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税務ニュース2016年09月26日 課税特例一部不適用も錯誤無効は認めず(2016年9月26日号・№660) 地裁、売買契約の無効を来たすような動機の錯誤があったとは認められず

課税特例一部不適用も錯誤無効は認めず
地裁、売買契約の無効を来たすような動機の錯誤があったとは認められず

原告(納税者)が被告(地方自治体)に対し、収用された土地の一部に課税特例の適用がなかったことを理由に売買契約の錯誤無効を主張した裁判で、原告が敗訴(東京地裁平成28年6月28日判決)。
地裁、本件土地のすべてに課税特例の適用を受けることが原告から被告に表示され、法律行為の内容となったものということはできず。
 被告である地方自治体は、市街地総合整備事業に関する土地買収を行うなかで、原告である納税者が所有する本件土地を約7,500万円で譲り受ける旨の本件売買契約を締結。契約書には、原告から譲り受けた本件土地を「道路用地」及び「公園用地」として利用する旨などが明記されていた。
 原告は、本件土地に関する譲渡所得の全部について「収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例(措置法33①)」(以下「課税特例」)の適用を受けることを前提とした申告書を提出。これに対し税務署は、代理人である税理士に対し公園用地に係る譲渡所得は課税特例の適用がない旨を指摘。原告は、道路部分のみ課税特例の適用を受け、公園部分は「特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の特別控除(措置法34の2)」(以下「特別控除」)の適用を受けることを前提とする修正申告書を提出し、約1,100万円を追加納付した。
 本件訴訟のなかで原告は、課税特例が適用されることを本件売買契約の動機として表示したにもかかわらず、その一部(公園用地)に課税特例の適用を受けることができなかったことから本件売買契約には動機の錯誤があり、無効になると主張していた。
 これに対し裁判所は、本件売買契約の締結時までに公園用地に係る譲渡所得も課税特例の適用を受けるということが原告から被告に対して確定したものとして伝えられたものと認めることはできないと指摘。また、被告の担当者は一貫して公園用地に係る譲渡所得について特別控除の適用ないし利用を説明しており、本件売買契約の締結の際にも特別控除を利用するための証明書を原告に交付している点を指摘した。
 そのうえで裁判所は、原告が公園用地に係る譲渡所得について特別控除の適用を受けていることなども踏まえると、課税特例の適用の有無についての錯誤がなければ売主としての意思表示をしなかったであろうということが法律行為の目的及び社会通念に照らして相当であるとは認め難いと指摘。本件売買契約の無効を来たすような動機の錯誤が原告にあったということはできないと判断したうえで、本件売買契約の錯誤無効を主張した原告の請求を斥けた。

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