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解説記事2019年07月15日 【税制改正解説】 令和元年度における所得税関係の改正について(下)(2019年7月15日号・№795)

税制改正解説
令和元年度における所得税関係の改正について(下)
 櫻井秀樹

Ⅱ 金融・証券税制の改正

1 特定の取締役等が受ける新株予約権等の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等の改正(改正後:特定の取締役等が受ける新株予約権の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等)(措法29の2関係)
(1)改正の内容
① 適用対象者の範囲に、中小企業等経営強化法第13条に規定する認定新規中小企業者等が同法に規定する認定社外高度人材活用新事業分野開拓計画に従って行う社外高度人材活用新事業分野開拓に従事する社外高度人材で、取締役及び使用人等以外の者(その認定社外高度人材活用新事業分野開拓計画の実施時期の開始の日から新株予約権の行使の日まで引き続き居住者であること等の要件を満たす者に限る。以下「特定従事者」という。)を加えることとされた。
② 特定従事者が本特例の適用を受けて取得した特定株式を相続等により取得した個人は、承継特例適用者に該当しないこととされた。このため、その特定株式を相続等により取得した個人が、その特定株式を一定の取決めに従い引き続きその特定株式に係る金融商品取引業者等の振替口座簿に記載若しくは記録を受け、又はその金融商品取引業者等の営業所等に保管の委託若しくは管理等信託をした場合であっても、特定株式に係る振替口座簿への記載等の解約等があった場合のみなし譲渡課税の適用を受けることになる。
③ 特定従事者が、本特例の適用を受けて取得をした株式の譲渡等をするまでに国外転出をする場合には、その国外転出の時に、その株式に係る新株予約権の行使の日におけるその株式の価額に相当する金額等によりその株式の譲渡があったものとみなして、所得税を課することとされた。
(2)適用関係  上記(1)の改正は、取締役等又は特定従事者が中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律(令和元年法律第21号)の施行の日以後に行われる付与決議に基づき締結される契約により与えられる特定新株予約権に係る株式について適用し、取締役等が同日前に行われた付与決議に基づき締結された契約により与えられる特定新株予約権等に係る株式については従前どおりとされている。
(注)中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律(令和元年法律第21号)の施行の日は、同法の公布の日(令和元年6月5日)から6月を超えない範囲内において政令で定める日とされており、その政令は今後定められる。

