の認定法人の連結所得の特別控除)
1.情報通信産業特別地区に係る措置 本措置は、新たな情報通信産業特別地区に係る措置に改組され(措法60①表一)、従来の情報通信産業特別地区に係る措置は、適用期限(平成24年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法60①表一)。
改組後の措置の内容は、概ね従来の情報通信産業特別地区に係る措置と同様だが、異なる点は、次のとおりである。
(1)認定法人 イ 認定に係る要件
情報通信産業特別地区及び特定事業に係るいわゆる「専ら」要件が緩和され、情報通信産業特別地区の区域内において専ら特定事業を行う法人については、情報通信産業特別地区の区域外の事業所における従業員数がその法人の常時使用従業員数の20%又は3人のいずれか多い人数以下である場合には、その事業所においてその法人の特定事業に関連する業務のうち一定のものを行うことができることとされた(沖振法30①、沖振令11②二~四)。
ロ 認定期間
本措置の認定期間は、情報通信産業特別地区に係る指定の日から平成29年3月31日までの期間とされている(措法60①表一上欄)。
(2)特定事業 対象となる特定情報通信事業に、次の事業が追加された(措法60①表一下欄)。
イ バックアップセンター事業(沖振法3七、沖振令2四)
ロ セキュリティーデータセンター事業(沖振法3七、沖振令2五、情報特区事業認定申請等命令1)
(3)所得控除割合 本措置の所得控除割合が、40%とされた(措法60①)。
2.特別自由貿易地域に係る措置 本措置は、国際物流拠点産業集積地域に係る措置に改組され(措法60①表二)、特別自由貿易地域に係る措置は、適用期限(平成24年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法60①表二)。
改組後の措置の内容は、概ね特別自由貿易地域に係る措置と同様だが、異なる点は、次のとおりである。
(1)認定法人 イ 認定に係る要件
国際物流拠点産業集積地域及び特定事業に係るいわゆる「専ら」要件が緩和され、国際物流拠点産業集積地域の区域内において専ら特定事業を行う法人については、国際物流拠点産業集積地域の区域外の事業所における従業員数がその法人の常時使用従業員数の20%又は5人のいずれか多い人数以下である場合には、その事業所においてその法人の特定事業に関連する業務のうち一定のものを行うことができることとされた(沖振法44①、沖振令21②二~六)。
ロ 認定期間
本措置の認定期間は、国際物流拠点産業集積地域に係る指定の日から平成29年3月31日までの期間とされている(措法60①表二上欄)。
(2)特定事業 対象に次の事業が追加され、対象となる特定事業が特定国際物流拠点事業とされた(措法60①表二下欄)。
イ 無店舗小売業(沖振法3十二、沖振令4の3)
ロ 機械等修理業(沖振法3十二、沖振令4の3)
(3)所得控除割合 本措置の所得控除割合が、40%とされた(措法60①)。
3.金融業務特別地区に係る措置
(1)認定法人関係 イ 認定に係る要件の緩和
金融業務特別地区及び特定事業に係るいわゆる「専ら」要件が緩和され、金融業務特別地区の区域内において専ら特定事業を行う法人については、金融業務特別地区の区域外の事業所における従業員数がその法人の常時使用従業員数の20%又は3人のいずれか多い人数以下である場合には、その事業所においてその法人の特定事業に関連する業務のうち一定のものを行うことができることとされた(沖振法56①、沖振令26②五~七)。
ロ 認定期間の延長
本措置の認定期間が、平成29年3月31日まで5年延長された(措法60①表三上欄)。
(2)特定事業の範囲の拡充 対象となる金融業務に係る事業に、特定の自主規制業務が追加された(措法60①表三下欄)。特定の自主規制業務とは、金融商品取引所の委託を受けて行う金融商品取引法第85条第4項に規定する特定業務をいう。
(3)所得控除割合の引上げ 本措置の所得控除割合が、40%(改正前:35%)に引き上げられた(措法60①)。
なお、連結納税制度の場合についても、上記1から3までと同様の改正が行われている(措法68の63①⑦、措令39の90①~⑨)
Ⅱ.その他
(1)次のその他の特別措置の適用期限が、平成26年3月31日まで2年延長された。
① 交際費等の損金不算入(措法61の4①、68の66①)
② 使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例(措法62①、68の67①)
③ 中小企業者等以外の法人の欠損金の繰戻しによる還付の不適用(連結:中小企業者等以外の連結親法人の欠損金の繰戻しによる還付の不適用)(措法66の13①、68の98①)
④ 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(連結:中小連結法人等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)(措法67の5①、68の102の2①)。
(2)次の制度について、所要の経過措置を講じた上、廃止することとされた。
① 沖縄の特定中小企業者が経営革新設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除(旧措法42の10、68の14)
② 経営基盤強化計画を実施する指定中小企業者の機械等の割増償却(旧措法46、68の30)
③ 社会・地域貢献準備金(旧措法57の9、68の58の2)
④ 適格退職年金契約に係る退職年金等積立金の額の計算の特例(旧措法68の5)
震災税特法関係(24年度改正)
Ⅰ.福島復興再生特別措置法の制定に伴う措置
