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税務ニュース2021年06月25日 理由の提示の不備訴えるも、控訴棄却(2021年6月28日号・№888) 歯科医によるジュエリー製作販売所得は事業所得に該当せず

  • 東京高裁(廣谷章雄裁判長)は6月16日、課税処分の行政手続法違反が争点となった事案について、納税者の控訴を棄却。

 本件は、所得税等の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「課税処分」)を受けた納税者(控訴人)が、これらの処分が行政手続法14条1項本文に反し、違法であると主張し、その取消しを求めていた事案である。
 控訴人は歯科医師業により安定的な収益を得ているが、歯科医業、ジュエリー製作販売業(「本件製作販売業」)等に係る全ての業務を事業所得として申告していた。課税庁はこのうち、本件製作販売業等の業務は雑所得と認定し、課税処分を行った。控訴人は、更正通知書には、控訴人が行う本件製作販売から生じる所得が事業所得に該当するか否かは、営利性・有償性の有無など8つの要素を総合的に検討し、社会通念に照らして判断するとされているが、課税庁はこれらの要素を恣意的に検討している上、判断に至るまでの説明にも不備があり、行政手続法14条第1項本文の規定の趣旨に沿っていないことから、課税処分の理由の提示には不備がある旨主張した。
 一審の宇都宮地裁は令和2年11月19日、控訴人の訴えを棄却。納税者は控訴審において、「本件更正通知書は、所得税法27条に規定する事業所得の判断基準として示されたもののうち、④当該業務に費やした、精神的・肉体的労力の程度、⑥その者の職業、経歴及び社会的地位、⑦生活状況、⑧当該業務をすることにより相当程度の期間継続して安定した収益を得られる可能性が存するかどうかという基準が曖昧であり、これでは判断基準が提示されたとはいえない。」などと主張した。これに対し被控訴人(国)は、「本件更正通知書には、行政手続法14条1項本文の趣旨が求める程度に理由が提示されている。」と反論した。
 東京高裁は、「本件更正通知書に記載された①ないし⑧は、それ自体独立の課税要件として示されたものではなく、上記事業所得該当性を判断する上で重要となる要素や視点を明らかにしたものである。そして、控訴人が指摘する④⑥⑦⑧は、その記載自体から、どのような事項が、事業所得該当性を判断する上で重要な要素や視点となるかを読み取ることが十分可能であるから、判断基準の提示として曖昧であるということはできない。」と判示。さらに、「控訴人のその余の主張を検討しても、行政手続法14条1項本文の趣旨が求める程度に理由の提示がされていないと評価すべき事情があるとはいえない。」として、本件控訴を棄却している。

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