2 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置等の改正(措法37の14等関係)
(1)改正の内容
① 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(NISA及びつみたてNISA)の改正
 イ 非課税口座を開設している居住者等が給与等の支払をする者からの転任の命令などのやむを得ない事由に基因した一時的な出国により居住者等に該当しないこととなる場合において、その居住者等がその出国の日の前日までにその非課税口座が開設されている金融商品取引業者等の営業所の長に、継続適用届出書を提出したときは、その出国の時から、その者がその金融商品取引業者等の営業所の長に帰国届出書の提出をする日とその継続適用届出書の提出をした日から起算して5年を経過する日の属する年の12月31日とのいずれか早い日までの間は、この非課税措置を引き続き適用できる措置が講じられた。
 ロ 居住者等が非課税口座を開設することができる年齢要件がその年1月1日において18歳以上(改正前:20歳以上)に引き下げられた。
 ハ 非課税口座を開設している居住者等が、その非課税口座が開設されている金融商品取引業者等の営業所の長に対して非課税口座異動届出書を提出することで、その非課税口座にその年に設けられた勘定を変更できることとされた。
 ニ 非課税口座内上場株式等移管依頼書、未成年者口座非課税口座間移管依頼書及び特定口座以外の他の保管口座への非課税口座内上場株式等移管依頼書の提出に代えて行う電磁的方法によるこれらの書類に記載すべき事項を記録した電磁的記録の提供の際に行うこととされている本人確認の方法に、その者の住民票の写し等を提示する方法が加えられた。
② 未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(ジュニアNISA)の改正
 イ 未成年者口座の開設並びに非課税管理勘定及び継続管理勘定の設定をすることができる年齢要件等がその年1月1日において18歳未満(改正前:20歳未満)に引き下げられた。
 ロ 未成年者口座内上場株式等移管依頼書及び特定口座以外の他の保管口座への未成年者口座内上場株式等移管依頼書の提出に代えて行う電磁的方法によるこれらの書類に記載すべき事項を記録した電磁的記録の提供の際に行うこととされている本人確認の方法に、その者の住民票の写し等を提示する方法が加えられた。
(2)適用関係 ① 上記(1)①イの改正は、平成31年4月1日以後に出国をする居住者等について適用される。
② 上記(1)①ロの改正は、令和5年1月1日以後に開設される非課税口座について適用し、同日前に開設された非課税口座については、従前どおりとされている。
③ 上記(1)①ハの改正は、平成31年4月1日以後に提出する非課税口座異動届出書について適用し、同日前に提出された非課税口座異動届出書については、従前どおりとされている。
④ 上記(1)①ニの改正は、平成31年4月1日以後に行う電磁的方法による移管依頼書に記載すべき事項の提供について適用し、同日前に行った電磁的方法による移管依頼書に記載すべき事項の提供については、従前どおりとされている。
⑤ 上記(1)②イの改正は、令和5年1月1日以後に開設される未成年者口座及び同日以後に設けられる非課税管理勘定について適用し、同日前に開設された未成年者口座及び同日前に設けられた非課税管理勘定については、従前どおりとされている。
(注)継続管理勘定が設けられるのは令和6年以降であることから、上記(1)②イの改正のうち、継続管理勘定の設定に係る年齢要件の改正については、特段の経過措置が設けられていない。
⑥ 上記(1)②ロの改正は、平成31年4月1日以後に行う電磁的方法による移管依頼書に記載すべき事項の提供について適用し、同日前に行った電磁的方法による移管依頼書に記載すべき事項の提供については、従前どおりとされている。

3 上場株式等の配当等に係る源泉徴収義務等の特例の改正(措令4の6の2等関係)
(1)改正の内容
① 支払の取扱者が交付をする上場株式等の配当等に係る源泉徴収所得税の額から控除することとされているその証券投資信託等又は特定受益証券発行信託を引き受けた内国法人又は外国法人が納付した所得税、復興特別所得税又は外国源泉所得税の額から、その所得税又は外国源泉所得税の課せられた収益を分配するとしたならば特別分配金のみに対応する部分が除外された。
  また、その所得税、復興特別所得税又は外国源泉所得税の額の計算に当たって用いるその証券投資信託等又は特定受益証券発行信託の収益の分配及び支払の取扱者が支払を受ける者に交付をする収益の分配から、その所得税又は外国源泉所得税の課せられた収益を分配するとしたならば特別分配金のみに対応する部分が除外された。
② 本特例の対象となる受益権を他の証券投資信託の受託者に取得させることを目的とする証券投資信託の範囲に、その受益権を表示する受益証券が発行されていないもののうち信託契約によりその受益権の譲渡が制限されているものが追加された。
③ 支払の取扱者は、上場株式等の配当等に係る源泉徴収所得税から証券投資信託等又は特定受益証券発行信託の信託財産について納付した所得税、復興特別所得税又は外国源泉所得税の額等を控除したことを証する書類及びこれらの金額の計算に関する明細書を、その金額を控除した日の属する年の翌年から7年間、納税地に保存しなければならないこととされた。
(2)適用関係  上記(1)の改正は、令和2年1月1日に施行することとされている。

4 特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例の改正(措令25の10の2関係)
(1)改正の内容
 特定口座制度の利便性を高める観点等から、上場株式等保管委託契約に基づき特定口座に受入れ可能な上場株式等の範囲に、居住者等が発行法人等に対して役務の提供をした場合において、これらの者がその役務の提供の対価としてその発行法人等から取得する上場株式等で、その役務の提供の対価としてこれらの者に生ずる債権の給付と引換えにこれらの者に交付されるもの(これらの者に給付されることに伴ってその債権が消滅する場合の上場株式等を含む。)の全てを、その取得の時に、これらの者の特定口座に係る振替口座簿に振替記載等をする方法により受け入れるものが追加された。
(2)適用関係  上記(1)の改正は、平成31年4月1日以後に発行法人等に対する役務の提供の対価としてその発行法人等から取得する上場株式等について適用される。