1.福島復興再生特別措置法の特例による復興産業集積区域に係る措置 福島復興再生特別措置法において、東日本大震災復興特別区域法の特例が定められ、地方公共団体が復興産業集積区域に係る課税の特例を含む復興推進計画を作成するための要件が緩和された(福島特措法51、52)。これにより、福島県の全ての地方公共団体は、復興産業集積区域に係る課税の特例を含む復興推進計画を作成し、その認定を受けることができるようになったので、東日本大震災復興特別区域法の認定復興推進計画に基づき適用することができる次の制度について、その適用対象に、こうした福島復興再生特別措置法の規定により福島県の地方公共団体が策定し、認定を受けた課税の特例を含む復興推進計画に基づくものが追加された。
① 復興産業集積区域等において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度(震災税特法17の2、25の2)
(注)産業集積事業の用に供する機械及び装置に係る即時償却制度の適用期限が、これらの法人については平成28年3月31日とされている(震災税特法17の2⑤、25の2⑤)。
② 復興産業集積区域において被災雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除制度(震災税特法17の3、25の3)
③ 復興産業集積区域における開発研究用資産の特別償却制度等(震災税特法17の5、25の5)
④ 再投資等準備金制度及び再投資設備等を取得した場合の特別償却制度(震災税特法18の3、18の4、26の3、26の4)
2.避難解除区域に係る措置 (1)避難解除区域において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度の創設 この制度は、福島復興再生特別措置法の規定により福島県知事の確認を受けた法人が、避難解除区域に係る避難等指示が解除された日から同日以後5年を経過する日までの間に減価償却資産の取得等をしてその避難解除区域内においてその法人の事業の用に供した場合には、その供用年度においてその減価償却資産の取得価額から普通償却限度額を控除した金額(建物等については、取得価額の25%相当額)の特別償却と取得価額の15%(建物等については、8%)相当額の税額控除(特別控除税額については当期の法人税額の20%を限度とし、控除限度超過額については4年間の繰越しができる。)との選択適用を行うことができるというものである(震災税特法17の2の2)。
連結納税制度の場合についても、同様の措置が講じられている(震災税特法25の2の2)。
(2)避難解除区域において避難対象雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除制度の創設 この制度は、避難解除区域に係る避難等指示が解除された日から同日以後3年を経過する日までの間に福島復興再生特別措置法の規定により福島県知事の確認を受けた法人が、適用期間(その確認を受けた日から同日以後5年を経過する日までの期間)内の日を含む各事業年度の適用期間内において、その避難解除区域内に所在する事業所に勤務する避難対象雇用者等に対して給与等を支給する場合には、その支給する給与等の額の20%の税額控除(当期の法人税額の20%を限度とする。)を行うことができるというものである(震災税特法17の3の2)。
連結納税制度の場合についても、同様の措置が講じられている(震災税特法25の3の2)。
Ⅱ.被災法人について債務免除等があった場合の欠損金の損金算入の特例の創設
この制度は、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法に規定する買取決定に係る債権の債務者である法人又は同法に規定する産業復興機構の組合財産である債権の債務者である法人について債務処理に関する計画が策定された場合には、法人税法第59条第2項の規定により期限切れの欠損金を損金の額に算入することができるというものである(震災税特法17)。
連結納税制度の場合についても、同様の措置が講じられている(震災税特法25)。
平成23年12月・24年度法人税関係の改正について(2・了)
高橋康尚
法人税法関係(24年度改正)(承前)
Ⅰ.適格退職年金契約
(1)一定の閉鎖型の適格退職年金契約についての適格退職年金契約に係る税制上の措置の継続適用 いわゆる閉鎖型の適格退職年金契約で、事業主が存在しないもの又は厚生年金保険未適用事業所の事業主が締結しているものについては、平成24年4月1日以後も適格退職年金契約に係る税制上の措置を継続して適用することとされた(法法附則20④)。
(2)その他 確定給付企業年金等の掛金等の損金算入について、適格退職年金契約の解除により事業主に返還される資産で確定拠出年金の資産管理機関に移換するものに係る措置が除外された(法令135三)。
Ⅱ.収益事業の範囲
収益事業の範囲から除外することとされている小規模企業者等設備導入資金助成法(昭和31年法律第115号)第14条に規定する貸与機関が、同法第2条第6項に規定する設備貸与事業として行う設備の販売業、同条第5項に規定する設備資金貸付事業として行う金銭貸付業及び同条第6項に規定する設備貸与事業として行う設備の貸付業について、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(平成23年法律第37号)による小規模企業者等設備導入資金助成法の改正後も引き続き収益事業の範囲から除外することとされた(法令5①一ロ、三ヌ、四ハ)。
Ⅲ.企業再生関係税制
政府関係金融機関の範囲に、株式会社国際協力銀行が追加された(法令24の2②一)。
Ⅳ.国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入
本制度の適用対象となる国庫補助金等の範囲に、新関西国際空港株式会社の補助金が追加された(法令79四)。
Ⅴ.貸倒引当金
株式会社東日本大震災事業者再生支援機構が、貸倒引当金の繰入額が損金算入できる法人とされた(法令96④十四)。
Ⅵ.その他
1.欠損金の繰越し (1)適格合併等が行われた場合に被合併法人等から合併法人等に引き継がれる欠損金額の帰属する事業年度について、次の改正が行われた(法令112②)。
