会計ニュース2022年08月26日 ICOトークン、詳細な基準開発は困難(2022年8月29日号・№944) ASBJ、開発する場合には原則的な取扱いと開示を要求する基準に
企業会計基準委員会(ASBJ)は6月8日まで意見募集を行っていた「資金決済法上の暗号資産又は金融商品取引法上の電子記録移転権利に該当するICOトークンの発行及び保有に係る会計処理に関する論点の整理」に寄せられたコメントを踏まえた検討を開始した。なお、論点整理には16件のコメントが寄せられている。
基準開発の時期に関して寄せられたコメントでは、①会計上の取扱いが定まっていないことに起因し、特に上場企業や法定監査を義務付けられている企業において、トークン発行を伴う事案への取組みを躊躇するケースが見られ、対象取引の普及を妨げている。また、取組みを行おうとしても監査法人から忌避され、事実上監査を受けられない事態が生じている、②日本の税制は基本的に会計に則した形で規定されることから、会計基準が定まっていないことが税制上の取扱いの不明瞭さを招くなどの指摘があり、寄せられたコメントのほとんどが速やかに基準開発に着手すべきというものであった。
しかし、同委員会では、ICOトークンにはさまざまな権利が付帯される可能性があり、特にその発行取引については個別性が強く、今後どのような種類の取引が出てくるかを想定することも困難であると指摘。また、特定の種類のICOトークンを想定する場合においても、発行者における発行時の会計処理に関する関係者の見解は分かれており、ICOトークンの発行取引の取引慣行は、現時点では必ずしも定まっていないと考えられるとしている。また、国際的な基準開発の動向をみても、フランスなどの一部のガイダンスを除き行われていないとした。
このような状況においては、ICOトークンの発行取引全般について発行者における義務の性質を特定することは困難であるため、同委員会では、仮に現時点で速やかに基準開発を行う場合には、ICOトークンに関する個々の取引の権利及び義務の内容を踏まえて会計処理を判断するという原則的な取扱いを定め、その取引内容に関する開示を要求する会計基準を開発することが考えられるとしている。
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