5 特定中小会社が発行した株式に係る特例等の改正(措法37の13等関係)
(1)改正の内容
① 特定中小会社の見直し
  認可金融商品取引業協会(具体的には日本証券業協会をいう。)の規則においてその事業の成長発展が見込まれるものとしてその銘柄を指定する「グリーンシート銘柄制度」が、平成30年3月31日をもって廃止されたことを踏まえ、次に掲げる特例の対象となる特定中小会社から「グリーンシート銘柄制度により銘柄指定を受けている株式を発行する株式会社で設立後10年未満の中小企業者」が除外された。
 イ 特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除の特例
 ロ 特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除の特例
② 沖縄振興特別措置法に規定する指定会社の指定期限の延長
  上記①イ及びロの特例並びに特定新規中小会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例の対象となる沖縄振興特別措置法に規定する指定会社について、同法の規定に基づく指定期限が令和3年3月31日まで2年延長された。
(2)適用関係  上記(1)①の改正は、個人が平成31年4月1日前に払込みにより取得をした上記(1)①の特定中小会社が発行した特定株式に係る上記(1)①イ及びロの特例については従前どおりとされている。

6 組織再編税制の見直しに伴う改正(措法37の10等関係)
(1)改正の内容
 一般株式等に係る譲渡所得等に係る収入金額とみなして課税される法人の合併及び分割並びに上場株式等に係る譲渡所得等に係る収入金額とみなして課税される法人の合併及び分割から、次に掲げるものが除外された。
① 法人の株主等がその法人の合併により合併法人との間にその合併法人の発行済株式等の全部を間接に保有する関係がある法人の株式又は出資以外の資産が交付されない場合のその法人の合併
② 法人の株主等がその法人の分割により分割承継法人との間にその分割承継法人の発行済株式等の全部を間接に保有する関係がある法人の株式又は出資以外の資産が交付されない場合のその法人の分割
(2)適用関係  上記の(1)の改正は、平成31年4月1日以後に行われる合併又は分割について適用し、同日前に行われた合併又は分割については従前どおりとされている。

7 勤労者財産形成住宅(年金)貯蓄の利子所得等の非課税の改正(措規3の5等関係)
(1)改正の内容
① 財産形成非課税住宅(年金)貯蓄申告書を提出した者が、その提出後、氏名又は住所の変更等の一定の事情変更が生じた場合(個人番号の変更をした場合を除く。)に提出する財産形成非課税住宅(年金)貯蓄に関する異動申告書には、個人番号の記載を要しないこととされた。
② 財産形成非課税住宅(年金)貯蓄に関する事務の全部を移管しようとする場合に提出する財産形成非課税住宅(年金)貯蓄に関する異動申告書及び財産形成非課税住宅(年金)貯蓄の勤務先異動申告書には、個人番号の記載を要しないこととされた。
(2)適用関係 ① 上記(1)の改正は、平成31年4月1日以後に提出する財産形成非課税住宅(年金)貯蓄に関する異動申告書及び財産形成非課税住宅(年金)貯蓄の勤務先異動申告書について適用し、同日前に提出した財産形成非課税住宅(年金)貯蓄に関する異動申告書及び財産形成非課税住宅(年金)貯蓄の勤務先異動申告書については従前どおりとされている。
② 平成28年1月1日前に財産形成非課税住宅(年金)貯蓄申告書を提出した者でその提出先に個人番号の告知をしていないものが、平成31年4月1日以後最初に財産形成非課税住宅(年金)貯蓄に関する異動申告書又は財産形成非課税住宅(年金)貯蓄の勤務先異動申告書を提出する場合については、上記(1)の改正後の措置は適用しない(すなわち個人番号の記載を要する)こととする経過措置が設けられている。

