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解説記事2016年07月25日 【税制改正解説】 平成28年度における法人税関係の改正について(下)(2016年7月25日号・№652)

税制改正解説
平成28年度における法人税関係の改正について(下)
 角田一平

第四 土地税制関係

Ⅰ 土地の譲渡等がある場合の特別税率

1 改正の内容
 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律(平成28年法律第72号)により都市再開発法が改正され、第一種市街地再開発事業において個別利用区を設定できることとされることに伴い、適用除外措置のうち防災街区計画整備組合が第一種市街地再開発事業を行う場合の土地等の譲渡について、次の土地等の譲渡を適用除外措置に追加することとされた(措令38の4⑩三ロ)。連結納税制度の場合についても同様である。
① 都市再開発法第77条の2第4項の規定により権利変換計画において第一種市街地再開発事業の施行者たる防災街区計画整備組合に帰属するように定められた個別利用区内の宅地
② 指定宅地の権利者以外の権利者等の全ての同意を得た権利変換計画(都市再開発法110の2)又は指定宅地の権利者の全ての同意を得た権利変換計画(都市再開発法110の3)により防災街区計画整備組合が取得した土地等

2 適用関係  上記1の改正は、本制度が適用停止中であることから、経過措置は設けられていない。連結納税制度の場合についても同様である。

Ⅱ 収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例等

1 改正の内容
(1)都市再開発法の改正に伴う改正
 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律(平成28年法律第72号)により都市再開発法が改正され、第一種市街地再開発事業において個別利用区内の宅地への権利変換が可能とされることに伴い、次の改正が行われた。連結納税制度の場合についても同様である。
① 指定宅地につき都市再開発法による第一種市街地再開発事業が施行された場合において、個別利用区制度における権利変換により補償金の取得をした場合にも、本制度の適用を受けることができることとなる(措法64①三の二)。本制度の適用を受けることができる「補償金の取得をした場合」は、過小床のため施設建築物の一部等が与えられないように定められたこと等により支払われるもの及びやむを得ない事情により権利変換を希望しない旨の申出をしたと認められる場合に支払われるものに限られているが、個別利用区制度における権利変換の場合の「やむを得ない事情により権利変換を希望しない旨の申出をしたと認められる場合」は、従前の建築物が用途制限につき既存不適格である場合(措令39⑦一)に該当するときと定められた(措令39⑦)。
② 指定宅地につき都市再開発法による第一種市街地再開発事業が施行された場合において、個別利用区制度の対象となる者が損失補償金を取得するときも、一定の場合を除いて本制度の適用を受けることができることとなる(措法64②二)。本制度の適用を受けることができない一定の場合は、「再開発会社が施行者となる第一種市街地再開発事業の施行に伴い、その再開発会社の株主又は社員である者の有する資産の取壊し等をしなければならなくなった場合において、その資産につき損失補償金を取得するとき」等とされているが、その再開発会社の株主又は社員である者から除かれる者として、指定宅地又はその使用収益権を有する者で権利変換により個別利用区内の宅地又はその使用収益権を与えられることとなるものが追加された(措令39⑱一)。
(2)簡易証明制度の対象となる事業についての改正  所得税関係の改正において、簡易証明制度の対象となる事業(いわゆる特掲事業)について、次の改正が行われた。
① 一団地の津波防災拠点市街地形成施設の整備に準ずる事業のために買い取られる土地及び土地の上に存する資産に係る収用換地等の証明書について、平成28年4月1日以後も引き続き収用換地等の証明書を発行することができることとするとともに、その収用換地等の証明書は、その証明の日が平成31年3月31日以前であるものに限ることが租税特別措置法施行規則に規定された(措規14⑤四の八)。
② 電気事業法等の一部を改正する法律(平成26年法律第72号)による電気事業法の改正に伴い、電気事業者が設置する施設に係る部分について、風力又は太陽光による発電施設に係る措置を除外するとともに、送電施設又は変電施設を電気事業法の一般送配電事業又は送電事業の用に供するために設置される送電施設又は変電施設に限ることとされた(措規14⑤三イ)。
 法人税関係についても同様である(措規22の2④一、22の64③)。

