会計ニュース2015年08月10日 売上リベートの認識時期が異なることに(2015年8月10日号・№606) 収益認識会計導入で仮価格の精算などにも影響
売上リベートの認識時期が異なることに
収益認識会計導入で仮価格の精算などにも影響
企業会計基準委員会は現在、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を日本企業に適用した場合の論点の洗い出しを行っているが、このうちの論点の1つが変動対価に関する取扱いだ。日本の商慣行において変動対価に該当すると考えられる取引としては、売上リベート、仮価格の精算、マイルストーン達成に応じた支払いなどがある。
ただ、現行の日本基準では変動対価に関する一般的な定めはない。実務上は売上リベートであれば、支払いの可能性が高いと判断された時点で収益の減額又は販売費として計上されるのが一般的となっている。
一方、IFRS第15号では、変動対価の見積りについては取引価格に反映させることから、履行義務の充足時点で認識される金額に売上リベートの見積り額が反映されることになる。このため、売上リベートを認識する時期が日本における実務上の取扱いと異なることになる。また、売上リベートを販売費に計上していた場合には、勘定科目が変更され、計上される収益の金額が減少することになる。加えて見積り方法も異なれば、認識される金額も変わる可能性が高い。この点、IFRS第15号では見積り方法として最頻値又は期待値のいずれかを使用することとされている。
また、仮価格の精算についても同様だ。日本基準による実務では、販売時に仮価格で収益を認識し、顧客との交渉状況に応じて各期末時点で単価の見直しを行っていることが多いと想定される。一方、IFRS第15号では履行義務の充足時点で認識される金額に仮価格の精算見込み額が反映されることになるため、収益認識の時期はやはり日本の実務上の取扱いと異なることになる。
これらのように仮にIFRS第15号と同様の取扱いが日本基準として導入された場合には一定の経理実務の変更を伴うことになるほか、見積りが困難となるケースも想定される。多くの企業において売上リベートによる支払いが行われている現状を考えると、日本企業に与える影響は大きいものとなりそうだ。
収益認識会計導入で仮価格の精算などにも影響
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ただ、現行の日本基準では変動対価に関する一般的な定めはない。実務上は売上リベートであれば、支払いの可能性が高いと判断された時点で収益の減額又は販売費として計上されるのが一般的となっている。
一方、IFRS第15号では、変動対価の見積りについては取引価格に反映させることから、履行義務の充足時点で認識される金額に売上リベートの見積り額が反映されることになる。このため、売上リベートを認識する時期が日本における実務上の取扱いと異なることになる。また、売上リベートを販売費に計上していた場合には、勘定科目が変更され、計上される収益の金額が減少することになる。加えて見積り方法も異なれば、認識される金額も変わる可能性が高い。この点、IFRS第15号では見積り方法として最頻値又は期待値のいずれかを使用することとされている。
また、仮価格の精算についても同様だ。日本基準による実務では、販売時に仮価格で収益を認識し、顧客との交渉状況に応じて各期末時点で単価の見直しを行っていることが多いと想定される。一方、IFRS第15号では履行義務の充足時点で認識される金額に仮価格の精算見込み額が反映されることになるため、収益認識の時期はやはり日本の実務上の取扱いと異なることになる。
これらのように仮にIFRS第15号と同様の取扱いが日本基準として導入された場合には一定の経理実務の変更を伴うことになるほか、見積りが困難となるケースも想定される。多くの企業において売上リベートによる支払いが行われている現状を考えると、日本企業に与える影響は大きいものとなりそうだ。
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