① 合併法人等の適格合併等の日の属する事業年度がその合併法人等の設立の日の属する事業年度である場合には、被合併法人等の適格合併等の日前9年以内に開始した事業年度で欠損金額が生じた事業年度のうち最も古い事業年度開始の日(以下「被合併法人等9年前事業年度開始日」という。)からその合併法人等の設立の日の前日までの期間をその期間に対応する被合併法人等の事業年度ごとに区分したそれぞれの期間(その設立の日の前日の属する期間にあっては、その被合併法人等のその前日の属する事業年度開始の日からその前日までの期間)を合併法人等のそれぞれの事業年度とみなして引き継がれる欠損金の帰属する事業年度とすることが明確化された。
② 合併法人等の適格合併等の日の属する事業年度がその合併法人等の設立の日の属する事業年度である場合において、被合併法人等9年前事業年度開始日がその設立の日以後であるときは、その合併法人等の設立の日の前日の属するその被合併法人等の事業年度開始の日からその合併法人等の設立の日の前日までの期間をその合併法人等の事業年度とみなして引き継がれる欠損金の帰属する事業年度とすることが明確化された。
(2)適格合併等が行われた場合に被合併法人等から合併法人等に引き継がれる欠損金額から除かれる金額のうち、支配関係があることとなった日の属する事業年度以後の欠損金額で特定資産譲渡等損失相当額に達するまでの金額の計算について、特定資産譲渡等損失相当額の計算の基礎から除外される「帳簿価額等が1,000万円未満の資産」(法令123の8③四)に該当するかどうかを判定する時点が、支配関係があることとなった日の属する事業年度の開始の日であることが明確化された(法令112⑤一)。合併法人等の欠損金額からないものとされる金額の計算についても同様とされている(法令112⑧)。
2.申告書の添付書類等の書式 減価償却資産及び繰延資産の償却費の計算に関する明細書の書式について、減価償却資産の種類ごとに、かつ、償却の方法の異なるごとに区分したその区分ごとの合計額を記載した書類又は繰延資産の種類ごとに区分したその区分ごとの合計額を記載した書類を仮決算による中間申告書に添付した場合には、法人が保存することとされる明細書については、法人税法施行規則別表16の書式と異なる書式によることができることが明確化された(法規32②ただし書)。仮決算による連結中間申告書についても同様とされている(法規37の9②ただし書)。
また、適格分割等を行った場合の減価償却資産及び繰延資産の期中損金経理額の損金算入に関する届出書のうち期中損金経理額及び償却限度額の明細を法人税法施行規則別表16の書式により記載するときは、減価償却資産の種類ごとに、かつ、償却の方法の異なるごとに区分したその区分ごとの合計額又は繰延資産の種類ごとに区分したその区分ごとの合計額を記載することができることが明確化された(法規27の14)。
租税特別措置法関係(24年度改正)
>>税額控除関係
Ⅰ.エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除(環境関連投資促進税制)
1.即時償却措置の導入 太陽光又は風力の利用に資する機械その他の減価償却資産のうち、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号)の認定発電設備に該当するもので一定の規模以上のものについて、即時償却ができる措置が講じられた。
具体的には、平成24年7月1日から平成25年3月31日までの期間内にその製作又は建設の後、事業の用に供されたことのない太陽光又は風力の利用に資する機械その他の減価償却資産のうち、太陽光を電気に変換する認定発電設備に該当するものでその出力が10キロワット以上である太陽光の利用に著しく資するもの又は風力を電気に変換する認定発電設備に該当するものでその出力が10,000キロワット以上である風力の利用に著しく資するものの取得等をして、その取得等をした日から1年以内に事業の用に供した場合における特別償却限度額は、その取得価額から普通償却限度額を控除した金額に相当する金額とするというものである(措法42の5①、措令27の5①)。
2.対象資産の見直し 上記1の改正に伴い、対象となる新エネルギー利用設備等から太陽光発電設備及び風力発電設備が除外された(措法42の5①一ロ、措令27の5②)。
なお、連結納税制度の場合についても、上記1及び2と同様の改正が行われている(措法68の10①、措令39の40①⑨)。
Ⅱ.中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除(連結:中小連結法人が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除)(中小企業投資促進税制)
1.対象資産の追加 対象資産に製品の品質管理の向上に資する工具、器具及び備品が追加された(措法42の6①一)。
この製品の品質管理の向上に資する工具、器具及び備品とは、測定工具及び検査工具(電気又は電子を利用するものを含む。)並びに試験又は測定機器で、一定の金額以上のものをいう(措令27の6③、措規20の3①一・四⑤)。
2.対象資産の範囲の見直し 器具及び備品のうち事務処理の能率化等に資するデジタル複合機について、その対象範囲から指定期間内の各事業年度において取得又は製作をして指定事業の用に供したものの取得価額の合計額が120万円以上のものが除外された(措規20の3⑤)。
3.適用期限の延長 制度の適用期限が、平成26年3月31日まで2年延長された(措法42の6①、措規20の3⑤⑥)。
なお、連結納税制度の場合についても、上記1から3までと同様の改正が行われている(措法68の11①、措令39の41①、措規22の25①②)
Ⅲ.沖縄の特定地域において工業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除
1.観光振興地域に係る措置 本措置は、観光地形成促進地域に係る措置に改組され(措法42の9①表一、措令27の9①~③、措規20の4①②)、観光振興地域に係る措置は、適用期限(平成24年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法42の9①表一、旧措令27の9①~③、旧措規20の4①②)。