8 番号の告知に関する所要の措置(番号整備法8等関係)
(1)改正の内容
① 告知期限の延長
  番号利用開始日(平成28年1月1日)前の契約の締結等の際に既に告知及び本人確認をしているためその契約の締結等の日以後の金銭等の支払等の都度、告知及び本人確認をすることを要しないこととされているもの等に係る次の個人番号又は法人番号の告知及び告知書の提出(以下「告知等」という。)について、その期限が番号利用開始日から6年(改正前:3年)を経過した日(令和4年1月1日)以後の最初の支払日まで3年延長された。
 イ 利子、配当等の受領者の告知
 ロ 無記名公社債の利子等に係る告知書の提出
 ハ 株式等の譲渡の対価の受領者の告知
 ニ 交付金銭等の受領者の告知
 ホ 償還金等の受領者の告知
 ヘ 信託受益権の譲渡の対価の受領者の告知
 ト 先物取引の差金等決済をする者の告知
 チ 金地金等の譲渡の対価の受領者の告知
 リ 特定株式投資信託の受益者に係る情報の受託者への告知
 ヌ 特定口座開設届出書の提出をする者の告知
 ル 非課税口座開設届出書の提出をする者の告知
 ヲ 国外送金等をする者の告知書の提出
 ワ 国外証券移管等をする者の告知書の提出
② 振替機関を経由して個人番号を確認した場合の特例
  支払者等が上記①の個人番号の告知をしていない者(以下「番号未告知者」という。)の個人番号を国税通則法の「振替機関から支払調書の提出義務者への加入者の番号等の提供制度」により振替機関から提供を受けて確認した場合には、その番号未告知者からその支払者等に上記①の告知があったものとみなすこと等とされた。
(2)適用関係  上記(1)②の改正は、令和2年4月1日から施行することとされている。

Ⅲ 事業所得等に係る税制の改正

1 試験研究を行った場合の所得税額の特別控除制度の改正(措法10関係)
(1)改正の内容
① 試験研究費の総額に係る特別税額控除制度について、次のとおりとすることとされた。
 イ 特別税額控除割合が次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める割合とされた。
 (イ)増減試験研究費割合が8%を超える場合……9.9%に、その増減試験研究費割合から8%を控除した割合に0.3を乗じて計算した割合を加算した割合(上限:10%)
 (ロ)増減試験研究費割合が8%以下である場合……9.9%から、8%からその増減試験研究費割合を減算した割合に0.175を乗じて計算した割合を減算した割合(下限:6%)
 (ハ)その年が事業を開始した日の属する年である場合又は比較試験研究費の額が零である場合……8.5%
 ロ 税額控除割合(上記イ(イ)及び下記ハ)の上限(原則:10%)を14%とする措置の適用期限が令和3年まで2年延長することとされた。
 ハ 試験研究費割合が10%を超える場合の措置に、税額控除割合を、上記イ(イ)から(ハ)までにより算出した割合とその割合に控除割増率(その試験研究費割合から10%を控除した割合に0.5を乗じて計算した割合(上限:10%)をいう。)を乗じて計算した割合とを合計した割合(上限:10%)とする措置が追加された上、その適用期限が令和3年まで2年延長された。
② 中小企業技術基盤強化税制について、増減試験研究費割合が5%を超える場合の措置が、増減試験研究費割合が8%を超える場合の措置に見直された上、その適用期限が令和3年まで2年延長された。また、上記①ハと同じ見直しが行われた。
③ 特別試験研究費の額に係る特別税額控除制度について、次の見直しが行われた。
 イ 特別試験研究における委託研究に、大企業への一定の委託研究(特別税額控除割合:20%)が追加された。
 ロ 産業競争力強化法の新事業開拓事業者等との共同研究及び新事業開拓事業者等への委託研究に係る特別税額控除割合が、25%とされた。
 ハ 特別税額控除額の上限が、調整前事業所得税額の10%(改正前:5%)相当額に引き上げられた。
④ 平均売上金額の10%相当額を超える試験研究費の額に係る特別税額控除制度は適用期限(令和元年分)の到来をもって廃止された。
(2)適用関係  上記(1)の改正は、令和2年分以後の所得税について適用し、令和元年分以前の所得税については従前どおりとされている。

