税務ニュース2018年10月01日 IoT税制の賃上げ、連結全体で判定(2018年10月1日号・№757) 計画の申請を行った連結法人だけがクリアしてもNG
IoT税制の賃上げ、連結全体で判定
計画の申請を行った連結法人だけがクリアしてもNG
平成30年度税制改正で創設されたIoT税制(コネクテッド・インダストリーズ税制)は、平成30年6月6日から平成33年3月31日までの間に、ソフトウェアを新設等し、革新的情報連携利活用設備の取得等(最低投資合計額は5,000万円)をして、その事業の用に供したときは、その取得価額の30%の特別償却又は取得価額の3%の税額控除の適用を受けることができる(主務大臣による革新的データ産業活用計画の認定が必要)。税額控除については、継続雇用者給与等支給額の対前年度増加率が3%以上であれば5%に引き上げ可能になっている(下表参照)。
この賃上げの3%以上の判定だが、連結納税を適用している法人の場合、計画の申請を行った連結法人のみで判定するのか、あるいは連結グループ全体で判定するのか疑義が生じるところだ。
この点については、「継続雇用者給与等支給額」「継続雇用者比較給与等支給額」については、連結法人ごとに計算することになるが、法令上、最終的には合計することとされているので(措法68条の15の7②一)、連結法人ごとではなく、連結グループ全体で判断することになる。したがって、計画の申請を行った連結法人だけが賃上げ要件をクリアしても5%の税額控除の適用を受けることはできない。
なお、平成30年度税制改正で導入されたいわゆるムチ税制(大法人が所得・平均給与・国内設備投資について一定の要件をクリアできない場合、研究開発税制、地域未来投資促進税制、IoT税制の適用が停止される制度)についても同様だ(本誌727号9頁参照)。個別の連結法人が要件をクリアしたとしても連結グループ全体で要件をクリアする必要がある。
計画の申請を行った連結法人だけがクリアしてもNG
|
この賃上げの3%以上の判定だが、連結納税を適用している法人の場合、計画の申請を行った連結法人のみで判定するのか、あるいは連結グループ全体で判定するのか疑義が生じるところだ。
この点については、「継続雇用者給与等支給額」「継続雇用者比較給与等支給額」については、連結法人ごとに計算することになるが、法令上、最終的には合計することとされているので(措法68条の15の7②一)、連結法人ごとではなく、連結グループ全体で判断することになる。したがって、計画の申請を行った連結法人だけが賃上げ要件をクリアしても5%の税額控除の適用を受けることはできない。
なお、平成30年度税制改正で導入されたいわゆるムチ税制(大法人が所得・平均給与・国内設備投資について一定の要件をクリアできない場合、研究開発税制、地域未来投資促進税制、IoT税制の適用が停止される制度)についても同様だ(本誌727号9頁参照)。個別の連結法人が要件をクリアしたとしても連結グループ全体で要件をクリアする必要がある。
【表】課税の特例の内容 |
対象設備 | 特別償却 | 税額控除 |
ソフトウェア 器具備品 機械装置 | 30% | 3%(法人税額の15%を限度) |
5%※(法人税額の20%を限度) |
※計画の認定に加え、継続雇用者給与等支給額の対前年度増加率≧3%を満たした場合 |
当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。
週刊T&Amaster 年間購読
新日本法規WEB会員
試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。
人気記事
人気商品
-
-
団体向け研修会開催を
ご検討の方へ弁護士会、税理士会、法人会ほか団体の研修会をご検討の際は、是非、新日本法規にご相談ください。講師をはじめ、事業に合わせて最適な研修会を企画・提案いたします。
研修会開催支援サービス -
Copyright (C) 2019
SHINNIPPON-HOKI PUBLISHING CO.,LTD.