改組後の措置の内容は、概ね観光振興地域に係る措置と同様だが、異なる点は、次のとおりである。
(1)対象となる特定民間観光関連施設 対象となる特定民間観光関連施設のうち次の施設について、次の見直しが行われた。
イ 休養施設
ⅰ 対象に国際健康管理・増進施設が追加された(措規20の4②三)。
ⅱ 温泉保養施設において備えることとされているものから運動室が除外された(措規20の4②三)。
ロ 集会施設
会議場施設から除かれている宿泊の用に供する施設を備えたものが除外された(措規20の4②四)。
(2)適用期間 本措置の適用期間は、観光地形成促進地域を定めた観光地形成促進計画につき沖縄県知事の主務大臣に対する提出のあった日から平成29年3月31日までの期間とされている(措法42の9①、措令27の9①一)。
2.情報通信産業振興地域に係る措置 本措置は、新たな情報通信産業振興地域に係る措置に改組され(措法42の9①表二、措令27の9①②④⑤、措規20の4③④)、従来の情報通信産業振興地域に係る措置は、適用期限(平成24年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法42の9①表二、旧措令27の9①②④⑤、旧措規20の4③④)。
改組後の措置の内容は、概ね従来の情報通信産業振興地域に係る措置と同様だが、異なる点は、次のとおりである。
(1)対象事業 イ 追加
対象に沖縄振興特別措置法第3条第6号に規定するインターネット付随サービス業(以下「インターネット付随サービス業」という。)が追加された(措法42の9①表二2欄、沖振法3六、措令27の9④、沖振令1の2)。
ロ 対象となる情報通信技術利用事業の範囲の拡充
対象となる情報通信技術利用事業に、ビジネス・プロセス・アウトソーシング業が追加された(措法42の9①表二2欄、沖振法3八、措令27の9④、沖振令3一ハ)。
(2)対象となる建物及びその附属設備 上記(1)イの対象事業の追加に伴い、インターネット付随サービス業については、事務所用、作業場用又は研究所用の建物及びその附属設備が対象とされた(措法42の9①表二3欄、措令27の9⑤五)。
(3)適用期間 本措置の適用期間は、情報通信産業振興地域に係る指定の日から平成29年3月31日までの期間とされている(措法42の9①、措令27の9①二)。
3.産業高度化地域に係る措置 本措置は、産業高度化・事業革新促進地域に係る措置に改組され(措法42の9①表三、措令27の9①②⑥⑦、措規20の4⑤)、産業高度化地域に係る措置は、適用期限(平成24年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法42の9①表三、旧措令27の9①②⑥⑦、旧措規20の4⑤)。
改組後の措置の内容は、概ね産業高度化地域に係る措置と同様だが、異なる点は、次のとおりである。
(1)適用対象法人 本措置の適用対象法人は、青色申告書を提出する法人で、沖縄振興特別措置法第35条の3第5項に規定する認定事業者に該当するものに限ることとされている(措法42の9①、沖振法35の3⑤)。
(2)新設又は増設(以下「新増設」という。)をする設備 新増設をする設備は、次のいずれかの規模の設備とされた(措法42の9①、措令27の9②三)。
イ 一の生産等設備で、これを構成する有形減価償却資産の取得価額の合計額が1,000万円を超えるもの
ロ 機械及び装置並びに器具及び備品で、これらの取得価額の合計額が500万円を超えるもの
(3)対象事業 イ 追加
対象に次の事業が追加された(措法42の9①表三2欄、沖振法3十、措令27の9⑥、沖振令4八~十一)。
ⅰ 沖縄振興特別措置法施行令第4条第8号に掲げる電気業(以下「電気業」という。)
ⅱ 商品検査業
ⅲ 計量証明業
ⅳ 沖縄振興特別措置法施行令第4条第11号に掲げる研究開発支援検査分析業(以下「研究開発支援検査分析業」という。)
ロ 除外
対象から次の事業が除外された(旧措令27の9⑥)。
ⅰ 広告代理業
ⅱ ディスプレイ業
(4)対象となる建物及びその附属設備 上記(3)イの対象事業の追加に伴い、次の上記(3)イⅰからⅳまでの事業については、それぞれ次のⅰからⅳまでの建物及びその附属設備が対象とされた(措法42の9①表三3欄、措令27の9⑦)。
ⅰ 電気業 工場用の建物
ⅱ 商品検査業 事務所用又は作業場用の建物
ⅲ 計量証明業 事務所用又は作業場用の建物
ⅳ 研究開発支援検査分析業 事務所用、作業場用又は研究所用の建物
(5)適用期間 本措置の適用期間は、産業高度化・事業革新促進地域を定めた産業高度化・事業革新促進計画につき沖縄県知事の主務大臣に対する提出のあった日から平成29年3月31日までの期間とされている(措法42の9①、措令27の9①三)。
4.自由貿易地域及び特別自由貿易地域に係る措置 本措置は、国際物流拠点産業集積地域に係る措置に改組され(措法42の9①表四、措令27の9①②⑧⑨)、自由貿易地域及び特別自由貿易地域に係る措置は、適用期限(平成24年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法42の9①表四、旧措令27の9①②⑧)。
改組後の措置の内容は、概ね自由貿易地域及び特別自由貿易地域に係る措置と同様だが、異なる点は、次のとおりである。
(1)対象事業 対象に次の事業が追加された(措法42の9①表四2欄、沖振法3十一、措令27の9⑧、沖振令4の2五~七)。
イ 沖縄振興特別措置法施行令第4条の2第5号に掲げる無店舗小売業(以下「無店舗小売業」という。)
ロ 沖縄振興特別措置法施行令第4条の2第6号に掲げる機械等修理業(以下「機械等修理業」という。)
ハ 沖縄振興特別措置法施行令第4条の2第7号に掲げる不動産賃貸業(以下「不動産賃貸業」という。)
