税務ニュース2003年10月27日 欠損金の繰越控除期間は新規分のみ7年が限度(2003年10月27日号・№040) 金融庁・金融機関の自己資本充実に関する税制研究会を開催
欠損金の繰越控除期間は新規分のみ7年が限度
金融庁・金融機関の自己資本充実に関する税制研究会を開催
金融庁は10月16日、金融機関の自己資本充実に関する税制研究会を開催した。金融庁が平成16年度税制改正要望で求めている欠損金の繰戻還付の凍結解除・延長や繰越控除の期間延長などについて、どのように平成16年度税制改正に盛り込むのか具体策を協議する。11月には具体策をまとめ、財務省や自民党税制調査会等と折衝する構えだが、現在のところ、財務省や政府税制調査会などでは、金融庁の要望をそのまま容認はできない考えのようだ。
11月中旬以降に財務省等と折衝
金融庁では、8月28日に平成16年度税制改正要望を公表しているが、要望では、金融機関の不良債権問題の早期解決を図るために、貸倒にかかる無税償却・引当の範囲拡大、欠損金の繰戻還付の凍結解除・期間延長(1年を16年)、欠損金の繰越控除の期間延長(5年を10年)等を求めている。
しかし、財務省等では、金融機関のみに前述のような特例制度を設ける考えはない。このため、金融庁では、大学教授や公認会計士など、7人のメンバーによる「金融機関の自己資本充実に関する税制研究会」を設置。平成16年度税制改正に金融機関の自己資本充実に関する税制を実現させるための具体策を協議する。衆議院選挙後の11月中旬以降を目処に具体策を持って財務省などと折衝する予定だ。
無税償却は容認の構え
今後、金融庁の具体策がどのようになるか明らかではないが、財務省や政府税制調査会などでは、今のところ、金融庁の要望をそのまま受け入れることには容認できない考えだ。
政府税制調査会が6月に公表した「少子・高齢社会における税制のあり方」(中期答申)では、無税償却については、すべての企業に平等に適用することを前提に検討すると明記されており、ある程度認める可能性が高い模様だ。逆に欠損金の繰戻還付の凍結解除・期間延長や欠損金の繰越控除の期間延長については、否定的な見解が出されている。
しかし、財務省側では、欠損金の繰戻還付の凍結解除は認めない方向だが、欠損金の繰越控除の期間を5年から7年に延長することは容認する方向。帳簿保存期間である7年との整合性を図る意味合いがあるからだ。
ただ、7年に延長するといっても、今ある欠損金の繰越控除を延長した場合には、大幅な減税が予想される。このため、現実的には、新規の欠損金についてのみ認める考えのようだ。
いずれにせよ、平成16年度税制改正についての本格論議は、選挙後の11月下旬以降ということになる。今後の動向に注目したい点である。
金融庁・金融機関の自己資本充実に関する税制研究会を開催
金融庁は10月16日、金融機関の自己資本充実に関する税制研究会を開催した。金融庁が平成16年度税制改正要望で求めている欠損金の繰戻還付の凍結解除・延長や繰越控除の期間延長などについて、どのように平成16年度税制改正に盛り込むのか具体策を協議する。11月には具体策をまとめ、財務省や自民党税制調査会等と折衝する構えだが、現在のところ、財務省や政府税制調査会などでは、金融庁の要望をそのまま容認はできない考えのようだ。
11月中旬以降に財務省等と折衝
金融庁では、8月28日に平成16年度税制改正要望を公表しているが、要望では、金融機関の不良債権問題の早期解決を図るために、貸倒にかかる無税償却・引当の範囲拡大、欠損金の繰戻還付の凍結解除・期間延長(1年を16年)、欠損金の繰越控除の期間延長(5年を10年)等を求めている。
しかし、財務省等では、金融機関のみに前述のような特例制度を設ける考えはない。このため、金融庁では、大学教授や公認会計士など、7人のメンバーによる「金融機関の自己資本充実に関する税制研究会」を設置。平成16年度税制改正に金融機関の自己資本充実に関する税制を実現させるための具体策を協議する。衆議院選挙後の11月中旬以降を目処に具体策を持って財務省などと折衝する予定だ。
無税償却は容認の構え
今後、金融庁の具体策がどのようになるか明らかではないが、財務省や政府税制調査会などでは、今のところ、金融庁の要望をそのまま受け入れることには容認できない考えだ。
政府税制調査会が6月に公表した「少子・高齢社会における税制のあり方」(中期答申)では、無税償却については、すべての企業に平等に適用することを前提に検討すると明記されており、ある程度認める可能性が高い模様だ。逆に欠損金の繰戻還付の凍結解除・期間延長や欠損金の繰越控除の期間延長については、否定的な見解が出されている。
しかし、財務省側では、欠損金の繰戻還付の凍結解除は認めない方向だが、欠損金の繰越控除の期間を5年から7年に延長することは容認する方向。帳簿保存期間である7年との整合性を図る意味合いがあるからだ。
ただ、7年に延長するといっても、今ある欠損金の繰越控除を延長した場合には、大幅な減税が予想される。このため、現実的には、新規の欠損金についてのみ認める考えのようだ。
いずれにせよ、平成16年度税制改正についての本格論議は、選挙後の11月下旬以降ということになる。今後の動向に注目したい点である。
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