2 適用関係
(1)
上記1(1)の改正は、法人が都市再生特別措置法等の一部を改正する法律の施行の日以後に補償金を取得する場合について適用し、法人が同日前に補償金を取得した場合については、なお従前の例によることとされている(改正措令附則22①②)。連結納税制度の場合についても同様である。
(2)上記1(2)②の所得税関係の改正は、個人が平成28年4月1日以後に行う資産の譲渡について適用し、個人が同日前に行った資産の譲渡については、なお従前の例によることとされている(改正措規附則9③)。平成28年4月1日から平成33年3月31日までの間の適用に当たっては、特別小売供給を行う事業について所要の経過措置が設けられている(改正措規附則9④)。法人税関係についても同様である。

Ⅲ 換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例

1 改正の内容
 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律(平成28年法律第72号)により都市再開発法が改正され、第一種市街地再開発事業において個別利用区内の宅地への権利変換が可能とされることに伴い、次の改正が行われた。
(1)資産につき都市再開発法による第一種市街地再開発事業が施行された場合においてその資産に係る権利変換により個別利用区内の宅地又はその使用収益権を取得するときを、本制度の対象に追加することとされた(措法65①四)。
(2)資産につき「指定宅地の権利者以外の権利者等の全ての同意を得た場合の権利変換の特則」(都市再開発法110の2)を適用した権利変換(特則型の権利変換)が行われた場合について、次のとおり原則型の権利変換と同様とする改正が行われた。
① その権利変換により施設建築敷地に関する権利又は施設建築物に関する権利を取得する権利を取得するときを、本制度の対象に追加することとされた(措法65①四)。
② 上記①の権利につき都市再開発法第110条の2第6項の規定により読み替えて適用される同法第104条第1項の規定により清算金の交付を受けることとなったときは、その資産のうちその清算金の金額に対応する部分について収用等による譲渡があったものとみなすこととされた(措法65⑦、措令39の2⑩一)。
③ その権利変換に係る施設建築物の工事完了により施設建築物に関する権利を取得する権利に基づき施設建築物に関する権利を取得するときは、その施設建築物に関する権利を取得する権利につき換地処分等による譲渡があったものとみなすこととされた(措法65⑦)。
(3)上記(1)及び(2)の改正に伴い、完全支配関係がある法人の間で譲渡された譲渡損益調整資産について、その譲渡の後に上記(1)の権利変換又は上記(2)①の権利変換若しくは上記(2)③の工事完了があった場合において、圧縮記帳の適用を受けるときは、その譲渡損益調整資産の譲渡利益額を引き続き計上しないこととされた(措法65⑩)。
  なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の72⑦⑧)。

2 適用関係  上記1の改正は、法人が都市再生特別措置法等の一部を改正する法律の施行の日以後に行う資産の譲渡に係る法人税について適用し、法人が同日前に行った資産の譲渡に係る法人税については、なお従前の例によることとされている(改正法附則97②③)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則120②③)。

Ⅳ 農地保有の合理化のために農地等を譲渡した場合の所得の特別控除(連結:農地保有の合理化のために農地等を譲渡した場合の連結所得の特別控除)制度(800万円特別控除制度)

1 改正の内容
 農業協同組合法等の一部を改正する等の法律(平成27年法律第63号)による農地法の改正により、農業生産法人が農地所有適格法人に名称変更されたこと等に伴い、制度の対象法人が農地所有適格法人とされた(措法65の5①)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の76①)。

2 適用関係  上記1の改正は、平成28年4月1日から施行されている(改正法附則1)。

Ⅴ 特定の資産の買換えの場合等の課税の特例

1 改正の内容
 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律(平成28年法律第72号)により都市再開発法が改正され、第一種市街地再開発事業において個別利用区内の宅地への権利変換が可能とされることに伴い、既成市街地等及びこれに類する一定の区域(人口集中地区)内における土地の計画的かつ効率的な利用に資する施策の実施に伴う土地等の買換えに係る措置について、個別利用区の設定が行われる第一種市街地再開発事業が対象とされるとともに、再開発会社が権利変換計画において定められた個別利用区内の宅地を取得する場合におけるその個別利用区内の宅地が買換資産に該当しない資産とされた(措令39の7⑤一)。連結納税制度の場合についても同様である。

2 適用関係  上記1の改正は、法人が都市再生特別措置法等の一部を改正する法律の施行の日以後に取得(建設及び製作を含む。)をする買換資産について適用し、法人が同日前に取得(建設及び製作を含む。)をした買換資産については、なお従前の例によることとされている(改正措令附則22③)。連結納税制度の場合についても同様である。