(2)対象となる建物及びその附属設備 上記(1)の対象事業の追加に伴い、次の上記(1)イからハまでの事業については、それぞれ次のイからハまでの建物及びその附属設備が対象とされた(措法42の9①表四3欄、措令27の9⑨)。
イ 無店舗小売業 事務所用、作業場用又は倉庫用の建物
ロ 機械等修理業 作業場用又は倉庫用の建物
ハ 不動産賃貸業 倉庫用の建物
(3)適用期間 本措置の適用期間は、国際物流拠点産業集積地域に係る指定の日から平成29年3月31日までの期間とされている(措法42の9①、措令27の9①四)。
5.金融業務特別地区に係る措置 (1)対象事業の範囲の拡充 対象となる金融業務に係る事業における金融業務に、特定の自主規制業務が追加された(措法42の9①表五2欄、沖振法3十四、金融業務事業認定申請等内閣府令1①三)。特定の自主規制業務とは、金融商品取引所の委託を受けて行う金融商品取引法第85条第4項に規定する特定業務をいう。
(2)適用期限の延長 本措置の適用期限が、平成29年3月31日まで5年延長された(措法42の9①、措令27の9①五)。
なお、連結納税制度の場合についても、上記1から5までと同様の改正が行われている(措法68の13①、措令39の43①②、措規22の26①②)。
Ⅳ.その他の税額控除
試験研究費の増加額又は平均売上金額の10%を超える試験研究費の額に係る税額控除制度の適用期限が、平成26年3月31日まで2年延長された(措法42の4⑨、68の9⑨)。
>>特別償却関係
Ⅰ.特定設備等の特別償却
公害防止用設備の特別償却制度について、次の見直しが行われた。
1.対象設備の見直し 対象設備からPCB汚染物等無害化処理用設備及び石綿含有廃棄物等無害化処理用設備が除外された(平24.3.31財務省告示114)。連結納税制度の場合についても同様である。
2.適用期限の延長 制度の適用期限が、平成26年3月31日まで2年延長された(平24.3.31財務省告示114)。連結納税制度の場合についても同様である。
Ⅱ.特定地域における工業用機械等の特別償却
1.産業高度化地域に係る措置 本措置は、産業高度化・事業革新促進地域に係る措置に改組され(措法45①表二、措令28の9①②⑧⑨)、産業高度化地域に係る措置は、適用期限(平成24年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法45①表二、旧措令28の9①②⑧⑨)。
改組後の措置の内容は、概ね産業高度化地域に係る措置と同様だが、異なる点は、次のとおりである。
(1)適用対象法人 本措置の適用対象法人は、青色申告書を提出する法人で、沖縄振興特別措置法第35条の3第5項に規定する認定事業者に該当するものに限ることとされている(措法45①、沖振法35の3⑤)。
(2)対象資産の取得価額の合計額 本措置の対象資産の取得価額の合計額は、20億円を上限とすることとされている(措法45①)。
(3)新設又は増設(以下「新増設」という。)をする設備 新増設をする設備は、次のいずれかの規模の設備とされた(措法45①、措令28の9②二)。
イ 一の生産等設備で、これを構成する有形減価償却資産の取得価額の合計額が1,000万円を超えるもの
ロ 機械及び装置並びに器具及び備品で、これらの取得価額の合計額が500万円を超えるもの
(4)対象事業 イ 追加
対象に次の事業が追加された(措法45①表二2欄、沖振法3十、措令28の9⑧、沖振令4八~十一)。
ⅰ 沖縄振興特別措置法施行令第4条第8号に掲げる電気業(以下「電気業」という。)
ⅱ 商品検査業
ⅲ 計量証明業
ⅳ 沖縄振興特別措置法施行令第4条第11号に掲げる研究開発支援検査分析業(以下「研究開発支援検査分析業」という。)
ロ 除外
対象から次の事業が除外された(旧措令28の9⑧)。
ⅰ 広告代理業
ⅱ ディスプレイ業
(5)対象となる建物及びその附属設備 上記(4)イの対象事業の追加に伴い、次の上記(4)イⅰからⅳまでの事業については、それぞれ次のⅰからⅳまでの建物及びその附属設備が対象とされた(措法45①表二3欄、措令28の9⑨)。
ⅰ 電気業 工場用の建物
ⅱ 商品検査業 事務所用又は作業場用の建物
ⅲ 計量証明業 事務所用又は作業場用の建物
ⅳ 研究開発支援検査分析業 事務所用、作業場用又は研究所用の建物
(6)適用期間 本措置の適用期間は、産業高度化・事業革新促進地域を定めた産業高度化・事業革新促進計画につき沖縄県知事の主務大臣に対する提出のあった日から平成29年3月31日までの期間とされている(措法45①、措令28の9①二)。
2.自由貿易地域及び特別自由貿易地域に係る措置 本措置は、国際物流拠点産業集積地域に係る措置に改組され(措法45①表三、措令28の9①②⑩⑪)、自由貿易地域及び特別自由貿易地域に係る措置は、適用期限(平成24年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法45①表三、旧措令28の9①②⑩)。
改組後の措置の内容は、概ね自由貿易地域及び特別自由貿易地域に係る措置と同様ですが、異なる点は、次のとおりである。
(1)対象資産の取得価額の合計額 本措置の対象資産の取得価額の合計額は、20億円を上限とすることとされている(措法45①)。
(2)対象事業 対象に次の事業が追加された(措法45①表三2欄、沖振法3十一、措令28の9⑩、沖振令4の2五~七)。
イ 沖縄振興特別措置法施行令第4条の2第5号に掲げる無店舗小売業(以下「無店舗小売業」という。)
ロ 沖縄振興特別措置法施行令第4条の2第6号に掲げる機械等修理業(以下「機械等修理業」という。)
ハ 沖縄振興特別措置法施行令第4条の2第7号に掲げる不動産賃貸業(以下「不動産賃貸業」という。)
(3)対象となる建物及びその附属設備 上記(2)の対象事業の追加に伴い、次の上記②イからハまでの事業については、それぞれ次のイからハまでの建物及びその附属設備が対象とされた(措法45①表三3欄、措令28の9⑪)。
イ 無店舗小売業 事務所用、作業場用又は倉庫用の建物
ロ 機械等修理業 作業場用又は倉庫用の建物
ハ 不動産賃貸業 倉庫用の建物