2 中小事業者が機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の改正(措法10の3関係)  この制度の適用期限が令和3年3月31日まで2年延長された。

3 地域経済牽(けん)引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の改正(措法10の4関係)
(1)改正の内容
 次の見直しが行われた上で、適用期限が令和3年3月31日まで2年延長された。
① 平成31年4月1日以後に地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律の承認を受けた個人がその地域の成長発展の基盤強化に著しく資する承認地域経済牽引事業の用に供した機械装置及び器具備品について、償却割合が50%(改正前:40%)に、特別税額控除割合が5%(改正前:4%)に、それぞれ引き上げられた。
② 一の特定地域経済牽引事業施設等を構成する機械等の取得価額の合計額の上限が80億円(改正前:100億円)に引き下げられた。
(2)適用関係 ① 上記(1)①の改正は、平成31年4月1日から施行されている。
② 上記(1)②の改正は、個人が平成31年4月1日以後に取得又は製作若しくは建設をする特定事業用機械等について適用し、個人が同日前に取得又は製作若しくは建設をした特定事業用機械等については従前どおりとされている。

4 特定中小事業者が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の改正(措法10の5の2関係)
(1)改正の内容
 対象設備が、認定経営革新等支援機関等が特定中小事業者の経営の改善に特に資することにつき確認をした旨の記載がある経営改善指導助言書類に記載されたものに限定された上で、適用期限が令和3年3月31日まで2年延長された。
(2)適用関係  上記(1)の改正は、個人が平成31年4月1日以後に取得等をする経営改善設備について適用し、個人が同日前に取得等をした経営改善設備については従前どおりとされている。
 ただし、個人が、同日前に経営改善指導助言書類の交付を受け、同日から令和元年9月30日までの間にその経営改善指導助言書類に係る経営改善設備の取得等をする場合には、その経営改善設備を上記(1)の確認をした旨の記載がある経営改善指導助言書類に係る経営改善設備とみなすこととされている。

5 特定中小事業者が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の改正(措法10の5の3関係)  この制度の適用期限が令和3年3月31日まで2年延長された。

6 特定設備等の特別償却制度の改正(措法11関係)
(1)改正の内容
① 公害防止用設備の特別償却制度は、適用期限(平成31年3月31日)の到来をもって廃止された。
② 船舶の特別償却制度について、次の見直しが行われた上で、適用期限が令和3年3月31日まで2年延長された。
 イ 外航船舶について、次の見直しが行われた。
 (イ)特定先進船舶に該当する外航船舶に係る特別償却割合が、次の特定先進船舶の区分に応じそれぞれ次のとおり引き上げられた。
  (a)日本船舶に該当する特定先進船舶……20%(改正前:18%)
  (b)日本船舶に該当しない特定先進船舶……18%(改正前:16%)
 (ロ)特定先進船舶に該当しない外航船舶に係る特別償却割合が、次の特定先進船舶の区分に応じそれぞれ次のとおり引き下げられた。
  (a)日本船舶に該当する外航船舶……17%(改正前:18%)
  (b)日本船舶に該当しない外航船舶……15%(改正前:16%)
 (ハ)環境への負荷の低減に係る要件の見直しが行われた。
 ロ 内航船舶について、環境への負荷の低減に係る要件の見直しが行われた。
③ 自動車教習用貨物自動車の特別償却制度は、適用期限(平成31年3月31日)の到来をもって廃止された。
(2)適用関係 ① 上記(1)①及び③の改正は、個人が平成31年4月1日前に取得等をした減価償却資産については従前どおりとされている。
② 上記(1)②イ(イ)及び(ロ)の改正は、個人が平成31年4月1日以後に取得等をする減価償却資産について適用し、個人が同日前に取得等をした減価償却資産については従前どおりとされている。
③ 上記(1)②イ(ハ)及びロの改正は、平成31年4月1日から施行されている。