第五 その他の特別措置関係

Ⅰ 国家戦略特別区域における指定法人の課税の特例(連結:国家戦略特別区域における連結法人である指定法人の課税の特例)(創設)

1 制度の概要
 この制度は、青色申告書を提出する内国法人で各事業年度終了の日において国家戦略特別区域法の指定を受けた法人に該当するもの(国家戦略特別区域法の一部を改正する法律(平成28年法律第55号)の施行の日から平成30年3月31日までの間に国家戦略特別区域法の指定を受けたものに限る。)が、国家戦略特別区域内において行われる特定事業に係る所得の金額を有する場合には、その設立の日から5年間、その金額の20%相当額の所得控除ができるというものである(措法61)。
 連結納税制度の場合についても、同様の措置が講じられている(措法68の63の2、措令39の90の2)。

2 適用関係  この制度は、国家戦略特別区域法の一部を改正する法律の施行の日から施行することとされている(改正法附則1十一)。

Ⅱ 国際戦略総合特別区域における指定特定事業法人の課税の特例(連結:国際戦略総合特別区域における連結法人である指定特定事業法人の課税の特例)

1 改正の内容
 この制度は、指定の期限(平成28年3月31日)の到来をもって廃止された(旧措法61、旧措令37)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(旧措法68の63の2、旧措令39の90の2)。

2 適用関係  上記1の改正は、平成28年4月1日前に総合特別区域法の指定を受けた法人のその指定に係る適用事業年度分の法人税及びその指定を取り消された日を含む事業年度分の法人税については、なお従前の例によることとされている(改正法附則95)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則118)。

Ⅲ 交際費等の損金不算入制度

1 改正の内容
(1)適用期限の延長
 制度の適用期限が、平成30年3月31日まで2年延長された(措法61の4①)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の66①)。
(2)国際課税原則の見直しに伴う所要の整備  国際課税原則の帰属主義への変更に伴い、外国法人が中小法人に係る定額控除額の特例の適用対象となる中小法人に該当するかどうかの判定方法について所要の整備が行われた(措令37の4四・五)。

2 適用関係  上記1(2)の改正は、法人の平成28年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用し、法人の同日前に開始した事業年度分の法人税については、なお従前の例によることとされている(改正措令附則13)。

Ⅳ 使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例

1 改正の内容
 国際課税原則の帰属主義への変更に伴い、外国法人のこの制度の対象となる金銭の支出が、その外国法人の法人税の課税対象となる次の国内源泉所得に係る事業に係る金銭の支出とされた(措法62④二)。
(1)恒久的施設を通じて事業を行う場合のその恒久的施設に帰せられるべき所得(法法138①一)
(2)国内において人的役務の提供を主たる内容とする一定の事業を行う法人が受けるその人的役務の提供に係る対価(法法138①四)

2 適用関係  上記1の改正は、法人の平成28年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用し、法人の同日前に開始した事業年度分の法人税については、なお従前の例によることとされている(改正法附則85)。

Ⅴ 社会保険診療報酬の所得の計算の特例(連結:社会保険診療報酬の連結所得の計算の特例)

1 改正の内容
 医療法人が社会医療法人の認定を取り消されて救急医療等確保事業に係る業務の継続的な実施に係る計画の認定を受けた場合に累積所得金額から控除する金額等について法人税法等の改正が行われたことに伴い、一定の事業年度については、本制度の適用を受けられないこととされた(措法67①、措令39の24の2①)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の99①、措令39の122の2①)。

2 適用関係  上記1の改正は、医療法の一部を改正する法律(平成27年法律第74号)の施行の日(平成28年9月1日)から施行することとされている(改正法附則1十)。

Ⅵ 農業生産法人の肉用牛の売却に係る所得の課税の特例(連結:農業生産法人の肉用牛の売却に係る連結所得の課税の特例)(改正後:農地所有適格法人の肉用牛の売却に係る所得の課税の特例(連結:農地所有適格法人の肉用牛の売却に係る連結所得の課税の特例))

1 改正の内容
 農業協同組合法等の一部を改正する等の法律(平成27年法律第63号)による農地法の改正により、農業生産法人が農地所有適格法人に名称変更されたこと等に伴い、制度の対象法人が農地所有適格法人とされた(措法67の3①⑤⑦⑧)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の101①)。

