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税務ニュース2022年08月05日 海外代理店に支払う使用料で源泉漏れも(2022年8月8日号・№942) 印税額等の明確な確認必須、租税条約の安易な適用は高リスク

  • 「受益者」に該当しない海外代理店への著作権使用料の支払いに租税条約は適用されず。
  • 原著作権名で租税条約の適用を受けるとしても、事実認定次第で常に減免が受けられるとは限らず。源泉徴収漏れリスク低減には正確な情報収集が必須。

 著作権使用料(以下、使用料)を非居住者に支払う場合には20.42%の源泉徴収を行うのが原則だが、一般的には租税条約により減免可能とされている。しかし、それが海外代理店に対して支払われる場合は減免の対象とならないことが、国税庁ウェブサイトの質疑応答事例「使用料条項の適用対象となる受益者」で明示されている。同事例では、ハンガリー条約を例に、海外代理店は使用料の受益者に該当しないため租税条約の適用はなく、源泉徴収が必要であるとしている。同事例の注書き1では「受益者から『租税条約に関する届出書』の提出があれば、その受益者の居住地国との間の租税条約を適用することとなります。」と解説されているが、本誌が課税当局に取材したところ、これは海外代理店をあたかも導管のように扱うことを想定しているものではなく、受益者名で届出書を提出しさえすれば常に租税条約が適用可能ということを意味するわけではないとのことだ。
 また、受益者名で租税条約の適用を受ける際に、海外代理店からの請求書に原著作権者に支払われる使用料と他の費用が区分されていない場合の取扱いも、実務家の疑問の一つとなっている。請求書に含まれる使用料以外の費用が国内法上源泉徴収不要であり、かつ、使用料の源泉徴収も租税条約により免除されるケースであれば、たとえその内訳が不明でも問題は生じないようにも見える。しかし、本誌の取材によれば、租税条約が適用されるのはあくまで受益者帰属分であるため、どの部分が原著作権者に帰属するかは、事例ごとの事実認定により判断する必要があるとのことだ。したがって、原著作権者取り分が不明確な場合には事実認定自体が難航し、ひいては租税条約の適用が認められないこともあり得る。
 使用料を海外代理店へ支払う場合における受益者への租税条約の適用を「事実認定の問題」と課税当局が整理している以上、少なくとも、海外代理店から原著作権者に支払われる金額を明確に確認できる請求書等の書類の入手と、原著作権者に関する正確な情報に基づく租税条約届出書の提出が、支払者側の源泉徴収漏れリスクを低減する上で必須の対策となろう。

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