会計ニュース2022年04月22日 中小企業も今期から男女賃金格差開示へ(2022年4月25日号・№928) 実現会議、5月中にも有報・女活法で「比率」の開示義務化方針示す方向
本誌915号(11頁参照)でお伝えした通り、岸田総理が施政方針演説で「男女の賃金格差の是正に向けた開示ルールの見直し」を明言、「男女の賃金格差」が有価証券報告書(有報)の開示項目とされることが確実となっているが、これに加え、女性活躍推進法(42頁参照)に基づき同様の開示が義務付けられる方向であることが本誌取材により判明した。内閣官房に設置された「新しい資本主義実現会議」が5月末にも方針を示す。女性活躍推進法は2022年4月1日から適用対象が「常時雇用する労働者数が101人以上300人以下の事業主」に拡大された。このため、有報の提出が義務付けれられる上場企業等のみならず、中小企業にも男女の賃金格差の開示が求められることになる。
「新しい資本主義実現会議」が5月末にも方針を示すのは、有報における開示、女性活躍推進法に基づく開示ともに2023年3月期からの適用を視野に入れているためだろう。同会議の方針を受け、早ければ9月頃に開示府令(有報)、厚生労働省令(女性活躍推進法)の改正案がパブリックコメントに付され、年内にも公布されることが考えられる。いずれも省令改正での実現が可能であり、国会の審議を経る必要はないため、「2023年3月期からの開示義務付け」というスケジュールを達成することは難しいことではない。
具体的な開示内容としては、有報、女性活躍推進法ともに賃金格差を「比率」で示せば足りることとなるようだ。「金額」の開示までは求められない見込み。正規/非正規社員は分けて開示することになる可能性が高い。これは、一般的に非正規社員は女性が多いため、正規/非正規を区別しなければ、男女の賃金格差が実態以上に大きく広がって見えてしまうため。
いずれにせよ、男女の賃金格差が著しい企業にあっては、特に女性の採用活動に悪影響が出かねないほか、企業のイメージダウンにつながるおそれがある。2023年3月期は3月決算企業にとっては現在進行中の当期であるだけに今からできることは限られるが、例えば女性幹部の増員など早急な対応を検討する必要がありそうだ。
当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。
週刊T&Amaster 年間購読
新日本法規WEB会員
試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。
人気記事
人気商品
-
-
団体向け研修会開催を
ご検討の方へ弁護士会、税理士会、法人会ほか団体の研修会をご検討の際は、是非、新日本法規にご相談ください。講師をはじめ、事業に合わせて最適な研修会を企画・提案いたします。
研修会開催支援サービス -
Copyright (C) 2019
SHINNIPPON-HOKI PUBLISHING CO.,LTD.