(4)適用期間 本措置の適用期間は、国際物流拠点産業集積地域に係る指定の日から平成29年3月31日までの期間とされている(措法45①、措令28の9①三)。
3.沖縄の離島の地域に係る措置 本措置の適用期限が、平成29年3月31日まで5年延長された(措法45①、措令28の9①四)。
なお、連結納税制度の場合についても、上記1から3までと同様の改正が行われている(措法68の27①、措令39の56)。
Ⅲ.特定再開発建築物等の割増償却
都市再生特別措置法の認定計画に基づく都市再生事業により整備される建築物に係る措置について、対象となる計画に都市再生特別措置法第19条の2第10項の規定により公表された同法第19条の10第2項に規定する整備計画を含めることとされた(措法47の2③二)。
なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の35③二)。
Ⅳ.その他の特別償却
共同利用施設の特別償却制度の適用期限が、平成25年3月31日まで1年延長された(措法44の3①、68の24①)。
>>準備金関係
Ⅰ.関西国際空港整備準備金又は中部国際空港整備準備金〔関西国際空港用地整備準備金〕
本制度における関西国際空港整備準備金に係る措置が改組され、関西国際空港用地整備準備金制度とされた。
改組後の制度は、関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律の指定会社が、適用事業年度において、空港用地整備費用の支出に備えるため、積立限度額以下の金額を関西国際空港用地整備準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額を損金の額に算入することができるというものである(措法57の7①)。
この準備金は、適用事業年度の最後の事業年度後の各事業年度終了の日において、前事業年度から繰り越された金額がある場合には、適用事業年度の最後の事業年度終了の日における関西国際空港用地整備準備金の金額にその各事業年度の月数を乗じてこれを積立期間を勘案して定める期間の月数で除して計算した金額を益金の額に算入することとされている(措法57の7④)。
なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の57)。
また、本制度における中部国際空港整備準備金に係る措置は、中部国際空港整備準備金制度として、引き続き存置されている(措法57の7の2、68の57の2)。
Ⅱ.その他の準備金等
次の1及び2の準備金等の制度について、次のとおり改正が行われた。
1.損金算入限度額のうち所得金額基準の見直し 法人税法の改正により、欠損金の控除限度額が欠損金控除前の所得の金額の80%相当額とされたことを踏まえ、次の制度における損金算入限度額としてその事業年度の所得の金額を計算する場合には、法人税法第57条第1項(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し)、第58条第1項(青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越し)及び第59条第2項(会社更生等による債務免除等があった場合の欠損金の損金算入)の規定の適用については、所要の読替えを行うこととされた。すなわち、これらの制度における損金算入限度額である当期の所得の金額は、欠損金控除後の所得の金額を基礎として計算することとされた。
① 新鉱床探鉱費又は海外新鉱床探鉱費の特別控除(措令35②)
② 農業経営基盤強化準備金(措令37の2②)
③ 農用地等を取得した場合の課税の特例(措令37の3③)
2.適用期限の延長 次の準備金制度の適用期限が、平成26年3月31日まで2年延長された。
① 海外投資等損失準備金(措法55①)
② 金属鉱業等鉱害防止準備金(措法55の5①)
③ 特定災害防止準備金(措法55の6①)
なお、連結納税制度の場合についても、上記1及び2と同様の改正が行われている(措法68の43①、68の44①、68の46①、措令39の89①、39の91②、39の92③)。
>>土地税制関係
Ⅰ.土地の譲渡等がある場合の特別税率
本制度を適用しないこととなる一定のマンション建替事業の用に供するためにそのマンション建替事業の施行者に対して行う土地等の譲渡について、その対象となるマンション建替事業が良好な居住環境の確保に資するものに限定された(措法62の3④九)。連結納税制度の場合についても同様である。
Ⅱ.収用等に伴い代替資産を取得した場合等の課税の特例
(1)平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成23年法律第110号)の制定に伴い、本特例の対象に汚染廃棄物等の処理施設に関する事業により土地等が買い取られる場合が追加された(自動拡充)。
(2)所得税関係の改正において、本特例におけるいわゆる簡易証明制度の対象となる事業の範囲に、国、地方公共団体又は社会福祉法人の設置に係る児童福祉法に規定する児童発達支援センターの用地買収事業が追加された(措規14⑤三イ)。法人税関係においても同様となる(措規22の2④)。
連結納税制度の場合についても上記(1)及び(2)と同様である(措法68の70③、68の71⑭、措規22の64③)。
Ⅲ.特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除(1,500万円特別控除)
1.適用対象の見直し 本特例の適用対象から、一団の住宅建設に関する事業のために土地等が買い取られる場合に係る措置が除外された(旧措法65の4①三、旧措令39の5⑥・⑪、旧措規22の5①五・③)。
2.適用期限の延長 特定の民間住宅地造成事業のために土地等が買い取られる場合に係る措置の適用期限が、平成26年12月31日まで3年延長された(措法65の4①三)。
なお、連結納税制度の場合についても、上記1及び2と同様である(措法68の75①)。
Ⅳ.特定の資産の買換えの場合等の課税の特例