7 特定事業継続力強化設備等の特別償却制度の創設(措法11の4関係)
(1)制度の内容
 青色申告書を提出する個人で中小事業者であるもののうち中小企業等経営強化法の認定を受けた同法の中小企業者に該当するものが、中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律の施行の日から令和3年3月31日までの間に、その認定に係る事業継続力強化計画又は連携事業継続力強化計画(以下「認定事業継続力強化計画等」という。)に係る事業継続力強化設備等としてその認定事業継続力強化計画等に記載された機械装置及び器具備品並びに建物附属設備の取得等をして、その者の事業の用に供した場合には、その取得価額の20%相当額の特別償却ができることとされた。
(2)適用関係  上記(1)の制度は、中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律の施行の日から施行することとされている。

8 特定地域における工業用機械等の特別償却制度の改正(措法12関係)  この制度の適用期限が、令和3年3月31日まで2年延長された。

9 医療用機器の特別償却制度の改正(改正後:医療用機器等の特別償却制度)(措法12の2関係)
(1)改正の内容
① 高度な医療の提供に資する機器について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和3年3月31日まで2年延長された。
 イ 対象機器のうち構想区域等内の病院におけるCT及びMRIについて、配置効率化要件が付された。
 ロ 対象機器の追加及び除外が行われた。
② 次の措置が追加された。
 イ 青色申告書を提出する個人で医療保健業を営むものが、平成31年4月1日から令和3年3月31日までの間に、勤務時間短縮用設備等の取得等をして、その個人の営む医療保健業の用に供した場合には、その用に供した年において、その取得価額の15%相当額の特別償却ができる措置
 ロ 青色申告書を提出する個人で医療保健業を営むものが、平成31年4月1日から令和3年3月31日までの間に、構想区域等内において、構想適合病院用建物等の取得等をして、その個人の営む医療保健業の用に供した場合には、その用に供した年において、その取得価額の8%相当額の特別償却ができる措置
(2)適用関係 ① 上記(1)①の改正は、個人が平成31年4月1日以後に取得等をする医療用機器について適用し、同日前に取得等をした医療用機器については従前どおりとされている。
② 上記(1)②の措置は、平成31年4月1日から施行されている。

10 事業再編計画の認定を受けた場合の事業再編促進機械等の割増償却制度の改正(措法13の2関係)  この制度の適用期限が令和3年3月31日まで2年延長された。

11 特定都市再生建築物等の割増償却制度の改正(改正後:特定都市再生建築物の割増償却制度)(措法14関係)
(1)改正の内容
 次の見直しが行われた上で、適用期限が令和3年3月31日まで2年延長された。
① 都市再生特別措置法の認定計画に基づく都市再生事業により特定都市再生緊急整備地域を除く都市再生緊急整備地域内において整備される建築物の割増償却割合が、25%(改正前:30%)に引き下げられた。
② 特定都市再生建築物等から、雨水貯留利用施設が除外された。
(2)適用関係 ① 上記(1)①の改正は、個人が平成31年4月1日以後に取得等をする建築物について適用し、個人が同日前に取得等をした建築物については従前どおりとされている。
② 上記(1)②の改正は、個人が平成31年4月1日前に取得等をした雨水貯留利用施設については従前どおりとされている。

12 探鉱準備金制度の改正(措法22関係)  この制度の適用期限が令和4年3月31日まで3年延長された。

Ⅳ その他の改正

1 国等に対して重要文化財を譲渡した場合の譲渡所得の非課税の改正(措法40の2関係)
(1)改正の内容
 本特例の対象に、重要文化財を文化財保護法に規定する文化財保存活用支援団体(一定のものに限る。)に譲渡した一定の場合が追加された。
(2)適用関係  上記(1)の改正は、個人が平成31年4月1日以後に行う資産の譲渡について適用し、個人が同日前に行った資産の譲渡については従前どおりとされている。

