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解説記事2019年11月04日 SCOPE 強制適用時まで2つ存在する収益認識会計の適用パターン(2019年11月4日号・№810)

契約資産の会計処理変更で読替規定も
強制適用時まで2つ存在する収益認識会計の適用パターン


 第二特集でもお伝えしている通り、企業会計基準委員会(ASBJ)は表示及び注記事項を定めた「収益認識に関する会計基準(案)」を公表した。同委員会では、2020年3月末までに確定する方針のもと、適用は、2021年4月1日以後開始する事業年度等の期首からとし、早期適用も2020年4月1日以後開始する事業年度等の期首から可能としている。加えて、2020年4月1日に終了する事業年度等から2021年3月30日に終了する事業年度等までにおける年度末に係る連結財務諸表等からの早期適用も認めている。
 ただ、すでに2018年3月30日に公表した企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」の早期適用が開始されていることもあり、強制適用時期である2021年4月1日までは2つの収益認識会計基準が存在することにもなる。例えば3月決算会社であれば、7通りの適用パターンが存在することになる。

注記事項等の適用も現行の収益認識会計基準と同じ

 収益認識会計基準については、2021年4月1日以後開始する事業年度等から強制適用されることになるが(2018年1月1日以後開始する事業年度からの早期適用も容認)、今回公表された表示や注記事項を定めた改正収益認識会計基準(案)についても、同じく2021年4月1日以後開始する事業年度等の期首から強制適用することとしている(本誌801号参照)。
 早期適用も2020年4月1日以後開始する事業年度等の期首から認めている。加えて、2020年4月1日に終了する事業年度等から2021年3月30日に終了する事業年度等までにおける年度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表からの早期適用も認めるとしている。
適用初年度は比較情報の注記なしでOK
 適用上の留意点としては、適用初年度において、改正後の収益認識会計基準の適用により表示方法の変更が生じる場合には、当該変更は企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」に定める会計基準又は法令等の改正による表示方法の変更として取扱うことになる。また、表示方法の変更が生じる場合に適用初年度の比較情報の連結財務諸表及び財務諸表について、新たな表示方法に従い組替えを行わないことができるとした。この場合については、適用初年度において、影響を受ける連結財務諸表及び個別財務諸表の主な表示科目に対する影響額を記載することになる。
 そのほか、適用初年度においては、改正後の収益認識会計基準において定める注記事項について、適用初年度の比較情報に注記しないことができるとの経過措置を設けている。

現行基準を適用する場合も契約資産の取扱いは改正後で可

 改正後の収益認識会計基準については、公開草案から変更がなければ、2020年4月1日以降は「2018年に公表された現行の収益認識会計基準」と「注記事項等を追加した改正後の収益認識会計基準」の2つが存在することになる。現行の収益認識会計基準については、すでに規定されている通り、2021年3月31日以前に開始する事業年度等の期首から適用することができるからだ(ただし、2021年4月1日以後に開始する事業年度等の期首からは改正後の収益認識会計基準を適用)。
 また、改正後の収益認識会計基準は表示及び注記事項が新たに追加したものとなっているが、契約資産の取扱いに関しては、金銭債権として取扱うとした会計処理の定めが削除されることになった(今号42頁参照)。このため、2018年公表の収益認識会計基準を早期適用する場合には、改正後の収益認識会計基準を適用する際に、再度、契約資産の取扱いを変更することになってしまう。大きな影響はないものの実務上の負担が生じる可能性があることから契約資産の取扱いを改正後の取扱いとすることを認める読替規定が設けられている。
 適用に関しては各企業の判断によることになるが、3月決算会社を例にとると、適用パターンは7通りに整理することができる(図表参照)。すでに現行の収益認識会計基準を適用している場合には、そのまま2021年3月末まで適用(図表①)できるほか、2020年4月1日からは契約資産の取扱いの読替規定を適用(図表②)、あるいは改正後の収益認識会計基準を適用(図表③)するパターンの選択肢が増えることになる。また、2020年4月1日から2018年公表の収益認識会計基準を適用することもできる。

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