所有期間10年超の長期所有土地等、建物又は構築物から国内にある土地等、建物、構築物又は機械装置等への買換えに係る措置について、その対象となる買換資産について次の見直しが行われた上、その適用期限が平成26年12月31日まで3年延長された(措法65の7①、65の8①、65の9)。
(1)土地(土地の上に存する権利を含む。以下「土地等」という。)の範囲が、次の土地等でその面積が300㎡以上のものに限定された(措法65の7①)。
① 特定施設の敷地の用に供される土地等(その特定施設に係る事業の遂行上必要な駐車場の用に供されるものを含む。)
特定施設とは、事務所、工場、作業場、研究所、営業所、店舗、倉庫、住宅その他これらに類する施設(福利厚生施設に該当するものを除く。)をいう(措令39の7⑧)。
② 駐車場の用に供される土地等(建物又は構築物の敷地の用に供されていないことについてやむを得ない事情があるものに限る。)
(2)貨物鉄道事業用の機関車の範囲から、専ら車両の入換えを行うために使用される機関車(いわゆる入換機関車)が除外された(措令39の7⑧)。
なお、連結納税制度の場合についても、上記と同様の改正が行われている(措法68の78①、68の79①、68の80、措令39の106③、措規22の69②・⑤八)。
Ⅴ.特定駐留軍用地内の土地を譲渡した場合の所得の特別控除(創設)
沖縄県における駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措置法の特定駐留軍用地内の土地を有する法人が、土地の買取りの協議に基づき、その協議を行う地方公共団体等にその土地の譲渡をしたときは、その譲渡は租税特別措置法第65条の2第1項に規定する収用換地等による譲渡に該当するものとみなして、収用換地等の場合の所得の特別控除(5,000万円特別控除)の適用を受けることができることとされた(沖特令63の3①)。
なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(沖特令63の4、沖特規11の4)。
>>その他の特別措置関係
Ⅰ.沖縄の認定法人の所得の特別控除(連結:沖縄の認定法人の連結所得の特別控除)
1.情報通信産業特別地区に係る措置 本措置は、新たな情報通信産業特別地区に係る措置に改組され(措法60①表一)、従来の情報通信産業特別地区に係る措置は、適用期限(平成24年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法60①表一)。
改組後の措置の内容は、概ね従来の情報通信産業特別地区に係る措置と同様だが、異なる点は、次のとおりである。
(1)認定法人 イ 認定に係る要件
情報通信産業特別地区及び特定事業に係るいわゆる「専ら」要件が緩和され、情報通信産業特別地区の区域内において専ら特定事業を行う法人については、情報通信産業特別地区の区域外の事業所における従業員数がその法人の常時使用従業員数の20%又は3人のいずれか多い人数以下である場合には、その事業所においてその法人の特定事業に関連する業務のうち一定のものを行うことができることとされた(沖振法30①、沖振令11②二~四)。
ロ 認定期間
本措置の認定期間は、情報通信産業特別地区に係る指定の日から平成29年3月31日までの期間とされている(措法60①表一上欄)。
(2)特定事業 対象となる特定情報通信事業に、次の事業が追加された(措法60①表一下欄)。
イ バックアップセンター事業(沖振法3七、沖振令2四)
ロ セキュリティーデータセンター事業(沖振法3七、沖振令2五、情報特区事業認定申請等命令1)
(3)所得控除割合 本措置の所得控除割合が、40%とされた(措法60①)。
2.特別自由貿易地域に係る措置 本措置は、国際物流拠点産業集積地域に係る措置に改組され(措法60①表二)、特別自由貿易地域に係る措置は、適用期限(平成24年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法60①表二)。
改組後の措置の内容は、概ね特別自由貿易地域に係る措置と同様だが、異なる点は、次のとおりである。
(1)認定法人 イ 認定に係る要件
国際物流拠点産業集積地域及び特定事業に係るいわゆる「専ら」要件が緩和され、国際物流拠点産業集積地域の区域内において専ら特定事業を行う法人については、国際物流拠点産業集積地域の区域外の事業所における従業員数がその法人の常時使用従業員数の20%又は5人のいずれか多い人数以下である場合には、その事業所においてその法人の特定事業に関連する業務のうち一定のものを行うことができることとされた(沖振法44①、沖振令21②二~六)。
ロ 認定期間
本措置の認定期間は、国際物流拠点産業集積地域に係る指定の日から平成29年3月31日までの期間とされている(措法60①表二上欄)。
(2)特定事業 対象に次の事業が追加され、対象となる特定事業が特定国際物流拠点事業とされた(措法60①表二下欄)。
イ 無店舗小売業(沖振法3十二、沖振令4の3)
ロ 機械等修理業(沖振法3十二、沖振令4の3)
(3)所得控除割合 本措置の所得控除割合が、40%とされた(措法60①)。
3.金融業務特別地区に係る措置
(1)認定法人関係 イ 認定に係る要件の緩和
金融業務特別地区及び特定事業に係るいわゆる「専ら」要件が緩和され、金融業務特別地区の区域内において専ら特定事業を行う法人については、金融業務特別地区の区域外の事業所における従業員数がその法人の常時使用従業員数の20%又は3人のいずれか多い人数以下である場合には、その事業所においてその法人の特定事業に関連する業務のうち一定のものを行うことができることとされた(沖振法56①、沖振令26②五~七)。
ロ 認定期間の延長
本措置の認定期間が、平成29年3月31日まで5年延長された(措法60①表三上欄)。
(2)特定事業の範囲の拡充 対象となる金融業務に係る事業に、特定の自主規制業務が追加された(措法60①表三下欄)。特定の自主規制業務とは、金融商品取引所の委託を受けて行う金融商品取引法第85条第4項に規定する特定業務をいう。