2 適用関係  上記1の改正は、平成28年4月1日から施行されている(改正法附則1)。

Ⅶ 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(連結:中小連結法人等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(改正後:中小連結法人の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例))

1 改正の内容
(1)適用対象法人の見直し
 適用対象法人が、中小企業者等のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人に限定された(措法67の5①、措令39の28①)。
(2)適用期限の延長  制度の適用期限が、平成30年3月31日まで2年延長された(措法67の5①)。
 なお、連結納税制度の場合についても、上記(1)及び(2)と同様の改正が行われている(措法68の102の2①、措令39の124①)。

2 適用関係  上記1(1)の改正は、中小企業者等が平成28年4月1日以後に取得又は製作若しくは建設をする少額減価償却資産について適用し、中小企業者等が同日前に取得又は製作若しくは建設をした少額減価償却資産については、なお従前の例によることとされている(改正法附則101)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則124)。

Ⅷ 中小企業者の事業再生に伴い特定の組合財産に係る債務免除等がある場合の評価損益等の特例(連結:中小連結法人の事業再生に伴い特定の組合財産に係る債務免除等がある場合の評価損益等の特例)

1 改正の内容
(1)適用対象法人の見直し
 適用対象法人が、青色申告書を提出する中小企業者で、金融機関から受けた事業資金の貸付けにつき、その貸付けに係る債務の弁済の負担を軽減するため、中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律の施行の日(平成21年12月4日)から平成28年3月31日までの間に条件の変更を受けたものとされた(措法67の5の2①)。
(2)再生計画認可の決定があったことに準ずる一定の事実に係る要件の見直し  再生計画認可の決定があったことに準ずる一定の事実に係る要件について、次の見直しが行われた(措令39の28の2①)。
① 債務処理に関する計画を作成する際にそのよるべきこととされる準則の要件に、その再生債権が特定投資事業有限責任組合契約に係る組合財産となる時においてその再生債権を有する金融機関等がその再生債権の対価として取得する金銭の額及び金銭以外の資産の価額が法人税法施行令第24条の2第1項第2号の貸借対照表(いわゆる実態貸借対照表)における資産及び負債の価額、その計画における損益の見込み等に照らして適正であることを確認する手続の定めがあることが追加された(措令39の28の2①、法令24の2①一ロ)。
② 上記①の改正に伴い、その債務処理に関する計画にその再生債権が特定投資事業有限責任組合契約に係る組合財産となる時において、金融機関等がその再生債権の対価として取得する金銭の額及び金銭以外の資産の価額が定められていることとの要件(上記1(2)の要件)が除外された(措令39の28の2①、法令24の2①三)。
(3)確定申告書に添付すべき書類及びその記載事項の見直し   
 上記(1)及び(2)の改正に伴い、この特例により法人税法第25条第3項又は第33条第4項の規定の適用を受ける場合における確定申告書に添付すべき書類について次の見直しが行われた(措規22の17の2①)。
① 確定申告書の添付書類に、その貸付けに係る債務の弁済の負担を軽減するため中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律の施行の日(平成21年12月4日)から平成28年3月31日までの間に条件の変更を受けたことを明らかにする書類が追加された(措規22の17の2①、法規8の6③二、22の2二)。
② 債務処理に関する計画を作成する際にそのよるべきこととした準則に定められた確認の手続に従い専門的知識を有する第三者がその準則に定められた確認をしたことを明らかにする書類の記載事項に、再生債権が特定投資事業有限責任組合契約に係る組合財産となる時において金融機関等がその再生債権の対価として取得する金銭の額及び金銭以外の資産の価額が適正であることを確認したことが追加された(措規22の17の2①、法規8の6③二イ)。
③ 債務処理に関する計画に係る計画書の記載事項から、再生債権が特定投資事業有限責任組合契約に係る組合財産となる時において金融機関等がその再生債権の対価として取得する金銭の額及び金銭以外の資産の価額並びにその算定根拠を明らかにする書類が除外された(措規22の17の2①、法規8の6③二ロ)。
(4)適用期限の延長  制度の適用期限が、平成31年3月31日まで3年延長された(措法67の5の2①)。
 なお、連結納税制度の場合についても、上記(1)から(4)までと同様の改正が行われている(措法68の102の3①、措令39の124の2①、措規22の80①)。

