税務ニュース2017年03月06日 譲渡日の調整による欠損金活用不可に(2017年3月6日号・№681) 適格合併等に係る欠損金引継制限が適用されない期間の塞ぎ方は
譲渡日の調整による欠損金活用不可に
適格合併等に係る欠損金引継制限が適用されない期間の塞ぎ方は
適格合併においても、合併法人と被合併法人の間に一定期間の支配関係があるか、当該合併がみなし共同事業要件を満たさない場合には欠損金を引き継げない。引き継げないのは、(1)「支配関係事業年度(合併法人と被合併法人との間に最後に支配関係が生じた日の属する事業年度)」前に生じた欠損金額(法法57条③一)、(2)支配関係事業年度以後の欠損金額のうち「特定資産譲渡等損失額に相当する金額から成る部分の金額」(法法57条③二)、とされる。
今回改正されるのが(2)だ。法人税法上、「特定資産譲渡等損失額に相当する金額から成る部分の金額」は、「支配関係発生日」において有する資産に係る損失であるため(法令112条⑤)、「支配関係事業年度の開始日」から「支配関係発生日の前日まで」の期間に特定資産を譲渡すれば、その譲渡損失は損金算入できてしまう。そこで29年度改正では、この期間に生じた特定資産譲渡等損失額を損金不算入とする。
同様の問題は、合併法人等の欠損金額の使用制限(法法57条④)においても生じる。これは、合併法人等に係る「特定資産譲渡等損失額に相当する金額から成る部分の金額」は、法令112条⑤を準用して計算されるため(法令112条⑪)。したがって、ここでも同様の改正が実施される。
また、現行制度上、欠損等法人(42頁参照)が残余財産の確定など一定の“トリガー事由”に該当した場合には、適格合併又は残余財産の確定による繰越欠損金の引継ぎは不可とされるとともに(法法57条の2①)、他の者に支配された日(支配日)において有していた含み損資産の譲渡等損失は損金不算入となる(法法60条の3①)。このように、損金不算入となるのは「支配日において有していた含み損資産」に係る損失であるため、支配日とトリガー事由該当日が同一事業年度にある場合、適用事業年度開始日から支配日の前日までの期間に資産を譲渡すれば、その譲渡損失は損金算入できる。そこで29年度改正では、この期間に生じた損失も損金不算入とする。
さらに、上記のとおり、適用事業年度前に生じた未処理欠損金が切り捨てられるのは「一定の期間」内にトリガー事由に該当した場合であるため、残余財産の確定日が「一定の期間」外にある場合には、未処理欠損金の引継ぎが可能になる。そこで29年度改正では、「一定の期間」外で残余財産が確定した場合でも、親法人はその未処理欠損金を引き継げないようにする。
適格合併等に係る欠損金引継制限が適用されない期間の塞ぎ方は
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今回改正されるのが(2)だ。法人税法上、「特定資産譲渡等損失額に相当する金額から成る部分の金額」は、「支配関係発生日」において有する資産に係る損失であるため(法令112条⑤)、「支配関係事業年度の開始日」から「支配関係発生日の前日まで」の期間に特定資産を譲渡すれば、その譲渡損失は損金算入できてしまう。そこで29年度改正では、この期間に生じた特定資産譲渡等損失額を損金不算入とする。
同様の問題は、合併法人等の欠損金額の使用制限(法法57条④)においても生じる。これは、合併法人等に係る「特定資産譲渡等損失額に相当する金額から成る部分の金額」は、法令112条⑤を準用して計算されるため(法令112条⑪)。したがって、ここでも同様の改正が実施される。
また、現行制度上、欠損等法人(42頁参照)が残余財産の確定など一定の“トリガー事由”に該当した場合には、適格合併又は残余財産の確定による繰越欠損金の引継ぎは不可とされるとともに(法法57条の2①)、他の者に支配された日(支配日)において有していた含み損資産の譲渡等損失は損金不算入となる(法法60条の3①)。このように、損金不算入となるのは「支配日において有していた含み損資産」に係る損失であるため、支配日とトリガー事由該当日が同一事業年度にある場合、適用事業年度開始日から支配日の前日までの期間に資産を譲渡すれば、その譲渡損失は損金算入できる。そこで29年度改正では、この期間に生じた損失も損金不算入とする。
さらに、上記のとおり、適用事業年度前に生じた未処理欠損金が切り捨てられるのは「一定の期間」内にトリガー事由に該当した場合であるため、残余財産の確定日が「一定の期間」外にある場合には、未処理欠損金の引継ぎが可能になる。そこで29年度改正では、「一定の期間」外で残余財産が確定した場合でも、親法人はその未処理欠損金を引き継げないようにする。
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