2 債務処理計画に基づき資産を贈与した場合の課税の特例の改正(措法40の3の2関係)
(1)改正の内容
 債務処理計画が平成28年4月1日以後に策定されたものである場合において、同日前に株式会社地域経済活性化支援機構法の再生支援決定等の対象となった法人に該当しないものであることとの要件を満たすときは、贈与を受ける内国法人が金融機関から受けた事業資金の貸付けについてその貸付けに係る債務の弁済の負担を軽減するため中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律の施行の日(平成21年12月4日)から平成28年3月31日までの間に条件の変更が行われていることとの要件を満たすことを要しないこととされた上、その適用期限が令和4年3月31日まで3年延長された。
(2)適用関係  上記(1)の改正は、個人が平成31年4月1日以後に行う贈与について適用し、個人が同日前に行った贈与については従前どおりとされている。

3 給付金の非課税の改正(改正後:給付金等の非課税)(措法41の8関係)
(1)改正の内容
 次の給付金等については、所得税を課さないこととされた。
① 児童扶養手当の支給を受ける者その他の次に掲げる者に対して令和元年度の予算における母子家庭等対策費補助金を財源として都道府県、市町村又は特別区から給付される給付金(未婚の児童扶養手当受給者に対する臨時・特別給付金)。
 イ 令和元年11月分の児童扶養手当法による児童扶養手当の支給に係る同法の監護等児童の父又は母で次に掲げる要件の全てを満たすもの
 (イ)その児童扶養手当の支給を受ける者であること。
 (ロ)令和元年10月31日において婚姻をしたことがない者であること。
 (ハ)令和元年10月31日において婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者がいない者であること又はその父若しくは母とその事情にあった者の生死が同日において明らかでない者であること。
 ロ イに掲げる者が令和元年11月1日以後に死亡した場合における同年10月31日においてその者の監護等児童であった者
② 児童養護施設に入所している者等に対して都道府県等が行う金銭の貸付けに係る債務の免除を受けた場合のその免除により受ける経済的な利益の価額
(2)適用関係  上記(1)の改正は、令和元年分以後の所得税について適用し、平成30年分以前の所得税については従前どおりとされている。

4 消滅時効を援用せずに支払うこととされた公的年金等に対する源泉徴収の不適用の改正(措法41の15の4関係)
(1)改正の内容
 「年金給付(保険給付)を受ける権利(いわゆる基本権)」及び「当該権利に基づき支払期月ごとに支払うものとされる年金給付(保険給付)の支給を受ける権利(いわゆる支分権)」のそれぞれについて、これらの権利の消滅時効を援用せずに居住者に支払うこととされた公的年金等に本特例の適用があることが明確化された。
(2)適用関係  上記(1)の改正は、令和2年4月1日から施行される。

5 政治活動に関する寄附をした場合の寄附金控除の特例又は所得税額の特別控除の改正(措法41の18関係)  この制度の適用期限が令和6年12月31日まで5年延長された。

6 保険年金の保険金受取人等に係る更正の請求の特例及び特別還付金の支給制度の廃止(旧措法41の20の2等関係)
(1)改正の内容
 この制度は、請求期限(平成24年6月末)を経過し、過去の還付手続も全て完了し今後の適用も見込まれないことから廃止された。
(2)適用関係  上記(1)の改正は、個人が平成31年4月1日前に行った更正の請求及び個人が同日前に提出した特別還付金請求書に係る特別還付金については、従前どおりとされている。

7 確定申告書の添付書類に関する改正(措令4の2等関係)
(1)改正の内容
 次の書類については、確定申告書への添付を要しないこととされた。
① オープン型証券投資信託収益の分配の支払通知書
② 配当等とみなす金額に関する支払通知書
③ 上場株式配当等の支払通知書
④ 特定口座年間取引報告書
⑤ 未成年者口座等につき契約不履行等事由が生じた場合の報告書
⑥ 特定割引債の償還金等の支払通知書
⑦ 相続財産に係る譲渡所得の課税の特例を適用する際の相続税額等を記載した書類
(2)適用関係  上記(1)の改正は、平成31年4月1日以後に確定申告書等を提出する場合について適用し、同日前に確定申告書等を提出した場合については従前どおりとされている。

8 本人確認書類の範囲の改正(措規18の12等関係)
(1)改正の内容
 住所等確認書類の範囲に、中核市の長から支給を受けた療育手帳が加えられた。
(2)適用関係  上記(1)の改正は、平成31年4月1日から施行されている。

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