2 適用関係  上記1(1)から(3)までの改正は、平成28年4月1日以後に再生計画認可の決定に準ずる一定の事実が生ずる場合について適用し、同日前に再生計画認可の決定に準ずる一定の事実が生じた場合には、なお従前の例によることとされている(改正法附則102、改正措令附則25、改正措規附則23)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則125、改正措令附則36、改正措規附則28)。

Ⅸ 投資法人に係る課税の特例

1 改正の内容
(1)保有資産に係る要件の見直し
 ① 原則的な要件の見直し
 事業年度終了の時において資産の総額の2分の1を超えて有することを要する特定資産の範囲について、投信法施行令第3条第1号に掲げる資産(有価証券)のうち匿名組合契約等に基づく権利及び同条第8号に掲げる資産(匿名組合出資持分)にあっては、同条第1号に掲げる資産のうち匿名組合契約等に基づく権利以外のもの及び同条第2号から第7号までに掲げる資産(以下「対象資産」という。)に対する投資として運用することを約する契約に係るものに限定された(措令39の32の3⑧)。
 ② 特例的な要件の見直し  上記の改正に伴い、その締結する匿名組合契約等の目的である事業に係る財産に含まれる特例特定資産の運用の方法についても賃貸のみである旨の記載又は記録があることが追加された(措令39の32の3⑩二)。
 ③ 特例的な要件の適用期間の見直し  特例が適用される期間が、特例特定資産を貸付けの用に供した日から20年(改正前:10年)を経過した日までに終了する事業年度とされた(措令39の32の3⑩)。
(2)支払配当要件の見直し  支払配当の額が配当可能利益の額の90%相当額を超えていることとする要件における配当可能利益の額の計算について、次の見直しが行われた。
① 当該事業年度の繰越利益等超過純資産控除項目額がある場合には、その繰越利益等超過純資産控除項目額を控除することとされた(措規22の19②四)。
② 上記①の控除された金額(以下「繰越利益等超過純資産控除項目控除額」という。)がある事業年度後の各事業年度において、純資産控除項目減少額があり、かつ、純資産控除項目超過繰越利益額があるときは、純資産控除項目減少額(その純資産控除項目減少額が純資産控除項目超過繰越利益額を超える場合には、その超える部分の金額を除く。)のうち、一定の金額に達するまでの金額を加算するものとされた(措規22の19⑦)。

2 適用関係
(1)
上記1(1)の改正は、法人の平成28年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用し、法人の同日前に開始した事業年度分の法人税については、なお従前の例によることとされている(改正措令附則13)。
(2)上記1(2)の改正は、投資法人が平成28年4月1日以後に支払う配当等の額に係る事業年度(以下「適用事業年度」という。)分の法人税について適用し、投資法人が同日前に支払った配当等の額に係る事業年度(適用事業年度に該当する事業年度を除く。)分の法人税については、なお従前の例によることとされている(改正措規附則24)。

Ⅹ 農林中央金庫等の合併に係る課税の特例(改正後:農業協同組合等の合併に係る課税の特例)

1 改正の内容
(1)対象となる合併の見直し
 対象となる合併から、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併が除外された(旧措法68の2一)。
(2)適用期限の延長  制度の適用期限が、平成31年3月31日まで3年延長された(措法68の2)。

2 適用関係  上記1(1)の改正は、平成28年4月1日前に行われた合併については、なお従前の例によることとされている(改正法附則104)。

XI 特定投資信託に係る受託法人の課税の特例

1 改正の内容
 保有資産に係る要件(事業年度終了の時において有する一定の特定資産の帳簿価額がその時において有する資産の総額の2分の1を超えていることとの要件)における事業年度終了の時において資産の総額の2分の1を超えて有することを要する特定資産の範囲について、投資信託及び投資法人に関する法律施行令第3条第1号に掲げる資産(有価証券)のうち匿名組合契約等に基づく権利及び同条第8号に掲げる資産(匿名組合出資持分)にあっては、同条第1号に掲げる資産のうち匿名組合契約等に基づく権利以外のもの及び同条第2号から第7号までに掲げる資産に対する投資として運用することを約する契約に係るものに限定された(措令39の35の3⑥)。

2 適用関係  上記1の改正は、法人の平成28年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用し、法人の同日前に開始した事業年度分の法人税については、なお従前の例によることとされている(改正措令附則13)。

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