(3)所得控除割合の引上げ 本措置の所得控除割合が、40%(改正前:35%)に引き上げられた(措法60①)。
なお、連結納税制度の場合についても、上記1から3までと同様の改正が行われている(措法68の63①⑦、措令39の90①~⑨)
Ⅱ.その他
(1)次のその他の特別措置の適用期限が、平成26年3月31日まで2年延長された。
① 交際費等の損金不算入(措法61の4①、68の66①)
② 使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例(措法62①、68の67①)
③ 中小企業者等以外の法人の欠損金の繰戻しによる還付の不適用(連結:中小企業者等以外の連結親法人の欠損金の繰戻しによる還付の不適用)(措法66の13①、68の98①)
④ 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(連結:中小連結法人等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)(措法67の5①、68の102の2①)。
(2)次の制度について、所要の経過措置を講じた上、廃止することとされた。
① 沖縄の特定中小企業者が経営革新設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除(旧措法42の10、68の14)
② 経営基盤強化計画を実施する指定中小企業者の機械等の割増償却(旧措法46、68の30)
③ 社会・地域貢献準備金(旧措法57の9、68の58の2)
④ 適格退職年金契約に係る退職年金等積立金の額の計算の特例(旧措法68の5)
震災税特法関係(24年度改正)
Ⅰ.福島復興再生特別措置法の制定に伴う措置
1.福島復興再生特別措置法の特例による復興産業集積区域に係る措置 福島復興再生特別措置法において、東日本大震災復興特別区域法の特例が定められ、地方公共団体が復興産業集積区域に係る課税の特例を含む復興推進計画を作成するための要件が緩和された(福島特措法51、52)。これにより、福島県の全ての地方公共団体は、復興産業集積区域に係る課税の特例を含む復興推進計画を作成し、その認定を受けることができるようになったので、東日本大震災復興特別区域法の認定復興推進計画に基づき適用することができる次の制度について、その適用対象に、こうした福島復興再生特別措置法の規定により福島県の地方公共団体が策定し、認定を受けた課税の特例を含む復興推進計画に基づくものが追加された。
① 復興産業集積区域等において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度(震災税特法17の2、25の2)
(注)産業集積事業の用に供する機械及び装置に係る即時償却制度の適用期限が、これらの法人については平成28年3月31日とされている(震災税特法17の2⑤、25の2⑤)。
② 復興産業集積区域において被災雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除制度(震災税特法17の3、25の3)
③ 復興産業集積区域における開発研究用資産の特別償却制度等(震災税特法17の5、25の5)
④ 再投資等準備金制度及び再投資設備等を取得した場合の特別償却制度(震災税特法18の3、18の4、26の3、26の4)
2.避難解除区域に係る措置 (1)避難解除区域において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度の創設 この制度は、福島復興再生特別措置法の規定により福島県知事の確認を受けた法人が、避難解除区域に係る避難等指示が解除された日から同日以後5年を経過する日までの間に減価償却資産の取得等をしてその避難解除区域内においてその法人の事業の用に供した場合には、その供用年度においてその減価償却資産の取得価額から普通償却限度額を控除した金額(建物等については、取得価額の25%相当額)の特別償却と取得価額の15%(建物等については、8%)相当額の税額控除(特別控除税額については当期の法人税額の20%を限度とし、控除限度超過額については4年間の繰越しができる。)との選択適用を行うことができるというものである(震災税特法17の2の2)。
連結納税制度の場合についても、同様の措置が講じられている(震災税特法25の2の2)。
(2)避難解除区域において避難対象雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除制度の創設 この制度は、避難解除区域に係る避難等指示が解除された日から同日以後3年を経過する日までの間に福島復興再生特別措置法の規定により福島県知事の確認を受けた法人が、適用期間(その確認を受けた日から同日以後5年を経過する日までの期間)内の日を含む各事業年度の適用期間内において、その避難解除区域内に所在する事業所に勤務する避難対象雇用者等に対して給与等を支給する場合には、その支給する給与等の額の20%の税額控除(当期の法人税額の20%を限度とする。)を行うことができるというものである(震災税特法17の3の2)。
連結納税制度の場合についても、同様の措置が講じられている(震災税特法25の3の2)。
Ⅱ.被災法人について債務免除等があった場合の欠損金の損金算入の特例の創設
この制度は、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法に規定する買取決定に係る債権の債務者である法人又は同法に規定する産業復興機構の組合財産である債権の債務者である法人について債務処理に関する計画が策定された場合には、法人税法第59条第2項の規定により期限切れの欠損金を損金の額に算入することができるというものである(震災税特法17)。
連結納税制度の場合についても、同様の措置が講じられている(震災税特法25)。
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