税務ニュース2015年03月02日 二重課税裁判、納税者敗訴で決着(2015年3月2日号・№584) 相続土地の値上り益への相続税・譲渡所得課税は二重課税に当たらず
二重課税裁判、納税者敗訴で決着
相続土地の値上り益への相続税・譲渡所得課税は二重課税に当たらず
相続時までの土地の値上り益への相続税・譲渡所得課税が二重課税か否かが問題となった本件訴訟は、長崎年金事件の最高裁判決を契機として提起されていたものだ。
長崎年金事件の最高裁判決では、年金の方法により支払いを受ける保険金(年金受給権)について、年金受給権(定期金に関する権利)に相続税が課税され、さらに毎回受け取る年金に所得税が課税されることが二重課税に該当する旨が判示されていた(最高裁第三小法廷平成22年7月6日判決)。納税者は、この長崎年金事件における最高裁の判断内容を拠り所の1つとして、相続時までの土地の値上り益に対して相続税と所得税が課税されることも二重課税であると本件訴訟で主張していた。
しかし、この主張に対し第一審の東京地裁(平成25年6月20日判決)および東京高裁(平成25年11月21日判決)は、相続時までの土地の値上り益に対して相続税と所得税が課税されることは二重課税に該当しないと判断。納税者の請求を斥けていた(本誌509号8頁、525号11頁参照)。
第一審と控訴審で敗訴した納税者は、判決を不服として、最高裁に対して上告および上告受理申立てを提起。相続した土地の値上り益に対する二重課税をめぐる問題の決着は最高裁に委ねられていた。
だが、このほど、最高裁第二小法廷(山本庸幸裁判長)が今年1月16日付けで、納税者の上告棄却および上告受理申立てを受理しないことを決定したことが本誌取材により明らかとなった(平成26年(行ツ)92号、平成26年(行ヒ)97号)。
また、本件と同様に、相続土地の二重課税が問題となっていた別件の訴訟事案でも、控訴審(東京高裁平成26年3月27日判決、本誌542号13頁参照)で敗訴した納税者の上告および上告受理申立てがそれぞれ棄却および不受理となったことが判明している(平成26年(行ツ)251号、平成26年(行ヒ)257号)。
実務家の関心が大きく寄せられていた相続土地の値上り益をめぐる二重課税裁判は、今回の上告棄却および上告不受理により、納税者の敗訴で幕を閉じる結果となった。
相続土地の値上り益への相続税・譲渡所得課税は二重課税に当たらず
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長崎年金事件の最高裁判決では、年金の方法により支払いを受ける保険金(年金受給権)について、年金受給権(定期金に関する権利)に相続税が課税され、さらに毎回受け取る年金に所得税が課税されることが二重課税に該当する旨が判示されていた(最高裁第三小法廷平成22年7月6日判決)。納税者は、この長崎年金事件における最高裁の判断内容を拠り所の1つとして、相続時までの土地の値上り益に対して相続税と所得税が課税されることも二重課税であると本件訴訟で主張していた。
しかし、この主張に対し第一審の東京地裁(平成25年6月20日判決)および東京高裁(平成25年11月21日判決)は、相続時までの土地の値上り益に対して相続税と所得税が課税されることは二重課税に該当しないと判断。納税者の請求を斥けていた(本誌509号8頁、525号11頁参照)。
第一審と控訴審で敗訴した納税者は、判決を不服として、最高裁に対して上告および上告受理申立てを提起。相続した土地の値上り益に対する二重課税をめぐる問題の決着は最高裁に委ねられていた。
だが、このほど、最高裁第二小法廷(山本庸幸裁判長)が今年1月16日付けで、納税者の上告棄却および上告受理申立てを受理しないことを決定したことが本誌取材により明らかとなった(平成26年(行ツ)92号、平成26年(行ヒ)97号)。
また、本件と同様に、相続土地の二重課税が問題となっていた別件の訴訟事案でも、控訴審(東京高裁平成26年3月27日判決、本誌542号13頁参照)で敗訴した納税者の上告および上告受理申立てがそれぞれ棄却および不受理となったことが判明している(平成26年(行ツ)251号、平成26年(行ヒ)257号)。
実務家の関心が大きく寄せられていた相続土地の値上り益をめぐる二重課税裁判は、今回の上告棄却および上告不受理により、納税者の敗訴で幕を閉じる結果となった。
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