解説記事2016年08月08日 【ニュース特集】 消費税率引上げ延期に伴う税制措置の全容(2016年8月8日号・№654)
ニュース特集
中小事業者以外の事業者の売上税額・仕入税額計算特例は廃止へ
消費税率引上げ延期に伴う税制措置の全容
消費税率10%への引き上げ時期を平成29年4月1日から平成31年10月1日へと2年半先送りするための法案が秋の臨時国会に提出されるが、このほどその全容が判明した。
ほとんどの措置の実施が2年半延期される中で、「中小事業者以外の事業者」を対象にした売上税額・仕入税額の計算特例が廃止されることが本誌取材で確認されている。また、軽減税率の財源確保措置は「2年間」延期される。
本特集では、消費税率引上げ延期に伴い、実施時期延期等の影響を受ける措置を網羅的に整理する。
大部分の措置が「2年半」延期・延長に
消費税率10%への引上げ時期を平成29年4月1日から平成31年10月1日に2年半先送りするための法案(以下、消費税延期法案)を秋の臨時国会に提出することを念頭に自民・公明両党は7月29日(金)に税調を開催、消費税延期法案について議論、8月2日(火)には与党税制協議会でこれが了承された。この結果、消費税率引上げ延期の影響を受ける各措置について、対応の方向性が固まっている(今号32頁参照)。
大方の予想通り、多くの制度の実施時期は原則として消費税率の引上げ時期と同様に「2年半」延長、あるいは延期されることになる。
具体的には、消費税率の引上げ時期をはじめ、請負契約等の経過措置の指定日、軽減税率の導入時期、区分記載請求書等保存方式の適用期間、中小企業向けの売上税額・仕入税額の計算特例、適格請求書等保存方式(インボイス制度)の導入時期、適格請求書発行事業者の登録申請の開始時期、消費税転嫁対策特別措置法(総額表示の解除)の適用期限、住宅ローン減税(10年間の合計で最大500万円)の適用期限、住宅資金贈与特例の非課税枠の拡大措置(最大3,000万円)の適用期間、車体課税改革(自動車取得税(地方税)の廃止と環境性能割(地方税)の導入)の実施時期、地方法人課税の偏在是正(法人住民税法人税割の税率引下げ、地方法人税の税率引上げ、地方法人特別税・譲与税の廃止等)の実施時期、などはすべて「2年半」延期される。
軽減税率導入に伴う恒久財源確保措置導入は「2年間」延長
大部分の措置が2年半延期・延長される中で、廃止されることとなったのが、「中小事業者以外の事業者」に対する売上税額又は仕入税額の計算の特例(図表2)だ。
図表1のとおり、軽減税率の導入当初の経過措置として導入される「売上税額・仕入税額の計算の特例」は、中小事業者(基準期間における課税売上高5,000万円以下)については「2年半」導入時期が延期されるものの、「中小事業者以外の事業者」については、今回の消費税延期法案により、売上税額の計算特例、仕入税額の計算の特例ともに廃止される。そもそもこの計算特例は軽減税率導入に伴うシステム対応等のための準備期間を考慮して設けられたものだが、税率引上げ延期に伴い軽減税率の導入も延期された結果、もはや経過措置は不要と判断されたようだ。
このほか、軽減税率導入時に自民・公明党間で合意された「平成28年度末までに歳入及び歳出における法制上の措置等を講ずることにより安定的な恒久財源を確保」する措置(所得税法等の一部を改正する法律170条①一)の実施期限は2年間延期し、「平成30年度末まで」となる。予算編成時期を考慮し2年半ではなく2年の延長としている。
中小事業者以外の事業者の売上税額・仕入税額計算特例は廃止へ
消費税率引上げ延期に伴う税制措置の全容
消費税率10%への引き上げ時期を平成29年4月1日から平成31年10月1日へと2年半先送りするための法案が秋の臨時国会に提出されるが、このほどその全容が判明した。
ほとんどの措置の実施が2年半延期される中で、「中小事業者以外の事業者」を対象にした売上税額・仕入税額の計算特例が廃止されることが本誌取材で確認されている。また、軽減税率の財源確保措置は「2年間」延期される。
本特集では、消費税率引上げ延期に伴い、実施時期延期等の影響を受ける措置を網羅的に整理する。
大部分の措置が「2年半」延期・延長に
消費税率10%への引上げ時期を平成29年4月1日から平成31年10月1日に2年半先送りするための法案(以下、消費税延期法案)を秋の臨時国会に提出することを念頭に自民・公明両党は7月29日(金)に税調を開催、消費税延期法案について議論、8月2日(火)には与党税制協議会でこれが了承された。この結果、消費税率引上げ延期の影響を受ける各措置について、対応の方向性が固まっている(今号32頁参照)。
大方の予想通り、多くの制度の実施時期は原則として消費税率の引上げ時期と同様に「2年半」延長、あるいは延期されることになる。
具体的には、消費税率の引上げ時期をはじめ、請負契約等の経過措置の指定日、軽減税率の導入時期、区分記載請求書等保存方式の適用期間、中小企業向けの売上税額・仕入税額の計算特例、適格請求書等保存方式(インボイス制度)の導入時期、適格請求書発行事業者の登録申請の開始時期、消費税転嫁対策特別措置法(総額表示の解除)の適用期限、住宅ローン減税(10年間の合計で最大500万円)の適用期限、住宅資金贈与特例の非課税枠の拡大措置(最大3,000万円)の適用期間、車体課税改革(自動車取得税(地方税)の廃止と環境性能割(地方税)の導入)の実施時期、地方法人課税の偏在是正(法人住民税法人税割の税率引下げ、地方法人税の税率引上げ、地方法人特別税・譲与税の廃止等)の実施時期、などはすべて「2年半」延期される。
軽減税率導入に伴う恒久財源確保措置導入は「2年間」延長
大部分の措置が2年半延期・延長される中で、廃止されることとなったのが、「中小事業者以外の事業者」に対する売上税額又は仕入税額の計算の特例(図表2)だ。
図表1のとおり、軽減税率の導入当初の経過措置として導入される「売上税額・仕入税額の計算の特例」は、中小事業者(基準期間における課税売上高5,000万円以下)については「2年半」導入時期が延期されるものの、「中小事業者以外の事業者」については、今回の消費税延期法案により、売上税額の計算特例、仕入税額の計算の特例ともに廃止される。そもそもこの計算特例は軽減税率導入に伴うシステム対応等のための準備期間を考慮して設けられたものだが、税率引上げ延期に伴い軽減税率の導入も延期された結果、もはや経過措置は不要と判断されたようだ。
このほか、軽減税率導入時に自民・公明党間で合意された「平成28年度末までに歳入及び歳出における法制上の措置等を講ずることにより安定的な恒久財源を確保」する措置(所得税法等の一部を改正する法律170条①一)の実施期限は2年間延期し、「平成30年度末まで」となる。予算編成時期を考慮し2年半ではなく2年の延長としている。
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